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コラム「サークル・コーンビーム(izuさん)の死姦映画レビュー本「Necrophile Cinema」が何故こうも僕の心に引っ掛かるのか?」

先般izuさんによる死姦映画レビュー本「Necrophile Cinema」のレビューを書かせていただいたのだが…どうもスッキリしねえのである。

つまり…僕は「Necrophile Cinema」のコトを論じ切れていない…。
Izuさんという人間のコトを論じ切れていないとの思いが
日に日に強まる今日この頃なのである。
ソレを論じ切らねえとオレが爆発四散しちまうのでな。

コレから僕は…例によって滅茶苦茶なレビューを書こうと思う…。

先ずizuさんによる死姦映画レビュー本「Necrophile Cinema」は
実は死姦映画レビュー本ではないのである。
この本にはなあ。
「ワタシの話を何も言わず最後まで聞いて欲しい」
としか書かれてねえんだよ…。

(「Necrophile Cinema」の後書きより引用開始)
ワタシ自身,これまでの人生で人間関係が
上手くいった試しがなく…。
(アニメキャラや漫画キャラやゲームキャラの様に)
意見を持たないものに
一方的に気持ちや行動をぶつけたくなる気持ちが少しは分かってしまう…。

死体は生きてる者に干渉出来ないし,しない
死体は誰も肯定せず,否定もしない
誰からも好かれないワタシを
決して好くコトはないにしても嫌うコトもない

「だったら人形相手でもいいじゃん」

という御意見もあるだろうが…。
大切なのは死体であるコト…
元は意思のある人間であったコトが…
ワタシには重要に思えるのだ…。
(引用終わり)

あのさ。

僕はこの…izuさんと全く同じ論調を前に読んだ事があるんだよ…。

「私(ワタクシ)…映画鑑賞が趣味なのですが…」
「(これまで映画の話を)語り合う相手に恵まれず…」
「このチラシの「この部は…アナタの「スキ」を肯定する」
という文言に心惹かれまして…」
「ちなみに私(ワタクシ)…映画の好みがマニアックだと
人からはよく言われ…」
「理解された試しがありませぬ…」
「だから…だから…この学校に
こんなにも話の分かる先輩がおられた事が嬉しいのです…」

この発言の主は名前を邦吉映子(クニヨシ・エイコ)といい…。
邦吉は頭のおかしな邦画キチガイであるが故に
「邦キチ」と呼ばれているのである…。
「邦キチ」は服部昇大先生の
漫画「邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん」の主人公なのである。

「邦キチ」と言うのは第1話で映画の知識が「大ヒットした洋画」に
限定される薄い議論しか展開出来ない男が映画同好会を立ち上げたら
「ヘンテコな邦画」しか観てない1年生の女子・邦吉映子(邦キチ)が
入部希望して異常なプレゼンを展開,
男…今や部長…を圧倒するものの彼女の話を最後まで聞く…。
という基本フォーマットが確定する。

その後「アジア映画」に特化したヤンヤン,
「男同士のクソデカ感情映画」に特化したマリア,
「特撮映画」に特化した御影,
果ては「(プリキュア映画とかの)女児アニメ映画」に特化した早乙女を
レギュラーに加えつつも基本は「映画プレゼン漫画」
有体に言えば「邦キチが部長に映画をプレゼンする漫画」だった。

だが実際,邦キチは恋愛的な意味で部長の事をどう思っているんだろう。
第1話で邦キチは自分の映画のチョイスが変わってて
人から理解された事がないと嘆いていて,
部長の唯一の取柄と言っていい
「人の話を決して否定せず最後まで聞く」姿勢から発する
「私(ワタクシ)の話を最後まで聞いてくれた」
即ち「私を受け入れてくれた」事に感動して正式に入部している。

邦キチはその後,部長の実家に押しかけ,
部長の父親と懇意になり
そのまま部長と共に実家にお泊りして
一晩中部長と語り明かし,
部長が本を読んでると
「私(ワタクシ)にも読ませて下さい」と一緒に読もうとするわ,
部長が3連休に下宿で「ゼルダ」の新作遊んで
邦キチからのLINEに返信しないと心配して押し掛けて来て
「部長臭いまする」といって風呂に入る事を促し
風呂上がりの部長の髪をドライヤーでセットしながら
「やっぱり部長は私(ワタクシ)がいないとダメでございまする」
と嬉しそうに言うわ,
部長が下宿でカップ焼きそばを食べてるとナチュラルに
「私(ワタクシ)の分は?」と尋ね,1個しかないカップ焼きそばを
箸を共有してふたりで分け合って食べるわ,
ふたりで旅館の仲居のバイトをして
部長が「寂しい」って言うから,ひとつの部屋で布団を並べて
邦キチは布団の上で化粧を落とす所帯じみた真似を始めた挙句
ひとつ布団の中で
ふたりでイチャイチャキャッキャしながら
映画のレビューを始めて
隣室の人間から「ウルセエ!」と壁ドンされるわ…。
今や
「ねえ!何で部長と邦キチはセックス始めないの?」
という段階に到達してるのである。

邦キチは最初から部長と添い遂げる気満々で
「ワタクシの話を何も言わずに最後まで聞いてくれる男」
など自分の人生で二度と現れない事を知っていて
絶対に部長と添い遂げるしかないと
とっくの昔に覚悟ガンギマリなのである。

邦キチは…これまでに誰からも顧みられるコトの無かった
孤独の魂の持ち主でその姿がizuさんと重なって見えるのである。

つまり…izuさんという人間は
「未だ部長と出会ってない場合の邦キチ」
なのであってizuさんには未だ
「運命の出会いイベント」が発生しておらず
従って「ルート分岐」が発生していないのだ。

「邦キチ」ファンの映画好きの女性は
「何でワタシの人生には「部長」がいなかったんだ!」
と天を仰いで慟哭されていて,
これから「良い出会い」がある様に祈る他無いのである。


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