村田の経歴【保険代理店編】(3/4)
野村證券を退社後、保険代理店には5年所属している。
世界の保険パーソンの5%が入れるMDRT会員資格は3回該当。初年度は個人保険を中心に7か月で達成。突出した実績ではないと自覚するが自信を持って顧客対応できるようになった。
近年IFAが保険を取扱うことも増えており保険業界から学ぶべきことも多い。
今回は保険代理店に所属してからのお話しです。
1.なぜ保険代理店へ?
そもそも「投資銀行(IBD)を辞めてなぜ保険代理店へ?」に回答すると、
1.顧客と距離が近くなるリテールでやりたかった
2.「証券×保険×不動産」をフラットに提案できる担当者を目指していた
3.IBDに5年在籍したがゆえに顧客基盤が皆無であり資産形成層から基盤づくりをする必要があった(かなりリアル)
ここで思い出すのは、証券会社を辞める時、後輩から「僕は絶対保険営業なんて無理です(=やりたくない)」と言われたことだ。保険営業に良いイメージを持たない人がいるのは事実。強引な営業等により友人関係に影響を及ぼすことを想像しているのだろう。
ただ「営業=押し売り」と考えている以上は保険業界は向いてない。
2.営業力を上げるトークスクリプト(台本)
保険営業の特徴として「トークスクリプト(台本)」が存在する。私も愚直に1ヶ月かけて数十枚に渡る内容を暗記・演習した。中身はロジカルに良く練られており多くの効果を実感した。
トークスクリプトのメリットは主に3つ。
①お客様に効率的かつ良質な商談時間を提供
②よくある質問への円滑な回答
③最短で担当者を一定レベルに引き上げる
ぜひ活用してほしい。
私は証券営業においては、トークスクリプトを見た記憶がありません。OJT教育のせいか、あまりにも「属人的」だなと感じています。面談および商談時の基本的な事項についてはスクリプト化し、対人ロープレをどんどん実施するのが良いかなと考えています。これは、IFAの皆様からぜひご意見をいただきたいところ。
3.新人のスタンスで臨んだ保険営業
30歳での保険代理店所属は新人のスタンスで臨んだ。上手くいった成長サイクルは下記を守ったことだった。
準備
商談
メンターへ即電話して振り返り
振り返りメモ記入
次回商談前にメモ確認
メンターが24時間答えてくれたのがありがたかった。以来私も育成時は同じことをすると決めている。
転職直後の圧倒的成長をサポートしてくれたのが書き溜めた【なるほどメモ】だった。Evernoteに「商談の振り返り」「印象に残った言葉」等を記録して頻繁に読み返していた。なるほどを骨肉化できるまで意識して実行した。自分は気が緩みやすいし忘れっぽいので大きな助けになった。結構メモしたなぁ。
尊敬するハーヴィー・スペクターが「第一印象が命」「仕事熱心だと印象付けろ」と説いている。新卒者や転職者には金言。私はIBD異動時はギャップに順応できず正直失敗した。しかし今では「新環境での初速」は何より大切だと思う。最初の熱量で成長の発射角度が高くなり大きな差がついていく。
#SUIT
4.保険営業に失敗する人・成功する人
リテールへの想いを捨てきれない私は「野村證券投資銀行」⇒「保険募集人&IFA」へと移行した。証券顧客の基盤は皆無に近く保険募集人として全力を注ぐことになる。フルコミ営業における失敗する人・成功する人の傾向を紹介したい。
保険募集はライフプランにおけるリスクヘッジを提供できる尊い仕事である。一方で歴史的に未経験者の登用が多い業界でもあり、プレイヤー側は玉石混交。マネーモチベーションで業界に飛び込んだものの価値提供がうまくできず業界から去らざるを得ない人も多く見てきた。
そんな保険募集人における失敗&成功する人の傾向は下記の通り。
失敗する人
①私服営業している
②相手を説得している
③結論が出るのを恐れる
成功する人
④新人マインドがある
⑤即レスができる
⑥ハードワークできる
それぞれ詳しく解説していく。
失敗する傾向の人
①私服営業している
「私服営業している」人は失敗傾向にある。保険営業はきっかけとして友人・知人に声をかけることは多い。ただ初回面談に『友人なので私服でいきます』と臨む人がいるが、仕事と友人関係が分けられないのはマズい。相手は本気にならずこちらの本気も伝わらない。仕事に曖昧さは不要である。
②相手を説得している
「相手を説得している」人は失敗傾向にある。面談中はお客様より、いろいろな反対意見が出てくる。経験が少ないと狼狽えて説得しようしがちだ。反対意見はお客様からニーズを発信してくれていると思うべきだ。まずは感謝を伝え、代替案や考え方を提示していくのがプロの役割である。
③結論が出るのを恐れる
「結論が出るのを恐れる」人は失敗傾向にある。経験が少ない人は断られることに慣れておらず『この人は面談中で結論待ちです』という言葉が多い。コンサルティング営業ができていればニーズ不一致で断られることは良くある。結論は、面談中もしくは期限を区切って出すことがお互いのためである。
成功する傾向の人
④.新人マインドがある
「新人マインドがある」人は成功傾向にある。保険募集人には大手企業からの転身者も多い。商品、商談プロセス、顧客属性全てが異なるため駆け出しは反省の連続である。しかし実績を残してきた人ほど昔のプライドを捨てられず原因をお客様のせいにする事がある。成長する人は常に謙虚である。
⑤.即レスができる
「即レスができる」人は成功傾向にある。お客様からの連絡は"悩みの発信"であり担当者に早く受け止めてほしいと思っている。すぐの対応が難しくても「本日中に返信します」だけでも良い。MDRT保有者のスピーチでも即レスを挙げる人は非常に多い。LINEの通知を溜めていないだろうか。
⑥.ハードワークできる
「ハードワークできる」人は成功傾向にある。特にスタート時期に商談数を増やせる人間は失敗から学ぶ機会も多い。ゴマンといる保険募集人から早々に抜きんでたものがさらに抜きんで行くのである。打席数が多い人間は失敗も多い。しかし成功の数も多い。
これにて【保険代理店時代編】は一旦終了です。業界から退出しないというのもライフプランナーの価値だと思います。私もまだまだ学ぶことが多い身ですが、この見聞がみなさまの活動の糧になれば幸いです。
5.紹介したい恩人2人
最後に、保険代理店編において、感謝している方を2人ご紹介したい。
まず、感謝すべきは安田氏(@Kinnosuke_Star)。
彼は起業していち早く総合金融代理店(証券×保険×不動産)を標榜。不安を抱える私を『環境変えるなら成功の道しかないですよ』と奮起させてくれた。そんな彼は今プロボクサーです。一言では語れない男。ぜひプロフを。
そして、保険の全てを叩き込んでくれたのは田中氏(@tks_tanaka)。
知識、心構え、スキル、紹介営業の極意等を本気で指導いただいた。言われた通りにやれば本当にそうなった。面接時の「新人と同じ気持ちになれますか」は無駄なプライドを捨てられた魔法の言葉だった。保険業界に飛び込むなら彼に話を聞くべき。
次は最後の話しです。「IFA編」よろしくお願いいたします。
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