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ドラッカーをビジネス書として読んではいけない

ドラッカーの本を読んだひとは結構いるでしょう。
「マネジメント」のエッセンシャル版なんかは読んだひと結構いるはず。

しかしながら、ドラッカーの本に書いてあることを鵜呑みにするのはまちがいです。

むしろ、あれを経営の本としてとらえてはいけません。著書「マネジメント」には従業員を大事にしろだの、会社は社会のためにあるべきだの、さまざまなことが書いてあります。

もしそれが実現したらどんなにいいことでしょうか。


誰に向けて書かれたか

現実はこれとは真逆で、結果を出している組織ほどYESマン優遇かつ利益重視だったりします。

そもそもの話、ドラッカーをビジネス書として読むのは間違っています。

一見すれば、本のタイトルなどから経営者向けのビジネス書を書いているように見えますが、実際にはコンテンツ。従業員が理想とする会社について書いているのであって、経営のノウハウについて書いてあるわけではありません。

実際にはドラッカーは作家やジャーナリストという方が正しいです。

そのため書く本は従業員がターゲットとなっており、読者に共感してもらえるようになっています。

つまるところドラッカーは経営学者ではなく物書きなんです。

そこを勘違いすると大変。人材は資産だとかいうのを真に受けてしまうと、本質を見失います。

あくまでも理想郷について書いているのであって、経営者に向けては書かれていません。この点十分に注意しましょう。


ある意味で経営者にとっても有用

本来、経営者はドラッカーの本のターゲットではありません。
しかし別の視点からみれば、ドラッカーは経営者にとっても一定のメリットをもたらします。

ドラッカーの本に書かれていることは、従業員が理想とする世界の話ですよね。

つまり、経営者はドラッカーの本に書かれている通りに喋ればよいのです。

従業員の前では「お前たちは会社の大事な資産だ」などと言っておけば、自然と応援団のできあがり。これこそが本当のブラック企業というやつでしょう。

外部から何か質問された時も書いてあるとおりに答えるだけ。そうすることによって企業のイメージは良くなり、結果として得られる利益も増えます。

要は、ドラッカーの本は台本にもなるんです。

実際にうまくいく組織はYESマンばかりだったり、イメージ向上のためにわざわざ「社会に貢献しています」などと喋るわけです。

ドラッカーの世界は幻想であり、書いてあることがすべて正しいだとか捉えてしまうと痛い目にあいます。

ドラッカーに限らず、ビジネス書のなかには「組織とはこうあるべきだ」みたいなことが書かれているのも珍しくありません。そのような理想論ばかり語っていて、肝心の現実から目をそらすのでは本末転倒。

それらは従業員が理想とする組織であって、経営に必要なこととは異なります。まずは現実と向き合い、目の前の問題を解決すべきです。

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