人をムカつかせると思う記事を書いた


ゲイをネタにする芸人に対してどう思う?

"ほもおだほもお"というネタを知ってる?

とんねるずの石橋貴明さんが"ゲイ"を小馬鹿にするネタをやった。たくさんの当事者達や当事者達を支える人たちからバッシングされた。あの日から何年か経った。今日はこんな話をしたい。


最近、友達と飲んでる時に「友達呼んでいい?」と言われたので、いいよ、と言うと、新宿二丁目で働いてる男性が来た。彼はゲイだ。彼は男性が好きだ。僕は彼に聞いた。「ほもおだほもおどう思う?」と。すると彼は「懐かしいですね、あれ見て爆笑してましたよ」と言った。その後彼はこう言った。「あれ知ってます?なんで石橋貴明さんがあのネタやったか?って。あれ実は、僕の友達がモデルなんですよ、50歳のゲイでね、彼は酒の飲み過ぎで、病気になってしまって、余命数年だったんです、その店に通い続けてくれたのが石橋さんでね、彼の話をいつも聞いてたんです、彼は岡山の田舎の方の出身で、そこでは、ゲイは、病気だと思われてて、彼は、親にそれを言えなくて、友達に話しても腫れ物にされてね、かわいそう扱いされてね、言っちゃダメなやつ、みたいにされてた。二十歳すぎて田舎から逃げたくて、東京に来た、普通の会社で働いたけどそこでも、カミングアウトすると反発されて、それを言えなかった、そんな時に二丁目を知った、新宿二丁目、そこで彼は働いた、するとそこのお客さんにはめっちゃイジられた"お前らゲイはほんとうにふざけんなよ!"と酒を飲みながら、戯れあってた。

その時の常連さんが石橋貴明さんで、彼は、みんなと同じように僕たちをいじってくれた、それが嬉しかった、みんなをいじる、デブもハゲも中卒もゲイも、笑うと、まあ、どうでもいっか、どっちでもいっか、と思えた。一番辛いのは"いじっちゃダメ、言っちゃダメ"て言葉なんですよ。しかし、石橋貴明さんは、みんなを笑いにしてくれた、決して馬鹿にしてない、お前面白いよなー最高だよなーと、いう気持ちが伝わってきた、その中の誰も、「差別だ」なんてことは言わなかった。ありがとう、しかなかった。話は戻るけど、岡山の田舎から出てきた彼は、酔った勢いで言った「僕は余命数ヶ月です、僕のことをテレビでネタにしてくれませんか?」と。笑って欲しいんです、と。石橋貴明さんは、いいよ、と言ってそのネタをテレビでやった。二丁目での僕のまわりは「ネタにしてやがる!石橋貴明さいこうだな」と喜んでた。しかし、石橋貴明さんはのちにそのネタでネットで叩かれた、岡山の彼が亡くなる前にみた最後の石橋貴明さんの姿は「自分のせいで叩かれ、僕のことを話さず言い訳もせず黙ってる石橋さんだった」らしい。

そのゲイの彼は、僕のせいで申し訳ない、と思いながら亡くなった」と、その人はおれに言ってきた。

これを読んでどう思う?石橋貴明さん最低と思うのか?全てに理由はある。救われる人がいる。コメディは癒しさだ。バカにされてると思う人には暴力だがイジられてると思う人には愛だ。公共の電波は、流れ弾だ。ジョットコースターに乗りたいと思ってない人まで乗せてしまう。そんなつもりのない人まで巻き込む。

金払ってる人たちが来る漫才の舞台だって、まさかそんな発言をされるとは思ってなかったと傷つく人たちがいる。火事のネタをやって、笑いをとっても、その客の中に火事にあったお客さんもいるかもしれない。

もしそれで傷ついたならそれは流れ弾か?それとも戦場にきたからしょうがないのか?

Netflixで戦争から帰ってきた帰還兵のドキュメンタリーがやっていた。彼の顔は火傷で原型を留めてない。彼は紛争地域で彼のチームは爆弾で死んだらしい、彼だけが生き残った。全身火傷まみれだ。彼はアメリカに帰ってきて心が病んで、精神科医に診てもらった、その時に、その医者は彼に"コメディをやれ、スタンドアップコメディでマイク持ってその火傷をネタにしろ"と言った。彼は何をバカな、とふざけるな、と思ったんだけど彼は、とりあえず、言われるがままに、オープンマイクという素人でも立てる舞台に立ってネタをやった。自虐ネタだと言われかねないネタだ。

そのネタは"薬局に行って火傷留めを何個か買って、レジのやつの顔を見るのが好きだ、これじゃ足りないだろって顔をする店員の顔を見るのが好きだ"というネタだ。その時の映像では爆笑が起きてた。彼は心が落ち着いた、と。笑ってもらえることはセラピーでもある、と。


自虐でもなんでも、誰かに見下されるもの、誰かにバカにされるものは、最高のネタになる。俺も水産高校中退で同級生は漁師を目指してる人ばかりだった、子供の頃は親に、勉強して、東大にいけ、と言われてたけど、諦めて水産高校にはいり漁師になり、東大を目指すことにする"これで、笑ってもらったら、ラッキーだ。笑いは客のためより、自分のために、自分の心を癒すためにやってる人もいるんだったことだ。


言葉に囚われるな、
お前に死ねっていう奴がお前のことを本当に死ねと思ってるなんておもうな。本当に思ってる奴もいれば勢いで言ってる奴もいる。言葉に囚われるな、騙されるな、クソ真面目に生きるな、適当に生きろ適当に受け止めろ


お前のことを嫌いという言葉も、死ねだって騙されてると思え。自分の都合よく生きろ。楽しめ、苦しむな。

ちなみに、ほもおだほもおの話は全部、嘘だよ。あれを読んで、そうなんだーてまんまと感情的になったろう。俺が言いたいことは、簡単に感情が動くってことだよ。所詮人間の口から出てくる言葉なんて、その時だけのものだよ。言った相手は覚えてない。誰かの物語を疑え、そして信じろ。もっと、楽に遊べ。

俺の好きな社会学者の西部邁さんの言葉。

リストカットをする人に対して

"クソ真面目だからそうなる、しょんべん真面目ぐらいでいい"

西部邁さんはクソ真面目だったけど、しょんべん真面目なところもあった。


楽にやろうぜ。言葉に囚われて世界を小さくするな。愛する人と愛してくれる人を探せ、誰か知らないSNSの言葉に苦しむな。友達を作れ、ぶつかれる友達を。

生きて楽しいことをたくさん知ろう。楽しいぞ、笑うってことは。大丈夫大丈夫。そのままでいい。そのままでいいよ。

お前は最高だから。

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