2023/03/04 FC東京戦

開幕戦の空回りは選手の心を折るには充分過ぎました。漠然とした「なんとなくやれるだろう」の気持ちは呆気なく粉砕され、残ったのは今年も降格争いか、という失望に近いスタジアムの雰囲気でした。
2節目も歯車は噛み合わず、まるでボールを持つことを怖がっているような姿はチームが重症であることをあっさりと理解させてくれました。

そんな中、ホームに戻って開かれた第3節。
相手はFC東京。京都は13年間勝利無し。かつて天皇杯決勝でも苦汁を舐めさせられ、心ない相手サポーターからは配慮の無い罵詈雑言を浴びせられました。

なんとしても勝ってほしいという思いと、過去2戦の失望感が混ざり合う中で発表されたスタメンには今シーズン初めての選手が2人。

27番 山田楓喜選手
17番 木下康介選手

山田選手は言わずもがなアカデミー出身の有望株。昨年はアンダーの代表にも選出され、その能力を遺憾なく発揮しました。
新加入の木下選手は昨シーズン水戸で二桁得点という実績を引っ提げ加入。

結果としてこの2名がチームの初勝利に多大な貢献をしてくれました。

前半5分のシーン。
VARで取り消しとなりましたが、山田選手の奪取から、パトリック選手に繋ぎ、最後は木下選手がネットを揺らします。
このシーンの山田選手のタックルからの奪取はチームの目を覚まさせるようなプレーでした(あまり褒められたプレーではなかったでですが)。
このプレーから一気に京都のギアが上がったように感じます。

また木下選手は面白いくらいにボールが収まりチャンスをドンドン演出します。
更にプレスをサボらない、サボらないまま戦い抜く。

この2人に加え、パトリック選手がボールを収め攻撃を構築することで、他の選手もポジティブにプレーができるようになっていました。

そして何より山田選手のプレーは同期にしてキャプテンの川﨑選手の目を覚まさせた様に感じます。
この2試合、迷いながら、苦しみながらキャプテンとして、どこか孤立して戦っていた川﨑選手に山田選手が迷いの無いプレーを見せることで思い切れと背中を押してくれました。

結果は自滅以外でピンチを作らなかった京都の勝利。
前節までから大きく改善した攻撃と守備、個々の技量もあるのでしょうが、山田選手と木下選手という味方の心を鼓舞できるモチベーターを起用したことがチーム全体の迷いをなくし、京都スタイルを出せた最大の要因だと感じます。

次節は湘南ベルマーレ。
京都サンガF.C.が最もリスペクトし、越えなければならない相手となります。

次のモチベーターとなる選手が誰なのか、誰が使われ勝利をもぎ取るのか。
目が離せません。

Ps.昨年まではモチベーターの役割と、プレスの勝負どころの仕掛けを松田天馬選手が一人でやってたんですよね。
早く帰って来てほしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?