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あだち充先生の「みゆき」レビュー「オマエの様な妹がいるか!さては拳王の手下だな?」

若松真人は平凡な高校生。
同級生の鹿島みゆきに気があるのだが
真人は優柔不断な性格ゆえ告白することができない。

そんな真人が悪友たちと海水浴に行き
海辺で美少女と出会う。

「波長があうね,私たち」

謎の美少女に翻弄される真人であったがこの美少女こそ
真人の血のつながらない妹若松みゆきなのであった。
真人と妹みゆきとの同居生活が始まる。

あだち充先生の全著作物の中で最も好きな作品です。
当初の設計思想は
『鹿島みゆきと若松みゆきの「ふたりのみゆき」に翻弄される優柔不断男』
だったのですが次第に若松みゆきの比重が増え,
「鹿島みゆきとは一体如何なる人間なのか」
の描写が激減して行く事となります。
私には実妹がいるので
「お前のような妹がいるか!」
と、憤慨しつつも真人への
妹みゆきの積極的なアプローチにドキドキしました。

第1話で真人と出会った時点で妹みゆきは真人のことを
恋愛的な意味で好きだったと気づかない
真人の「とうへんぼく」ぶりにやきもきしました。

この頃のあだち先生の筆致が1番好きです。

僕の実の妹は思春期の頃,潔癖になり,
「オマエの入った後の風呂なんぞに入りたくない」
といい,無視して風呂に入ると,風呂のお湯を全て捨てて
浴槽を良く掃除してから風呂を沸かし直すといった風でしたが
僕が志望校に合格すると態度が大幅に軟化して
「お兄ちゃんのこと,学校で自慢していい?」
といった風に変わりました。

妹は僕のことを「自慢したかった」のです。
それからは「自慢の兄」となるべくより一層勉学に打ち込みました。
それ以降一度も喧嘩せずに現在に至ります。

「自慢の兄」になりたかったら妹に
「実績解除」して見せる絶対の必要があるのです。
「何の取柄も無く優しさだけが取り柄」などという
実績の欠片もない兄を自慢する妹などいないのです。

原作漫画が好き過ぎてアニメ版にはハマれませんでしたが
H2Oが歌うED主題歌「想い出がいっぱい」は好きです。



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