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Wildfrost レビュー

Wildfrostってどんなゲーム?

ローグライクデッキ構築ゲーム。
部族の仲間とともに凍てつくツンドラを旅し、永遠に続く冬を打ち破ろう!
雪国をイメージしたキャラクターやアイテム、特殊効果が多い。
キャラクターのポップさ、アニメーションなどもぬるぬると動きとっつきやすく見えるが、難易度は仕様を理解するまではかなり高め。

仲間も見つけた時は氷漬け クリックして氷を壊し仲間を見つけよう
新カードを手に入れるためには放棄された先人たちの遺物を回収するのじゃ

通常のデッキ構築システムに、仲間を配置する盤面の要素が特徴的。
基本的に1ターンに1枚しかカードを使えないシステムのため、詰め将棋に近いようなプレイ感となっている。

良い点

仲間を集め凍てつく嵐の向こうへ! 共に旅をしている感

デッキ構築ゲームで仲間がいる作品はそれなりにあると思うが、今作は仲間をどこの位置に配置するかという隊列のシステムが独特な要素であり面白い要素だと思う。

隊列の変更はいつでもできる 敵の隊列や攻撃に合わせて巧みに変えるのが勝利のコツ

私がやったことがある他のデッキ構築ゲームは、仲間が増えても仲間用のカードがデッキに勝手に入るようなシステムだったり、仲間は少し性能が違うだけで誰がどのカードを使うか選べる程度と、ただその場にいるだけという印象があった。
今作は状況に応じて隊列を入れ替えて敵の攻撃をやり過ごすのが重要な要素となっており、その時々であーでもないこーでもないと考えるのがうまく仲間を指導している感じがし面白い部分だった。

一筋縄ではいかないデッキ構築と難易度

隊列システムが独特で面白いと書いたが、他にも独特な要素はある。
特に面白いと思ったのが、ショップや道中で手に入れることができる
「お守り」というシステムだ。
このお守りは様々な種類があり、キャラクターやアイテムカードに装備させることでその能力を強化させることができる。

お守り(ガチャ) なお1つしかない模様

お守りは1枚のカードに最大3つまで、しかも取り外しが不可能というリスクもあるが組み合わせることで非常に強力なカードを作ることが可能。
シナジーがある3つのお守りを装備させたキャラクターは鬼神の如き戦闘力を発揮しこの冒険を導いてくれる存在となるだろう。

入手できるのはランダムのため微妙な性能なことも……

ただ強化要素が大きい分、敵の強さもかなりのものとなっている本作。
敵同士がしっかりとシナジーを組んで登場するため、こちらもしっかりとデッキや戦術を組めていない場合は道中の雑魚敵にすら余裕で負ける。
1つの要素でデッキを固めても、敵の中にはこちらのメイン要素に対して天敵となる構成の場合もあるため決して一筋縄ではいかない。

攻撃する順番を考えないと敵が強化される一方だ

ラスボスとクリア後ボスの存在感

初回クリア以降、ラスボスが誰かを常時確認できるようになる。
ラスボスの構成を見ることができるようになるため、対策を立てやすくなるのだ。ただしラスボスだけを意識しているとその前に遭難することになる。
これだけならよくあるローグライク要素だと思うが、とある理由から中々に燃える展開でもあり絶望する展開にもなるためあえて良い点として書いた。

クリア後には縛り要素である「ベル」を追加して再度冒険が可能となり、
すべての苦難を超えた先に本当の結末があると言われるが……?

非常に質の良い絵柄、BGM、アニメーション

上記の紹介でも書いていたが、ポップでかわいらしい絵柄にサクサクと動くアニメーション、戦闘時や勝利時のBGMの質が非常に良い。
仲間や敵のキャラクターはもちろん、アイテムや街の人々の絵柄も全てかわいい。特殊な性癖に目覚めかけないキャラもいる。

店員さんかわいい ペットもかわいい

ただしサムネイルの赤髪の子が出てこないのは許さないよ!

かわいい 一応主人公枠だからリセマラを頑張れば出る?

悪い点

カードテキストに説明不足感あり

誤植などもあるが、純粋に説明が足りていない部分がある。説明すらないわけで、ローカライズの問題などでもない。
だってこの左のカードの説明、これだけで意味わかる人いるの?

対象のカウントダウンを0にして即行動させる効果を持つ。わかるかそんなもん!

全てを説明するためにはカードのテキストスペースが足りていないと思うので修正されるのかどうかは不安なところ。
1手1手が重いゲームのため、不純物をデッキに入れたり新しいことを試そうとすると捨てゲームになりやすいため説明はしっかりしてほしい。

純粋に高難易度

敵の能力や攻撃力が高く、1手のミスで戦線が崩壊し死亡はよくある。
特にリアクションや激怒あたりを見逃すと主人公死亡は本当によくある。よくあった。
よく言えばひりつくようなギリギリの戦闘を楽しめるのだが、些細なことで1プレイが無駄になるともいえるため、あまり考えずにサクサクとプレイしたい人には向かない作品だとは思う。
まあローグライクゲームなんてそんなもんともいえる。

まとめ

ローグライクゲームらしいこれまでの経験と1手1手をしっかりと考える事が非常に重要となる高難易度ゲーム。
難易度の高さからsteamでは発売当初賛否両論とされていたが、敵の構成やカード同士のシナジーを理解することで十分クリアできるように調整されており、決して突き放したような高難易度ではない。

独自のシステムも多く、デッキ構築系を好むプレイヤーであっても新鮮にプレイできるため評価を気にせずにプレイしてみてほしい作品だ。


デイリー用の縛りのベルが多すぎる

またデイリー限定で縛り等を追加する特殊な「ベル」が沢山あるのだが、通常の冒険では固定された3つしか使用できない。
ランダムor選択してプレイできるカスタムモード的なものを実装されることを願っている。


基本情報
開発 Deadpan Games, Gaziter
販売 Chucklefish
定価 2300円(steam)(Switch)
備考 日本語あり


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