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「少女終末旅行」がなぜか自宅に届いた話

どうも、漫画家の村岡です。右投げ右打ち、寅年のアラサー女です。

2017年11月某日 TwitterのTLをなんとなく眺めていたところ「どうも編集部の荒井です。」から始まる謎のツイートが目に留まった。自分が見たときはまだ20RTぐらいだったと思う。

「この漫画のことは存じ上げなかったが、疾走感にあふれるツイート(・∀・)イイネ!!」

「私のフォロワーにはマンガ読みが多いから欲しい人に届くと(・∀・)イイネ!!」

そんな気持ちで何気なくRTしておいた。そして、2週間ほどRTしたことなど完全に忘れていた。

すると、マンガトリガーのアカウントからDMが届き、なんとこの村岡が当選者のひとりに選ばれたという。応募のRTは最終的に220RTぐらいいったみたいだから2017年の年末はなかなか運がいいみたいだ。来年前厄に突入するので、これが東京オリンピックが終わるまでの最後のラッキーかもしれない。

送り先を伝えて待つこと3日ぐらい。約束通り少女終末旅行が5巻ぶん送られてきた。

編集部の荒井氏(以下あらけん氏) https://twitter.com/atomht21 はマンガトリガーの中に居て、少女終末旅行の出版社(新潮社)とはおそらく何の関係もないのだが、本当にただ「自分の好きな漫画を布教したい」ただそれだけの情熱で、5冊のマンガが送られてきた。

このようなカバーシートとともに。

見てくれよ。

この、カバーシートからにじみ出る疾走感。

「読んだら感想を@でリプライして><」とDMでも言われていたので、そこまであらけん氏が情熱を燃やしているのならこちらも情熱で返すのが礼儀に違いない…そう思い、50Pの読み切り脱稿後の身体に鞭打って感想をnoteを打ち込むことにした。


「少女終末旅行」は新潮社のくらげバンチで連載されている漫画だ。http://www.kurage-bunch.com/manga/shojoshumatsu/

TVアニメに敏感なはもう知っているかもしれない。

しかし、この私、寅年の女・村岡は生活のほぼ全ての情報のソースがAM深夜ラジオ・朝のラジオ・TwitterのTL・そして知人からのSNSという偏った生活を送っている。漫画家は引きこもりなのだ。

つまり何が言いたいかというと、村岡にとってガチでマジでこの「少女終末旅行」というコンテンツは「あらけん氏」がくれた単行本が初見だ。

単行本のウラのあらすじにはこのように書いてある。

テッケンクラート…? (※1)

私が知っている戦車は日本で自衛隊にある最古の戦車であるらしい「七四」と、ロシアの戦闘機「スホーイほにゃららなんとか」だけだ。一応雑にググってきたところスホーイは共産党時代の戦闘機開発局らしく、戦車の名前じゃなかった。

つまり私の辞書にはなかったテッケンクラートという戦車、これにのって、少女が荒廃した世界を旅するというのか。なるほど。

ページをめくっていく。こ、これは・・・


もうこれ以上中のスクショを張り付けて新潮社さんから怒られると困るので、興味のある人はくらげバンチへ飛んで読んでほしいが

http://www.kurage-bunch.com/manga/shojoshumatsu/

この作品はすごい。ものすごく作画が大変だ。

「いやいや雑な画じゃん」と、漫画を描かない人はおっしゃるかもしれないが、違うのだ。

”チトとユーリがいまどこにいて、カメラを俯瞰にしたらどういう建物が見えて、工場のようなパイプがからまっていて、カメラを水平にしたらこういう場所で…”というのはつくみず氏の脳の中にしかない。

それを決められた時間で決められたページで描き続けていくのだ。これは本当にたいへんだ。そして、タッチが個性的な絵ほど、アシスタントさんに任せられない。

「ドラム缶、20本ぐらいいい感じの寂寥感で描いといて」と誰かに頼みたくても、そのドラム缶はどれくらいさびているのか、転がっているのか?整列しているのか?部屋の中央に?それとも壁際に?…仕様がつくみず氏の頭の中にしかないので、こういうところに多くの時間を割いて、多くの部分をご自身で描いていることだろう。

言い換えればそのような大変な仕事が苦にも感じられないほどに、きっと、おそらく、(お会いしたことこそないが)つくみず氏はこの世界観が大好きなのだ。

脳の中に世界を広げ、この荒廃した世界で20キロ先に何があって、100キロ先になにがあって…と丁寧にチトとユーリが旅する先を考えて、そして画に落とし込む作業、これは本当に大変で、そして尊い作業だ。

そして、その世界にビンビンきて、(・∀・)イイネ!!!と思った人たちが呼応して、アニメを作ったり、「あらけん氏」のように「単行本を送るから読んでくれぇ~~><」と布教する。

世界観を愛する人たちが一体になった尊い活動だと私は思う。

ここにいる、来年前厄の寅年の女は、そんなあらけん氏の呼びかけに応じていいコンテンツを読み、良さを見出し、作業イプしながらアシスタントさんに口コミし、こうしてnoteを書いている。

これを読んだ人もビンビンきたら「少女終末旅行」ひいては自分の好きな作品(なんでもいい)を他人に口コミしてみてほしい。

(※1)12月4日 ”テッケンクラートではなく、ケッテンクラートでは?”というご指摘をいただきました。なん…だと…純粋に今日までテッケンだと思い込んでおりました。これは鉄拳制裁ですね><すみません。

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【ついでの宣伝】

きのう(11月30日)上げた読み切りが2018年のITANに載るようだから世界観にビンビン来る人はよろしくお願いします。

郭月間誌で、描いた自分すら掲載日がよくわからなくなると思うのでTwitterでフォローしてくれると掲載日をお知らせ出来て安心安心ジッサイ安心。

村岡恵Twitter: https://twitter.com/bananam313

佐藤二葉Twitter: https://twitter.com/baccheuo

佐藤氏の知的ツイートは読むべきだが、村岡から謎のツイートを受け取りたくない人は講談社の垢をフォローしてくれ!

https://twitter.com/ITAN_henshubu

つーわけで、ばいちゃ!!(疾走感)

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