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限界合作10の裏話 前編

限界合作10、FRENZ2022でも上映されたものがYouTubeでも公開されました。

ご覧頂いた方本当にありがとうございました……。

今回記念すべき10回目の合作であることやFRENZというイベントに参加させて頂けたこともあり、一つの記事では思いを全て書ききれないので仕方なく前編と後編に分けることにしました。
前編では僕のパートの裏話、込めた想いなど。後編では完全なオタク語りとなります。後編は見なくて大丈夫です。よろしくお願いします。

Nisaiパート

僕のパートはこちらのビルがバーンと爆発するところから16秒ほどのパートでした。


こちらのツイートのRTやパートの感想など頂けるとめちゃめちゃうれしい。細かい解説は後でしていきます。

人体モデル作ったよ

今回の限界合作ではなんと共通で設定したキャラクターというものが存在しませんでした。
ロストアンブレラのような原曲イラストキャラもいないですし、キャラを使う話も特にないまま合作が始まったわけです。

そんなわけで各自勝手にキャラモデルを作成し、そしてそれをサーバーで共有して好きなものを使う~というかなり適当な感じになってました。
どういうキャラにするかなども一切話していなかったのですが、石田さんがまず最初にサーバーに上げた進捗動画から「白髪長髪の少女だな…」という共通認識が全体に生まれた感じ。

石田さんパート

そんなわけで僕は安定のVroidモデリングでキャラを作成しました。

顔はそれなりに可愛くは作れたのではないかと思いますが、結構適当に作った感は否めないです。参考キャラがいないとなかなか難しい。
今回のモデルは表情変化も付けたかったので、破綻無くできる限りVroid感を消すような形に仕上げました。

髪と服はHoudiniでトゥーンシェーダーを適用しました。

Vroidモデルは映像だとポリゴンの粗さも目立ったりします。
今後はそこももう少し調整したいですね。

今回人体モデルを作成したのはおそらく⑧さん、石田さん、桜井貴志さん、TRAFさん、そして僕の5人です。

⑧さん
桜井貴志さんパート
TRAFさんパート

見比べるとみんな髪型が微妙に違ってたりして面白いですね。

そして僕のモデルはサーバーにご自由にお使いください~と投げたのですが、ありがたいことにたくさんの方に使っていただけました……。
vrm形式は共有のしやすさ、使いやすさの点を考えると本当に凄いんだなと実感。

みなとさんパート
kairiさんパート
あるしさんパート
紙雨楓さんパート
だっぴーさんパート

使用報告受けておらず映像から勝手に判断した方もいるのですが、多分僕のモデル使ってくださってる。違うよ!!って方いたら連絡してください。

こんなに使っていただけるならもっと凝って作ればよかった。テクスチャとか頑張って描けばよかったかな。使ってくれてありがとう。

考察と設定

僕のパートは、仮想世界から現実世界への移り変わりです。
石田さんパートでは少女が目を覚ますシーンとなっているのですが、これがかなり早い段階で進捗としてチャンネルに上がり、ここにうまく繋げる形にしたいと考えました。
そこで、僕がまず表現したのは仮想世界の崩壊。爆破、倒壊などの物理的崩壊の他、グリッチなどでバグの表現、電子世界のプログラム的な崩壊の両方を詰め込みました。
仮想世界が単純に崩壊しそこに巻き込まれた場合、僕としては少女は目を二度と覚ますことは無くなるであろうと考えます。
助かるためには自ら目を覚ますしか無い。そのため少女は仮想世界からの脱出を目指します。
ただし仮想世界からの目覚めにはおそらくキーが必要となります。
じゃあそのキーが何か。僕はそれを"今までの限界合作の記憶"としました。 2~9の限界合作の記憶。それらが仮想世界と現実世界を繋ぐ糸となります。これらを思い出した時、現実世界へのゲートがオープンします。
少女はそこに飛び込むことで、無事仮想世界からの脱出に成功するわけです。

……??

ビル爆破

街を爆破して破壊する映像がずっと作りたく、その夢を少しだけ叶えました。今回はビル1つでしたが、次はもっと派手にいきたい。


ここは全てBlenderで作成しました。本当はこれもHoudiniで作りたかったのですが、意味わからな過ぎてBlenderで作った方が早いやとなりました。
爆発は配布されていたフリーのVDBを使いました。これもね、Houdiniとかで作りたかったけど普通によくわからなかった。

あと僕のパート全体を通して、花雪さんのプラグインにめちゃめちゃお世話になりました。

少女落下&Run

ここからはHoudiniです。
最初はBlenderで髪シミュレーションを行っていたのですが、

腕をすり抜けたり、しなやかで無かったり、なかなか納得いきません。

そんなとき、Letheさんの完璧な髪シミュレーションをTLで何度も見かける機会が増え、めちゃめちゃ憧れを持っていました。

この完璧な髪シミュレーションとクロスシミュレーションでキャラを動かしてみたい!と。
そんな想いで僕は前々から気になっていたHoudiniを導入し、頑張っていろんなチュートリアル動画を見ながら見様見真似で仕上げました。
ちなみにキャラモデルの髪シミュレーションのチュートリアルなんて無いです。自力で試行錯誤してどうにかしました。

かなーり大変でした。

どこいくねーーーん

試行錯誤の末どうにか良い感じに
ちなみに服のクロスシミュレーションもちゃんとやってます。これも途中で脱げてしまったりということが何度もありました。

うんうん…Blenderで作っていたものと比べるとかなり良い感じ…!!
ただ、まだどうにも精度や挙動に納得はいってません。
走るモーションもMixamoの流用ですし。
でも、まあ腕にこの髪がちゃんと引っかかる感じ、なかなか良くて気に入ってます。とりあえず形にできてよかった。
これからゆっくりHoudiniの勉強をしつつ研究していきます。

あと走るシーン、本当は背景に崩壊していく街を描画したかったけど難しすぎて無理だった。
落下からの繋がりを考えたらまあこっちの方が自然ではあるかな。

記憶

限界合作2~9の記憶です。

オブジェクト選択の基準は、各合作内または本家動画イラストに登場している物で個人的に印象深かったものだったり割と適当に選んだものもあります。
上の画像はざっと探して取ってきたので、それを思い浮かべて作ってたかというとそうでもない。

最初戦車では無くアイマイナちゃんでした。
ただ、明らかなキャラが出てしまうとノイズになってしまう危険性や、ピノキオピーさんがFRENZに関与してる方なのでちょっとやめといた方が良いか…という結論になりました。
ちなみに自転車戦車机イスハサミ傘は素材です。許してくれ…。

教室とサイバーパンクシティ

これらは仮想世界をワープしながら飛んでいる感じです。
出口を探して時空がバグった世界を必死に駆け回る感じ。

教室は素材を使ってるのですが、マテリアルやライティングなどなどこだわって凄く良い感じになったと思ってます。めちゃめちゃ良い。
一瞬しか使わなかったので、また別の機会に使えたらいいな。
サイバーパンクシティも素材です。ごめんなさい。
最近モデリングをすることを諦めてしまっている。

ゲート

現実世界へのゲート。

ERRORの文字は石田さんパートから持ってきました。

こちらのチュートリアルを参考にHoudiniでずっとチクチク作ってました。
なんと終盤でプラグイン必須なことが発覚する系チュートリアル。

かなりギリギリに作っていたので、あまりうまく魅せることはできなかった。

ラスト、ロストアンブレラの傘が最後のキーとなります。

そして、ここから石田さんのパートに移ると……

こんな感じです!!

没シーン供養

作ってみてなんか違うで使わなかったシーンがたくさん

正面からの構図使わなかったな

Houdiniで色々しようとしてた

最初はオブジェクトじゃなくて限界合作の映像をそのまま持ってきたりしようかとか思ってたり。

まとめ

個人的にはかなり頑張った方だと思いました。今回は本当にメンバーがやばく、プレッシャーがかなり大きかったです。
どうにかクオリティが低いと思われない最低ラインはクリアできたかな…!
制作期間が4、5か月もあったのですが結局直前に追い詰められながら必死に制作する形になったのでそこも反省。
色々書いてますが、自分ではそこそこ気に入ってます。
ビル爆破→落下の流れはかなりお気に入りポイントで、最後のリズムに合わせて切り替えていくシーンもかっこいい。
そういえば僕は前後との繋ぎもいつもこだわっていて、今回は最初の1フレームにぬれさんパートの最後のフレームにグリッチをかけたものを差し込んだりしてます。これがあるだけで全然変わってきたり。

今回のファイル

ほぼ50GB、すごい。

限界合作9の時のフォルダ

限界合作9と比べると結構面白い。
前回と違い今回はそこまでコンポジットに時間をかけず、プリレンダも少なくなりました。ただ、シーンの数が多かったためファイル数は圧倒的な数に。

今回限界合作の作品を作るだけでなく、FRENZでたくさんの方の映像を見てかなり刺激も受けました。
僕が改めて大切にしたいなと思ったのは、僕の作りたいものは僕にしか作れないということです。技術とセンスはできる限り頑張って磨いていけばいいとして、とにかくこれが俺の作品だ!と殴っていく。そんなスタイルがきっと僕には向いていて、僕が自分で楽しいと思う創作活動なんだと思いました。

この気持ちを忘れず、来年に向けてまたいろんなことを頑張っていきます。
改めて限界合作、そしてFRENZに感謝です。

ここまで読んで頂きありがとうございました。


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