アニメ感想 ~スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました~

 🔶内容とこれからの展開🔶

 物語の女主人公『アズサ』は前世では社畜で過労死の後、女神の助力により不老不死となって異世界転生をする。
そうした過去から、主人公はのんびりとした日常を過ごしたいと考えており日々行っていることは
毎日スライムを狩って、薬草作って店に売る。この繰り返しをマイペースに300年繰り返しており
(流石に飽きるだろとは思うのだが) この地点で既に目的を果たせているといえそうである。

 ただそうなると本当に1話で完結することになりまた主人公の気質からも能動的に動くこともないため
主人公が強いことが町中で広まり冒険者やドラゴン(ライカ)がやってきて主人公に勝負を挑む…といったようにイベント事が
向こうから勝手にやってくるようなストーリーとなっている。
現地点で1話だけ視聴したのだがEDでも多くの人物の顔が映っていることからも、このようなストーリー構成で続いていくことが予測される。


 🔶ご都合主義だが共感性もあり🔶

 この作品はご都合的な要素が強く見て取れる。
不老不死の能力は、女好きの女神が前世のアズサを可哀そうに思ったことで付与しており
また多くの村人が転生アズサを慕っているのだが、これは薬草売って病気を治して疫病の流行を防いだためである。
一応理由付けはされているのだが、なんともあっさりとしているためやはりご都合感が感じられる。
 また他にもいきなり異世界の文字が読め何故か異世界先でも当たり前のように会話ができ家もタダで手に入り
容姿も可愛く変わっている等、何かっていうと溢れんばかりの都合の良さである。

 しかしこの作品スローライフや働かずのんびりと暮らし、そして弟子となったドラゴンにも頑張りすぎないように諭す部分も踏まえ
頑張らない生き方を提唱する主人公の思想は今の令和らしさを感じるものであり、生き辛い現代社会での不満を反映させたような
ある種の理想の世界観と生き方とも言えそうであり、そうした観念は個人的には強く共感できるものがある。

 (というか実際スローライフをテーマにしたゲーム『あつまれ どうぶつの森』も
非常に人気があったことからもこうした社会的思想の反映があったのではないだろうか)

主人公が300年も同じ日常ルーティンを問題なく繰り返していたことから、
この世界は科学技術の発展性が全くなく、戦争もなければ平和な世界観なのだろう。


 🔶あまりにもメインの登場人物が多すぎた🔶

この話主人公アズサが可愛い女の子に慕われて囲まれるという内容で、毎話毎話新しいキャラが登場し、
1人1人の個性や存在感が1番最初に登場しライカでするらも含め地味で埋没してしまっている。
嫌なキャラがいるわけでもなければ、幽霊やドラゴン、スライムの精霊、ハエ等、種族的にもバリエーションがあるはずだが1人1人の掘り下げが弱くキャラが使いこなせれていない
ことに加えそうした種族的な要素も物語にほぼ反映されず言ってしまえばカレーやマカロン、ピザに餃子何を食べても同じ味しかしない様な感覚に近く
言ってしまえばキャラの内面を掘り下げられていないといってもいい。
キャラのやり取りに必ずアズサが入っており、アズサだけのハーレムとなっておりまた、アズサを除くキャラの相互関係が希薄でありカップリングがない。
それ以外の不満点はデスメタルをやるキャラが登場するのだが世界観に合わない OPEDがイマイチ
スライムだけをひたすら倒していくことに、ストーリー面での意味合いがほぼほぼ無い


 🔶総評としては異世界日常系アニメであり、この作品にストーリー性や面白さを求めることはできない。
さりとて可愛い女の子同士の掛け合いに癒されるかと言えばキャラが多すぎたことで1人1人の印象が無いものとなってしまった。
反面、嫌なキャラや主人公にとっての敵ともいえる存在、ギスギスした要素などは全くなく毒となる要素は一切ない。
 またこの作品をくまクマ熊ベアーのようだと形容したコメントはかなり納得するところ