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サーパス、ターミナスと使用感についてのお話

前回はこのストリング達への思いを書きましたが

今回は実際の使用者として、お誘いを頂いたヘビーユーザーとしてのレビューをして行こうと思います。
最初にこの糸は性能的には本当にレベルが高いのですが、「お試しで」使って見ると言うジャンルに置いて非常に不遇だと言うのが僕の結論です。

何よりも使い込みタイプであると言う事、サーパスターミナスに関しては一気にファーストタッチの感触が良くなったので「おお、いい感じ!」と言う印象は持てるようになっていると感じます。

しかし、その段階で得られる「イイ感じの糸である」と言う印象は新品卸したての糸全てが与えてくれる領域なので
どうしてもその場限りのお試しだと普段自分が使っている、それこそ何年も使って来た糸が印象として勝ってしまう。

この糸の本質は、使用を開始して数時間後からです。
開発陣の持つコンセプトとは別に、完全なる需要側としての感覚ですが。
「使いやすいなぁこの糸」と思いながら使い始め、数時間経っても全然交換してないのにずっと「ファーストコンタクト時の性能のまま、なんなら使い心地が向上してきている

そんな滅茶苦茶な良さを体験する事が出来るんです。
日常的な使い方であればその体験が「一か月近く」続きます。
おかしいでしょ、本当。
そう言う糸。

勿論既存の人気ストリングと言うのはそれこそ、日常の練習から世界大会、ショーのシーンまでをカバーできる素晴らしい性能の物がラインナップされています。
トリックやフリーをやる場合、拘って使って来た物がサーパス系統の糸に不足するかと言うとそうでは無いでしょう。

サーパスシリーズの糸の良さは、前述したコンディション維持能力の高さにより全てのストリングにおける交換後のベストコンディションを超長期間維持できる所にあります。
新品のストリングはとても使い易くても、僕たちが当たり前だと思っている「交換」までの性能低下という物が必ず発生します。

誤解しないでほしいんですが、これは一般のストリングがすぐ駄目になる。と言う意味では無いです。
普通に使うと普通にこれ位のペースで交換になる。
その判断基準として自分は「そろそろ使いにくくなってきたし傷んできたから」見たいな感じで「糸のコンディションが悪くなってきた」と判断しています。

それを通り過ぎていく、そして実例として普通にプレイしていてダメージで糸が切れた事があるのが唯一自分しかいない。
の様な状況を鑑みるに、この様な体感を受けています。
切れるその日まで使いにくいとは思っておらず、感じたのはこの手書きグラフの状態から「突然終わった」と言う感覚でした。

使い終わったその日までコンディションが維持されていて、当時の自分は開発陣に対して「使い易い、使い易い」とリアルタイムで一般ユーザーとしてお返事をしていた状況でした。

グラフで地味に使い易さの項目が上昇して行っている理由として、前回の記事で書いた
・ストリングの硬さ、質感が改善されてくる
・ヨリが安定してくる
・初めて使った人はこの糸の使い方が分かってくる
と言った部分が体感できると思います。

特にこの糸の使い方、ヨリを戻すタイミングやどの位でトリックにベストな状態なのかが分かってくるとその状態で長く使えるのでストレスフリーで思った様にプレイできる環境が手に入るんです。

とは言え、自分もトッププレイヤーでは無いので突き詰めた部分の話になると参考にはならないかもしれません。
しかしその分、自分は一般ライン(幅広く一番多いであろう道具に対する需要側のスタンス)のプレイヤーですので、ヨーヨーを楽しむ、真剣にやる時もある、アイテムの使い易さには拘る。
この様な感覚で遊んでいる人には通じるのではないかなと思います。

実際このストリングは
・輪っかの維持性能
・糸自体の重量により糸が良く飛ぶ
・糸に重量があるのでケバケバしてきても影響が少ない
・滑りが良い
・戻りが良い
  ↓
これにより「決めたい時に技が決まる」

と言う体験が非常に多いです。
練習していて「あー糸の具合が悪くなってきたから失敗するかもしれん」
と言う、誰もが日々体験しているであろう不安感からある程度解放してくれます。
もしくはこの感覚に陥るまでの時間が長い。

長くなりましたが、そんな感じで日々使い込んで行く中で少しでもこのストリングを試す期間が長くなってもらえる様にお勧めのセッティングと言うか試した組み合わせへの感想を書いていこうと思います。

完全に個人の感覚ですが、フィーリングに関する部分なので飲み物や食べ物の味の感想位の信頼度はあるんじゃないかなと思っています。
試してみて違ったらごめんなさい。

買ったばかりのヨーヨーに装着する

手持ちのヨーヨーは殆どセッティングしてしまっているので、試す為に新品のヴァニタスを購入しました。


今回はこれを題材に勧めていこうと思います。
以下の項目で評価します
・滑り
・戻り
・バインド時の絡み安心感(噛まないかなど)
・多重掛けトリック(スリープロス、戻りなど)
・スラック系トリック(操作時の輪っかの維持など)
・フック系トリック(糸の飛びなど)
・ピクチャー系トリック(形の維持や変形など)

・別評価:チタンアクセル交換時(回転力↑、重量配分が若干外に寄った状態)

使用したのはサーパスターミナス
ただ装着しただけの状態での評価は
・滑り★★★★☆
・戻り★★★★★
・バインド時の絡み安心感★★★★☆
・多重掛けトリック★★★☆☆
・スラック系トリック★★★★★
・フック系トリック★★★★★
・ピクチャー系トリック★★★☆☆

チタンアクセル時
・滑り★★★★★
・戻り★★★★☆
・バインド時の絡み安心感★★★★☆
・多重掛けトリック★★★☆☆
・スラック系トリック★★★★★
・フック系トリック★★★★★
・ピクチャー系トリック★★★★☆


化け物かな^^

多少気になったのは多重掛け系のトリック。
滑りは良いのですが、戻りが良い関係でちょっとフェザータッチで戻ってしまう事もしばしは。
ピクチャー系も慣れている物は良いですが、初トライなど構造を練習する物に関してはストリングが敏感に反応してしまう印象。

パットを交換する

ノーマル状態の感想を参考に、今回は糸は固定で行くのでパットを交換しました。

hkmt equipment パッド
・grip-I
・滑り★★★★★
・戻り★★☆☆☆
・バインド時の絡み安心感★★☆☆☆
・多重掛けトリック★★★★★
・スラック系トリック★★★★★
・フック系トリック★★★★★
・ピクチャー系トリック★★★★★

チタンアクセル時
・滑り★★★★★
・戻り★☆☆☆☆
・バインド時の絡み安心感★☆☆☆☆
・多重掛けトリック★★★★★
・スラック系トリック★★★★★
・フック系トリック★★★★★
・ピクチャー系トリック★★★★★

パットの滑りが良くなりますのでトリック全般に置いて問題は感じなくなりました。
しかし硬めのパッドと硬めのストリングと言う相性が影響しているのか、気を付けないとバインドでスカる事や予防の為に深めにバインドすると
綺麗に巻き取らずに噛んだり普通にバインドできていると思っていても中で噛んだりする事が多めに感じました。

綺麗に巻き取らず、飛ぶようにして戻ってきてしまう為糸がはみ出てしまう状況も


余りにもカチッと戻ってきてしまう感じと、バイメタルの回転力が裏目に出ている感じでしたね。

hkmt equipment パッド
・grip-C
・滑り★★★★☆
・戻り★★★★☆
・バインド時の絡み安心感★★★☆☆
・多重掛けトリック★★★★☆
・スラック系トリック★★★★★
・フック系トリック★★★★★
・ピクチャー系トリック★★★★☆

チタンアクセル時
・滑り★★★★★
・戻り★★★★☆
・バインド時の絡み安心感★★★★☆
・多重掛けトリック★★★★☆
・スラック系トリック★★★★★
・フック系トリック★★★★★
・ピクチャー系トリック★★★☆☆

hkmt equipment パッドとサーパス系のストリングを合わせるならこの組み合わせだなと言う感想です。
滑り戻り、噛み具合なども十分に安心できるレベルだと思います。
この感想を読んでいて「そもそも評価が高すぎる」と自分でも感じるんですが、実際にそうだからしょうがないんですよ。

気にする点としては、パットの素材でしょうか。
硬めの素材で出来たパッドよりは明らかに柔らかめのパッドの方が相性がいいです。硬めのパッドと硬めのストリング、と言う位置関係からどちらかを反対方向に変える程相性はバランスよくなると思いますが
サーパス、ターミナスは変えようが無いのでパッド側で調整する事になります。

しいて言うなら戻り重視のパッドの際にはターミナスではなくサーパスストリングの方が相性◎だと思います。

そして、そのバランスで一番納得できているパッドが

リワインドJパッド(うすめ)
です。
評価としては
・滑り★★★★★
・戻り★★★★★
・バインド時の絡み安心感★★★★★
・多重掛けトリック★★★★★
・スラック系トリック★★★★★
・フック系トリック★★★★★
・ピクチャー系トリック★★★★★

チタンアクセル時
・滑り★★★★★
・戻り★★★★☆
・バインド時の絡み安心感★★★★☆
・多重掛けトリック★★★★★
・スラック系トリック★★★★★
・フック系トリック★★★★★
・ピクチャー系トリック★★★★★
※これに追加要素として回転力とスリープ時間の増加が期待できる。

と言う感じでしょうか。
待って、冗談じゃないんですよ。本当に相性がいいんです。
リワインドJパッドは戻りが良い素材を薄さで管理している事から、素材自体を変更してアプローチしているパッドと比べて安定した戻りを維持しながら滑りや抜けも確保してくれます。

チタンアクセル時は少しだけ噛み込みに注意する必要がありますが
その分回転力が確保出来る為、使用感よりも実践的な面で助けてくれる印象を受けました。

通常のアクセル時は軽くて使い易くて、良く滑り良く飛び良く戻る
フィーリング特化な素晴らしい状態になっています。
人に貸したり、何となく振る為にこのセッティングにしていれば
ちょっと冗談抜きで糸を変えずに一月丸々持ち歩いて使う事が出来るんじゃないでしょうか。

回転力の差がある分、多少傾くかなと言う感じですが
正直通常のプレイでそこが気になる事は無いと言って良いでしょう。

総評として
・手持ちのヨーヨーに装着したらグンと使い易くなる
・その状態が長ーーく続く
・サーパスストリングを付けて戻りに不安を感じたらパッドを交換する前にターミナスを試してみると(逆の場合はサーパスストリングを試してみると良い)
・パッドは柔らかめ且つ、薄い物を選択(特にサーパス系を使用して、噛むことが増えた!なんて人は柔らかめのパッドに交換してみると安定します)
・硬めのパッドとは相性が悪い
・本当に手元にある他の糸が減らなくなるので、何か使い道を考えておいた方がいい。
・重量配分が外側の物ほどターミナスとは相性が良く、軽い樹脂系のヨーヨーではサーパスストリングの方が相性が良い。

と言った所。
開発陣営の使用しているパッドなども相性はとても良く、選択肢に入りますがどこでも買える。と言う部分を考慮して今回のお勧めはこの様な形に。
理由としては現行サーパス系のストリングは手に入りにくいので、オプション品は手に入りやすい物を選んでいます。

実際、非常に勿体ないのですがリワインドJパッドを購入する際、他の物を買わずにパッド2枚だけを送料込みで1000円近く出して用意するだけの価値は間違いなくありました。

どちらも入手難易度が高いと大会やフリースタイルで使いたい時に、それが理由で整えられない場合も考えられるので。

少しでも参考になり、長く使うきっかけになれば幸いかなと思ってレビューをしました。

サーパスストリング、サーパスターミナスの振り比べが出来るセットがヨーヨーショップやうやうさんで先行発売されていますので是非足を運んでみてください。

個人的には振り比べと言うよりも、お試しが終わった後は約一か月は使い分けできるという感覚で買った方がいいと思います。
無駄になる方の糸は無いんじゃないかなと。

ではでは文章が多めで読みにくいとは思いますが、是非皆さんこのストリングを楽しんで頂ければと思います。

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