村田の経歴【野村證券リテール編】(1/4)
村田憲昭です。2018年に約10年間勤めた野村證券を退職。ベンチャーIFAへ入社し、代表取締役社長を経験してから、その後MBOによってオーナー経営者になりました。
このnoteでは、15年間金融業界の最前線で、4つの異なる環境に身を置いてきた私自身のエピソードと成果に直結する営業ノウハウや思考法を、お伝えできればと思います。過去、Xで好評だった投稿をまとめたものです。1話10分程度で読める内容ですが、その中に私自身が葛藤し、もがきながら結果に向き合ってきた経験と、そこから得た生きたノウハウや大事な要素を詰め込みました。
大学時代、「どうせなら最前線で営業の経験を積もう」と考え、業界最大手の野村證券入社。業界最高峰のブランドで、一人のビジネスパーソンとして仕事のなんたるかを叩き込まれたことは本当に有難いことでした。野村では約10年の間にリテールと投資銀行部門を経験し、富裕層から上場企業まで担当させていただき、一人の人間として成長させていただきました。
もちろん、はじめから順調だった訳ではなく、何度も空回りし、結果の出ない苦しい時期も経験しました。本noteでは、恥を忍んで、そういった話も赤裸々にお伝えします。また、自らが培ってきた経験の中から、本当の役に立つノウハウや知識も余すところなく書いていきます。
本noteは私自身の体験してきた4つの環境をそれぞれ「野村證券リテール編」「野村證券投資銀行(IBD)編」「保険代理店編」「IFA編」の全4話に分けました。
きっと、今営業に悩んでいる方、これからこの業界に飛び込もう思っている方の参考になると思います。
1.結果が出なかった2年間
野村證券での支店営業は丸4年過ごした。
それは最高の先輩と環境に恵まれた時間でもある。
やる気に満ち溢れていたが、当初全く芽が出ず
「頑張ってるけど成果が出ない奴」に過ぎなかった。
しかし、最終的に月間COM1000万を持続、
TOP3を堅持することができるようになった。
いったい何が変わったのか?
大きな転機となったのは"覚悟"と"準備"だった。
2.TOP3になれた"覚悟"と"準備"
ー"覚悟"について
野村證券には当初、
「定年まではいない。
営業力つけて何かで独立しよう」
と入社した。
だが丸2年成果が出なかった。
しかし、営業中にふと気づいた。
「与えられた環境で成果を出せなければ、どこでも無理じゃないか」
梅田の雑居ビル階段で
「絶対結果を出してやる!」
と決意したことを覚えている。
"覚悟"が決まると見える世界が180度変わった。
礼儀、
品格、
話し方、
聴き方、
声のトーン、
毎日の過ごし方、、、
全てが気になり始める。
野村證券で有名な言葉に「数字は人格だ」とあるが、今では「全人格が数字に直結する」仕事だと思っている。それだけ分かりやすくて、面白い仕事が金融営業だと心底思う。
覚悟が決まったことによって、毎日が試行錯誤だった。
当然、身だしなみは重要な要素となる。
「戦闘民族・野村マン」といえば真っ先に試したのは
"オールバック"だった。
「よし!やるぞ!」気合は入った
が、
思いのほかヘルメットである。
1週間で止めた。
#切り替えも大事
ー"準備"について
「飛び込み営業の準備」
出会えた瞬間の一言目(10秒、30秒、1分Ver.)
着席できたときの一言目
ヒアリング内容
各フック商材の内容、順番、資料
面談の終わり方
自由演技は基礎固めまでは辞めた方が良いと学んだ。
それが準備に勝るには相応の経験が必要かと。
「アポ面談の"準備"」
前回面談の復習
お客様の情報収集と質問準備(HP、検索、業界情報等)
円滑な提案を行うための資料準備
質問を想定、回答準備
最初は膨大な準備量でしんどい。間違いない。
しかし準備した内容は血肉となり、面談を重ねるほど負担も軽減されレベルが上がる。
いま思えば、私が見てきた全国有数のトップセールスは"準備"に異常なこだわりがあった。
1つ当時の話しをすると、トップセールスの方に同伴外交(≒同行)させてもらったときのこと。電車に乗り込んだ瞬間からその方は、私に脇目もふらずブツブツ言っていた。
車内でずっと窓を見つめながら、面談のシミュレーションをしていた。成果はもちろんのこと、お客様からの信頼は抜群だった。
3.師匠からの大切な教え
野村證券にはインストラクター制度(=徒弟制度)があり、新人は師匠について、OJTで24時間体制で鍛えられる。
野村マン同士の会話で「イントラ誰ですか?」は鉄板トーク。
それほど影響力のある存在である。
「ノルマ證券」と揶揄されるように、数字へのこだわりは異常。会社として"やらねばならない商品"もあった。
そんな時イントラが言うのは『この目標は絶対こだわれよ』その後言ったのは『でもお客様を守れるのはお前だけだからな』この温かく含みのある業務指示は、いまも大事にしている。
『会社方針による商品販売』は、引受業務や営利企業の観点から避けて通れない。これで苦しむ金融マンが多いのは"限られたお客様"にだけ案内しているからで、実際に顧客資産が痛むことに繋がる。
お客様を守れる担当者は、その商品を"欲している人"に案内する。
そのために行動や見込み管理を工夫していた。
4.結果を出すための休日の過ごし方
ここからは、リテール時代の休日の過ごし方について触れていきたいと思う。私はこのような積み重ねで成果を出していったと言っても過言ではない。
毎週末取り組んだ高級住宅街でのDMポスティングや大量の巻紙は効果がなかった。
成果が出始めたのは平日のための『準備』に意識してからだった。飽き性な私が続けられた誰でも取り掛かれる準備を紹介したい。
①「身なりを整える」
これは効果が大きい。
一喜一憂しやすい人は前週のリセットができるし、見た目の自信は対面の自信に繋がる。
具体的には美容院に行って、眉毛と髪型を整えデコ出し。スーツ・ネクタイ・靴を新調。ジムへ行く等々。社会人としての最低ラインを整えればあとは実力を付ければ良いだけ。
②「読書」
これは自分の行動を変えた。
休日は必ず本を読むようにしていた。特に基礎がなっていない若手時代は、「営業ノウハウ本」「自己啓発本」を好んでいた。
そして何より大切なのはアウトプットである。1個で良いので週明けから実践することをメモしておく。実践すれば"引き出し化"されるので忘れない。
③「レポート」
レポートで理論武装。
金曜日は経済・為替・株式等のレポートを印刷して、時間の取れる週末に精読していた。金融界隈でない方は業界誌でも良い。そして大切なのはアウトプット。
お客様に伝えたいことをまとめて"そらで言える"状態にする。理論武装すれば、週明けから自信をもって行動に集中できる。
④「翌週のアポ入れ」
翌週のアポ入れで効率化。
厳密には週末を迎える前に行うべき内容だが、遅くとも"翌週のアポは埋めた状態"で週末を迎える。翌週の行動計画が決まることでアウトプットの現場が明確にイメージできる。
「新規商談」「継続フォロー」「開拓飛び込み」「事務ワーク」翌週なにをやるのかで、過ごし方が変わってくる。
⑤「翌日の予定を確認」
毎日、翌日の予定を確認して帰宅。
先ほどの予定を確定させる技術は毎日の過ごし方にも適用できる。毎晩『あぁ疲れたなと』帰宅して毎朝出社してから『何しようかな』では全てが遅い。帰宅前に予定を確認して明日のイメージをしておく。一日に追われるのではなく追いかけるためにも心の準備は大切。
これにて「野村證券リテール時代の休日の過ごし方」を終わります。
5.最強のトップセールス
また参考になるというお話しで、1人の人物を紹介したいと思います。
白状するとマーケティング的には、私もトップセールスと言いたい時期はありました。だがしかし、同期で君臨し続けた米田氏(@yoneda186548544)の前では口が裂けても言うことはできない。それほど、圧倒的な存在だった。機会があれば、彼についてもご紹介したいと思います。
これで【野村證券リテール時代編】は終了です。お付き合いいただきまして感謝です。どこまでいっても正解がない世界。その中で、どれだけ自分を磨いていくかの勝負です。感じることがあれば、お気軽にご意見いただけますと幸いです。
次回、「投資銀行編」に続きます。よろしくお願いいたします。
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