閉店するレストランの葛藤
福島にあるタイ料理のレストランの二階がイベントスペースになっていてそこで独演会をやった。コロナウィルスの影響でお客さんは少なかったけど終わりで店長が追いかけてきて「ありがとうございます」とお礼を言われた。彼は泣いていた。
なんで泣いてるの?と聞くとおれがその日、独演会で話した「外出を自粛しろというなら飲食店に補償を。飲食店で働く彼らも生活がある、彼らはお客さんのことを考えたら来てくださいとは言えない、しかし彼らもお金が必要だ、政府が彼らに保障したくないからと、彼らが店にきてくださいと言えない立場を利用するな」というネタの一節を聞いて泣けたといっていた。
話を聞くと彼は5年半続けてきた自分のこの店を4月いっぱいで閉めるらしい。
それはコロナウィルスで客が激減した影響も少なからずあると言っていた。
彼は悲しんでいた、理由は最後に大好きな常連さんたちに店を閉めるから来てといいたい。だけどコロナで彼らを不安にさせたくない、彼らに最後に集まってもらいたい、しかし集まってとも言いにくい。残念だけど静かに店を閉めるしかないのかなと思うと寂しい」と言っていた。
人が集まることが不安だという人は人が集まらないことが彼らの安心だ。だけど人によっては集まることが安心の人もいる。それはシンプルにお金の話だけはない。志村けんさんがコロナで亡くなって悲しいのはコロナで亡くなったことよりもちゃんと葬式などで見送れないことだったりする。タイ料理屋の彼も売り上げのことより5年半自分の店ににきてくれてた彼らと自分の店で語り合った時間を最後に共有したいんだ。
福島市
南国ダイニングTUKTUK
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