世にも奇妙な青春アニメ感想 ~化物語~


内容は主に怪異に取りつかれた少女たちを主人公の阿良々木暦が助けようとするものであり1つの話が2~3話で完結するようなオムニバス形式となっている。
前半部分は主に雑談と怪異絡みの問題を描写し、後半は人物の本心となる素性や意外性のある展開が明かされ、何かしらの手段によって怪異の問題を概ね無事に解決するものとなっている。
雑談が長く、核となる怪異のパートがむしろオマケに見えてしまいそうでもある。

とにかく視覚的な印象が強く、特徴的で美術的な背景は他のアニメには後にも先のも見ることが無い。
またモブキャラが完全にいないものとなっており(実際には居るのかもしれないが)、主要人物しかいない公園やクラスの教室は殺風景であり加えて
比喩表現のような色彩の背景はどこかシュルレアリスム的な表現を成しているとすら思える。

更に、人物の会話は様々なアングルや瞬間的にガラリと切替わる絵柄であったりと視覚的に見たこともないような演出がなされている。

このころのアニメはハーレムモノが多かったような印象だったためこの作品は逆説的に割と序盤からサックリと彼女ができることろはむしろ衝撃的である

また主要のヒロインたちある意味は決して綺麗な存在とはいえず心に深い闇を抱えているといってもいいのだが、視聴者が俯瞰してみた結果としては
そういった彼女らだからこそ怪異と呼び寄せたのではないか思える。
しかし根本にはどこか薄暗い事情がありその現実を彼女らなりに受け止めようとする様は立派といえる。

またどうして阿良々木は羽川より戦場ヶ原を選んだのか?どうして誰に対してもそこまでして助けようとするのか?等
視聴者が思った部分をキャラがツッコミを入れるところもある。

またOPも各タイトルごとに違っておりそれぞれのキャラの心情がよく表れているものの一方のEDも特徴的であり
エンドロールが下から上へと流れ、こちらも各タイトルごとにそのメインの人物が描かれている。

この作品はどの部分を見ても印象深いところではあるのだが特にひたぎとの初デートが夜中に野外で星空を見るというのは高校生らしからぬ
中々に渋いセンスでありED曲の伏線回収ともなっており素晴らしいシーンであった。

 最後に物語シリーズはアニメでも多く展開されておりどこから視聴すればよいのやら分からない人も多いとは思うが
とりあえず迷ったらとりあえずアニメで一番最初のスタートした『化物語』から見ればいいのではなかろうか?