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「青麗」2024.7
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髙田正子主宰句 好きな句
ステッキの百歩に灼くる日なりけり
火のいろもまた涼しさのもてなしぞ
会員句 好きな句
叱咤叱咤叱咤激励花万朶 岡崎屋弥保
やはらかな風を巻きとり春キャベツ 大塚君恵
石鹸玉吹いてくるくる子の回る 古田紫帆
亀鳴いて杖いつぽんのこころざし 堀口知子
※
2024年7月号の特集は「句会は愉快なり」と題して、ZOOMによる会員の座談会が掲載されている。
句会というものの発足にまつわるさまざなエピソードが語られていて、読んだ会員が、「よし、自分たちも仲間を募って、句会を発足させてみよう」という気持になるような企画だ。
全国誌的な性質を最初から持って発足した「青麗」句会は、上記のような句会の奨励の他に、吟行をとても大切にしているようだ。他誌にもそういう会派もあるが、「青麗」は、俳句の生まれる現場を大切するとう、基本理念が最初からあるようだ。
「巡礼吟行」として、「青地巡礼、始めます」という髙田主宰の呼びかけのページもあるように、吟行そのものが、髙田正子主宰の理念でもあるのだろう。
※
連載読み物が充実している本誌。
〇 「季語と外来植物」北川谷戸乃
今回は「百合」。
在来十二種と外来帰化種二種類が知られているという。
鉄砲百合と鬼百合くらいなら知っていた。
多様な形態と模様の違いで多種、あるようで、素人はその違いは判らないだろうな、と思った。
交雑で生まれたシンテッポウユリは、三十二種類もあり、日々、増加中だという。
〇 「丈草の発句を読む」深沢眞二
今回は「涼しさ」。
白扇を逆さに広げた形を富士に見立てて詠まれた句をめぐっての考察からはじまる論考で、興味深く読んだ。
涼しさに寝よとや岩の窪溜
岩の上での座禅は仏道修行であるべきところ、丈草の怠惰で横着な仏道修行ぶりを描いた句、と解説にあり、びっくりしつつ、笑ってしまった。
〇 「海の物語」平尾潮音
「サウスハンプトン」という地名が題になっているが、今回はヨットにまつわる話題である。自身の句、
書架涼し異邦の町の物語 潮音
と詠まれているように、ヨットと海に纏わる町を尋ねた逸話である。
一湾のヨット空より舞ひ降りし 大串 章
の句も紹介されている。
〇 「お菓子な俳句」さとうかしこ
今回は「天の川」と題して、涼を呼ぶ水羊羹のような透明感のあるお菓子の紹介。素材の寒天とゼラチンの違いなど、興味深い。
〇 「俳句百名山」ジョニー平塚
今回は「月山」。有名な芭蕉の、
雲の峰幾つ崩れて月の山
をはじめ、「月山」が詠まれた名句の解題。
こんなに多様な連載が充実している俳誌は他にないと思う。
とても読み応えのある俳誌である。
巻末の《「青麗」への反響》のページで、拙ブログの言及が紹介されていて、恐縮。
ありがとうございました。
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