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映画「丑三つの村」レビュー「僕の「ランボー」はコレ!「一人だけの軍隊」の出征の時は来ませり!」

夜這いの風習のある村で神童と持て囃された若者・犬丸継男(古尾谷雅人)が五月みどり・田中美佐子・池波志乃・大場久美子ら村の女と
宜しくやっていたのだが結核と判明し出征出来ないと知るや
途端に厄介者扱い。
村の厄介者は吊るされるのが掟。
殺られる前に殺らねばならぬ!
完全武装した「一人だけの軍隊」の出征の時は来ませり!
家屋に押し入ってかつて夜這いした女に向かって彼は叫ぶ。

「ババア夜這いに来たで!」

松竹は「八つ墓村」が津山事件を発想の元にして大ヒットしたのだから
「津山事件をそのまま映画にすればよりウケるんじゃね?」
と思ったのかなあ。
その割には大量殺人鬼役に線の細い古尾谷雅人を起用して、
彼に専ら「竿役」として「女優を目立たせる目立たない存在」としての
役柄を割り振っていてポスターも女優4人がメインで
古尾谷雅人の画像が凄えちっちぇえの!
何だやっぱりエロ映画の文法で作ってんじゃん!

でもさ。
僕はこの映画を進学して東京の下宿して深夜のTV映画で観たんだけど
「僕のランボーはコレだ!」
って思いました。
2代目コメットさんを殺す古尾谷雅人の鬼気迫る演技に震え上がりました。
古尾谷さんさあ…余りにもアレな自分の扱いに不満のマグマを滾らせて
怒りゲージをMAXにしてたんだろうなあ…。
本当にね…アンタはリアルジョン・ランボーだよ…!
古尾谷さんが時折カメラ目線になって
「皆々様,今に見ておれで御座いますよ」
って凄むのが大大大大大好き。

本作冒頭で出征兵士役でビートきよしが登場し
台詞無し一礼する頷く等の演技を終えた後,退場する。
「うなずきトリオ」のひとりとして相応しい扱いと言える。
「うなずきトリオ」はビートきよし,松本竜介,島田洋八の3名からなり,
大瀧詠一作詞作曲の「うなずきマーチ」という歌も歌っている。

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