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【AIR】規制に小さな風穴があき始めた地域金融機関による自己保有不動産の賃貸業

前回の記事で統廃合で閉鎖された地方銀行や信用金庫の店舗跡や店舗機能の縮小化で生じた余剰スペースを地域活性化に資するような拠点や地域ニーズに沿ったパブリック性の高いサービス拠点等に活用する動きが登場してきている事例について紹介しました。

・【AIR】店舗跡地を地域活性化の拠点に!地方銀行や信用金庫が進める跡地活用
https://note.com/murase/n/nf9baed2ce41a

上記の記事執筆にあたり調べてみると、この店舗跡や店舗余剰スペースの地域向けへの有効活用ですが、実は規制との狭間にありまだ発展途上段階にあることがわかりました。

地域密着の金融機関として存在する地方銀行や信用金庫は、そもそも銀行法や信用金庫法に基づき営業できる業務範囲が定められており、それ以外の業務を営業することが禁止されています。そのため規制により保有不動産を外部に賃貸し賃料収入を得るといった外部向けの賃貸業ができない立て付けになっています。

規制されている理由としては、金融機関は高い公共性を帯びていることから、むやみに本業以外の異業に参入して万が一損失を出し経営危機に陥るようなことが無いよう金融システムの安定化のためというのが理由の1つです。2つ目の理由としては金融業に専念することで効率性を高め、本来の目的である金融仲介機能、信用創造機能、決済機能といった役割を遂行することがあります。3つ目の理由としては仮に他業に参入した場合、金融業における顧客との利益相反の可能性があるため利益相反取引を防止することがあります。

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