読書メモ(ムーンストーン)

■感想

・湊かなえの作品の中で珍しくハッピーエンドであった。悪い状況においての振る舞いは人間の本質が出ると言われるが全くその通りであり、自分もそういった状況こそ意識して行いを正すべきだと感じた。今コロナでまさしくそういう状態である中で、良い機会にこの本を読めたと思う。

■作者と概要

・作者は湊かなえ。短編集「サファイア」の中の一つ。元市議会議員の妻である主人公は、夫が選挙に落選してから暴力を毎日受けるようになっていた。ある日娘にも手を出した夫の暴力から娘を守ろうと抵抗し、夫を撲殺してしまう。そんな中弁護士となった高校時代の友人が訪れる。彼女は高校時代周囲にいじめられていたところを主人公にな助けてもらい、その時にもらったムーンストーンに「あなたといつか親友になれたら、それが私の願い」と願いを込めていたのだった。

■よかったインプットメモ

・うまくいかないことがある時に人のせいにしてしまう傾向が人間にはある。本作でも主人呼応の夫は選挙に落選するまではいい人出会ったにもかかわらず、落選と同時に自信を失い些細なことで「バカにされた」と暴力を振るうようになってしまった。うまくいかない時にいかに立ち直るか、周囲に感謝できるかは非常に大事であると感じた

・いいことはいつか帰ってくるかもしれない。本作でもそのつもりはなかったが結果的にいじめを救った主人公が、いじめられっ子に救いの手を差し伸べられている。いつどのような状況になるかわからないが、善は帰ってくるかもしれないし、それを意識せず良い行いをする方が帰ってくるのかもしれない。


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