関心領域

関心領域という映画を試写で観た。アウシュビッツ収容所のすぐそばで暮らすアウシュビッツの所長とその家族の話。壁を一つ越えたアウシュビッツの中ではユダヤ人の人たちが毒ガスや銃で殺され続けてる、その壁のすぐ外では所長の家族がとても幸せに暮らしてる。その家族の日常を淡々と描いてる、例えば所長が転勤になるって時、奥さんはせっかくこんないい暮らしができてるのに、上の人になんとか言ってよ、と言ってごねる。彼女の関心は自分の生活。ふと、最近、話した友達のことを思い出した、彼女は最近、ニューヨークで、イスラエルパレスチナのデモで道路が閉鎖されたりしてることにとても憤慨していた。彼女がいうには「デモはすればいいけど、関係ない人たちに迷惑はかけてはいけないと思うんです」と。その言葉を思い出した、僕は関係ないのかな、と思った。自分たちの当たり前に手にしているものがイスラエル製だったり、パレスチナ製だったり、巡り巡ってなにかは僕らと関係してる、まあ、それは置いといて、それよりも、僕はニューヨークここの道路が閉鎖されても違う道を通り、目的地に行ける、ストライキで電車が止まっても歩いていけばいい。しかし、パレスチナの人たちは、空から落ちてくるイスラエルの爆弾でたくさんの人たちが毎日亡くなり、飢えて死んでいく人たちもたくさんいる。当たり前の日常がある人たちと日常を失った人たち。当たり前の日常を少しでも脅かされる不安を知っているならば、いま日常を失ってる人たちの不安もわかるでしょうに。たとえば、いま日本やニューヨークが爆撃されて、それに対して違う国でニューヨークや日本に爆弾を落とすな、という反対デモが起きて、それに対して、その国で、車を止めてまでやるな、俺たちに迷惑をかけるな、という人がいたら寂しくないか?沖縄の基地反対で、基地を作るための土砂を運ぶトラックを反対派が停めたことに「道路交通法違反だ」なんて声を飛ばす人がいる。どうして目の前の小さな迷惑しか見えない、その後ろの大きな問題はみえない。目の前のことは簡単で反応しやすいんだ。関心の領域は狭すぎやしないか?関心領域是非みてください。

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