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灯。

それは燃えていた。赤く、青く、大きく手を広げ燃えていた。必ずと言っていいほど花は色をこらえていた。短き瞬き、スクリーンの裏に隠したのは宇宙船の部品だった。水を分け与えよ。まだ見ぬ空に名を付けて遊ぶ子ら、やわらかく跳ねる声、小さいことがより分かりやすく示してくれる波。我々の自由を我々が知らないまま。それでも賛美される今日、この一瞬を浴びて。束の間の優しさ、空、そして人。

この世界は愛で出来ている。人の作り上げたさじ加減で良し悪しが決まっているのだけれど、良いことも悪いこともただの経験だ。この感覚はどうすれば共有できるのだろうか。すべてが自分を愛してて、同じようにすべてを愛おしく感じる。全部持っている。全部である。存在するだけでよいのだ。生きているだけで肯定されいるのだ。道は合っている。間違いはない。経験に名前と感じ方を決めつけているだけだ。どう感じてもよい。常にどう感じてもよい。

例えば僕という現象ができないことやりたくないこと、僕の代わりに誰かがやってくれている。つまり、目に映る世界にそれを成せてる。自分がやってないってだけで、それは生み出される。足りてないことなどない、全部成せている。それを感じ取れば喜びが溢れ、ただ信頼する。あらゆるものを信頼する。静かに燃えている。この炎を渡そう。

それを目の前で言えないのなら、そっと川に浮かべ、遠くへ。月が欠けるという、それを食べると例える。我々が乗っている舟を集合意識と呼ぶ。そこからの降りることも、留まることも自由というのだけれど、そう生きてきたのだ。そうやって生き延びたのだ。それを愛しているのだとしがみ付く自我の手をゆっくりほどく、それは宇宙の太陽が胸と繋がり、同じ空間で共鳴共振。花開くように広がり、燃える色は揺れ、空ではなく、空であり、つじつまから離れた巡りの中で待ち合わせ。

愛していい。嫌いなあの人も、苦手なあのことも、つらかった記憶も、憎んだ情景も、愛していい。冷たく湧き上がる不安も、震えて消えない痛みも、詰まって出なかった言葉も、否定し押し殺した感情も、愛していい。愛していると愛おしく眺めればよい。自由を使うのだ。決まった方向から見なければいけないことはない。いくらでも素敵な解釈を使えばよい。思いつかぬなら後回せばよい。愛していい。この火をあなたに。いつもどこでもどんな状況でも我々の手には愛がある、選ぶことができる。そしてもうそれに気付いている。その手に火を、胸に入れずともささやかなぬくもりを。

それは燃えていた。何の肥やしもなく燃えていた。揺らめき影をはらんで、それも一つだと言わんばかりに美しかった。音の階段を下りていき、決して離れず飛び立ち、翼で押し上げる空間。ここに全てが鳴った!お気に入りの物語を何度も捨て、また書き上げる。あなたに選ばれた愛はどういった形で表現されるであろうか。次元と空間を永遠と響き渡るどのような波になるだろうか。赤は青く、透けて光となる。

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