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素晴らしい日々『マリッジブルー』


『マリッジブルー』

会えない夜は寂しいだけ
テレビをつけても砂嵐
こういう時に限ってほんとケータイなんて
期待させるだけ期待させて
いじらしいわ

楽しいことをたくさんしようね
でも悲しみはちゃんとはんぶんこしてよね
そんなこと思いながら
一人ベッドへ潜る

ランドマーク、ミッドナイトタウン
恋するキモチをリズムにのせてよ
ライトアップ、ライトダウンはしないで

永遠はいつも幻になるけど
あなたの前で恋をし続けたいの
愛してる

スーパードライはいつだって週末だけ
あなたと過ごす週末だけ
平日はちゃんと発泡酒でいい子にしてます

ランドマーク、ミッドナイトタウン
恋するキモチをリズムにのせてよ
ライトアップ、ライトダウンはしないで

不確なことが確かではあるけど
あなたの前で夢を見続けたいの
愛してる 愛してくださる?

不安な夜はつらいけど眠い
マリッジブルーを感じさせないで
(All you need is love.)

永遠はいつも幻になるけど
あなたの前で恋をし続けたいの
愛してる

永遠の壁を越えるんだ今
永遠に壁を越えるんだ今
あなたと二人でつつがなき愛を



【解説】
歌詞を書く時に気をつけてることは
「意図的でないのであれば
どの世代が聴いても分かる言葉を使う」
ということであり、
いつも心掛けてはいるが、
まさか
「テレビをつけても砂嵐」
の言葉の意味自体が古くなるとは思わなかった。
今はネットもあり、
わざわざ砂嵐になるまでテレビを見てる人もいないだろうし、
最近テレビも観てないので
実際に現代で夜中になると
テレビが砂嵐になるのかも分からない。
この曲を作った時は
iPhoneもまだ誕生していなければ、
1人暮らしのアパートで
PCも持ってなかったので、
僕は彼女がいない日は
音楽を聴いたり、
本を読む以外に夜中はやることがなくて、
よくテレビから砂嵐が流れるまで
テレビを観ていた。

元々は姉が結婚する事が決まり、
余興で
「バンドで演奏してほしい」
と言われるかもなと思って作った曲。
周りに結婚する人が少しずつ出てきて、
そんな中で
「マリッジブルー」という言葉を知り、
語源の意味を知った時に
なんか面白いなと思って
そこから歌詞を作り始めた。
結局、
結婚って不確かなものだし、
永遠なんて人間である以上、
存在するかどうかも分からないけど、
最後は
「この人なら最悪どうなってもいいか」
と相手を信じる気持ちなんだろうなと
結婚もしてない分際で思っていた。

女言葉では書かれているが、
基本的には僕自身が感じたり、
1人暮らしのアパートの部屋で
思ったことを歌詞にしている。
女言葉にしたのは
単純に僕が思ってると思われたら
恥ずかしいから。
それだけ。
ランドマークはランドマークタワー、
ミッドナイトタウンはミッドランドスクエアのイメージ。
しかしミッドナイト〜に関しては
語呂的にミッドしか残らなかった。
あと結局こっちは採用しなかったけど、
2番のサビは
「不安定さだけが安定してるけど」
だった。
女言葉なら男言葉よりも
ユーモアがあった方が女性らしいと思ってる。

ちなみに
この曲で唯一僕の言葉ではない部分があり、
「スーパードライはいつだって週末だけ」
のところ。
そしてこの曲の中で一番印象に残り、
言葉の印象が一番強い部分だとは思う。
これは元々は当時付き合っていた彼女が
よく言っていた言葉で、
当時ビールもお酒も飲まない僕からすると
意味はよく分かってなかったけど、
「きっとそうだんだろうな。」
と思って歌詞にした。
「あなたと過ごす週末だけ」
「平日はちゃんと発泡酒でいい子にしてます」
は僕がスーパードライの言葉から連想して
付け足してる。
しかし
このフレーズは酒好きにはたまらなかったらしく、
今でもこの歌詞はよく褒められる。
そして『素晴らしい日々』が出たくらいの時は
本当によく差し入れでスーパードライを頂いたが、
俺はビールが飲めないので、
結局ばんと初期ドラムのしゅんが
いつも持って帰っていた。

最後の「つつがなき愛を」も
ちょっとしたエピソードがあって、
高校生の頃に虫刺されで、
足がとんでもなく腫れた事があって、
学校で国語の先生がその姿を見て、
「恙虫(つつがむし)じゃないか?」
と言われた。
聞いたこともない虫だったので、
なんの虫か?を聞くと
「つつが虫っていうのは
不治の病をもたらす虫とされてて、
その虫に噛まれないことから
恙虫に噛まれない=つつがないって言葉が生まれたんだよ。」
と言われた。
多分諸説あるような話だけど、
なんかずっと覚えてて、
その言葉が自分の中にずっとあって、
晴れて歌詞として登場することとなった。

尚、
曲を作り出したきっかけの姉の結婚式では、
実際に歌うことはなかった。
結婚式には参列したが、
弟がフリーターでバンドをやっていることは
姉からするとあまり公にはしたくなかったようだった。
気持ちは分かる。
しかし式の当日には
親戚からも相手の親族からも
「え!友哉くん、歌わないの?」
とは言われたし、
僕も当日にプログラムを見て
「あ、本当に歌わないんだ。」
とは思った。
元々、
この曲のタイトルは最初
『マリッジブルーを感じさせないで』
だったが、
長すぎるので、
『マリッジブルー』にしたことを
今でも後悔している。
だって結婚式で使うには縁起が悪すぎるから。
アヴリル・ラビィーンの
『マイハッピーエンディング』を文字って、
『マイハッピーウェディング』とか
『ウェディングソング』とか
そんな当たり障りのないタイトルしとけば良かったけど、
多分あの時は絶対嫌だったと思う。
だって尖ってたから。

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