恥知らずのパープルヘイズ

先ほど私は25になった。アラサーだ。

自分は20過ぎまで庇護してくれた母親には申し訳ないくらいには、ど腐れオタクだと思う。
自分も人の親になったので、娘がこんな風に育ってしまった母の心労も窺いしれるようになった。
先日、ローソンで開催されている仮面ライダーのスタンプラリーに参加している旨を話したとき、母は呆れと悲しみと情けなさの入り混じったような複雑な視線をこちらに投げかけてきた。ごめんね。

そんなオタク女が人生をかけて傾倒しているのが、ジョジョの奇妙な冒険だ。
こちらは仮面ライダーと異なり妹や友人、主人とも楽しむことの出来る非常にグルーヴィーな作品である。

そして現在放送中のアニメジョジョの奇妙な冒険第五部黄金の風の後日談をノベル化したのが、上遠野浩平先生が執筆した恥知らずのパープルヘイズだ。
こちらは原作完結後12年、ジョジョ25周年を記念して刊行された作品で、黄金の風でろくすっぽ活躍もせずに主人公チームから離脱したパンナコッタフーゴに焦点を当てている。
荒木絵から発される独特な雰囲気を小説で表現するのは流石に無理では? と読んでみる前は思っていたが、上遠野先生オリジナルの文章映えするスタンドを駆使したバトルはわりと手に汗握る感じだったし、しつこいくらい挟まれるフーゴと仲間達の回想に目を通す度に喪失感で頭がガンガンしたし、原作の隙間を埋めるような描写はいい感じに二次創作っぽいし、読了後はやるじゃん上遠野、ジョジョ好きなんじゃん上遠野という気分にさせられた。

正直何年か前に初めて恥パを読むまでは、フーゴのことをなんでこいつをチームの一員として作品にねじ込んだんだ? って思っていたけど、この作品を読むとフーゴでも生きてジョルノの仲間になってくれるならありがたいなという気分にさせられた。
知らん間に仲間をごそっと失ってしまったフーゴが、ようやくスタート地点に立つまでの話なんだ恥パは。
あとジョルノの側近面してるミスタがカッコいいのと、ジョルノが神々しいのと。

今五部アニメを見てる人、アニメは見てないけど原作は好きな人で、まだ恥パを読んでない人がいたら是非手にとってみてほしい。
たぶんフーゴのことをちょっとは好きになれるから。

#書評 #ジョジョ #黄金の風 #恥知らずのパープルヘイズ 

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