見出し画像

【データ】休み明けについて調べてみた

ドウデュースの直接的な敗因はわからない。
しかし、あのような結果に至った要因を一方的に想像することは比較的容易である。
・半年ぶりの実戦
・高速決着
・武豊騎手から戸崎騎手への乗り替わり
上記は敗因として妥当かどうかはわからないが、事実ではある。
ただ、上記の2つ目高速決着は100%事前予想することはできない。
そして3つ目の乗り替わりは馬券を遅く買う人は事実を目の当たりにすることができたと思うが、早々に買った人は時すでに遅しだったろう。
唯一1つ目の「半年ぶりの実戦」だけは出馬表が決まった時点、いやもっと前から事実として存在していた。
この事実が競馬においてどのように成績への影響を起こすのか、知っておけばもしかしたら今後役に立つかもしれないと考え、今回は「半年以上ぶりの間隔で走る馬」について調べてみた。

① 現代は休み明けの馬が本当に走るようになったのか

昨今、調教技術の進歩により休み明けでも馬は走る時代になったといわれる。
本当にそうなのだろうか。
5年刻みで”半年以上ぶりの実戦"の馬の勝率・連対率・複勝率を時系列のグラフに表してみた。
なお、芝とダートでわけて比較してみた。

グラフとは逆になるが、先にダートについて触れてしまうと、複勝率こそグラフの動きがみられるものの、勝率・連対率がほとんど横ばいだ。
どうやらダートでは昔から今まで半年以上ぶりの実戦の馬の成績はよくなったわけでも悪くなったわけでもなさそうだ。

そして面白いのが芝。
2008年以降は勝率・連対率・複勝率が現在に向けて右肩上がりで推移しているのがわかる。
たしか、「外厩第一号」として有名だったのがコスモバルクだったと記憶している。
調べてみたら、なるほど、外厩が最初に認定されたのがホッカイドウ競馬だった。
(岡田総帥、やっぱすごかったんだなぁ。)
このころから外厩という言葉が広まっていったはず。
そして2010年にノーザンファームしがらき、2011年にノーザンファーム天栄が設立されたことからも、グラフの動きは納得できる気がする。
2008年以降は・・・。
おかしいのは1988年から1998年までが右肩下がりなことで、もし調教技術の発達が休み明けの好走につながってると仮定するのであれば、この期間は調教が退化したことになってしまう(笑)
この理由を調べてみたいところだが、過去だし、まあそんな時代もあったんだろうなってことで終わりにさせてもらいたい。
いったん芝については2008年以降は半年以上休み明けの馬の成績が向上しているということがわかったことにする。

② 休み明け(半年以上)と全頭で色々比較

休み明け(半年)の走る条件を深堀してみたく、いろいろな切り口で分析してみる。
データについては2018年以降の芝のレースを対象にする。

1) 人気別

まず基本的には休み明け(半年)のほうが不利なのは大前提だと思うが、人気で区切ると、表の通りになる。
1~3番人気は完全に下回っているが、4~10番人気の勝率・単勝回収値が上回っている。
おそらく本来強い馬が評価を若干落として、このあたりの人気帯になっているのではなかろうか。
休み明けでこのあたりの人気の馬がいたら、注意したほうがよさそうだ。

2) 単勝オッズ帯

こちらも基本的に人気馬は全頭を下回るが、4倍以上になってくると勝率・単勝回収値が全頭を上回ってきた。
これも本来もっと人気になるはずの馬が、そのあたりのオッズに落ちてきた結果なのかもしれない。

3) 騎手

騎手に関しては全体的に青(全頭を下回り)が多くなると思ったら、勝率や単勝回収値が全頭を超えるケースが結構みられた。
連対率・複勝率は下回るケースが多いので、安定感は落ちるが頭では妙味と覚えておいたほうが良いのかもしれない。

4) 調教師

トップの中内田騎手に関してはイメージ通りな気がする。
あとは背景赤で目立つのは西村厩舎と尾関厩舎と松永幹厩舎。
この厩舎は休み明けのほうが全体的に成績を上げている。
角居厩舎はとんでもない複勝率を誇っていたが、解散してしまった。

5) クラス別

大きな偏りはないように思える。この場合も頭のほうが全体的によさそうだ。

6) 競馬場別

東京と京都がなぜかよい。
オフシーズンを挟んでの春・秋に有力馬が出てくるからか、知らんけど。

7) 距離別

これは面白く、距離が長いほうが休み明けの勝率が高い。
休み明けはいきっぷりに影響があるのかもしれない。
ただ、あくまでも勝率が高いのだが、連対率・複勝率は低い。
勝てる馬は勝ち切っちゃう。
そんなイメージなのだろう。

8) 馬場状態別

これも面白く、馬場状態が悪いほうが良い。
距離別と絡めて考えると、基本的に休み明けはスピードが問われないほうが良いのかもしれない。

9) 種牡馬別

イメージと違い、ディープは落ちる。
キタサンブラック産駒はやたら休み明け走っている。
まだ母数が少ないが、覚えておくといいかもしれない。

③ まとめ

さて、冒頭であげたドウデュースに照らし合わせると、
・2番人気→休み明けは成績がよろしくない
・単勝オッズ4倍台→休み明けは良い
・騎手→休み明けの成績がおちる
・調教師→休み明けの成績が落ちる(しかも結構落差が大きい)
・クラス→悪くはない
・競馬場→東京競馬場は休み明けでもよい
・距離→2000mは休み明けの勝率があがるが、連対率・複勝率は落ちる。
・馬場状態→良馬場は休み明けのほうが落ちる
・ハーツクライ産駒→休み明けは悪くはない
不利な材料が多かったが、基本的に休み明けのほうが成績は悪いので、それは普通だと思うが、出てきた傾向からスピードが問われる良馬場や短い距離で休み明けの馬のパフォーマンスが落ちることを考えると、スピードが問われたレコード決着のあの内容は休み明けのドウデュースには苦しかった可能性は否めない。
必ずしもそれが敗因とは限らないが、事前に頭にデータが入っていたら、評価を一つ落としていたかもしれない。

馬券的には下記を一応覚えておきたい。
・基本的に休み明けはパフォーマンス(馬券内の率)は落ちるが、勝率は条件によっては上がる。勝てる馬がそのまま突き抜けるという意味なのかもしれない。
・人気馬ではやはり買うのはよろしくないが、4番人気以降で単勝オッズ4番人気以上くらいであれば、買うのはあり。
・距離は1700以上だと勝率があがる。スピードを求められない競馬のほうがよさそう。
・馬場状態も道悪のほうが若干よい。これもスピードを求められない競馬のほうがよさそう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?