見出し画像

【頻出】弁理士法の完全マスター!知財管理技能検定2級・3級過去問【出る順解説】

 知的財産管理技能検定には「弁理士法」が出題法域に含まれています。出願から権利化、侵害対応など、知財を扱う業務では高度な専門知識を有する弁理士との協働は不可欠となります。なので、アナタ自身が弁理士になるつもりがなくても、弁理士の業務を知っておくと、連携がスムーズになります。と言う訳で、今回は知的財産管理技能検定に出題されやすい「弁理士法」について、「ココだけ抑えれば1問ゲットできる」という重要ポイントを解説します。

 本記事の内容を動画でも解説しています。この動画がアナタのお役に立てたなら、チャンネル登録&高評価よろしくお願いします。

そもそも「弁理士」とは?

 知的財産に関する高レベルの専門知識をもつエキスパートです。合格率6.1%という超難関国家資格に合格した人だけが、その名を名乗ることが出来ます。特許権の取得や紛争解決には高度な専門知識が求められるので、弁理士でなくては出来ない業務(独占業務と呼ばれます)が法律上に規定されています(弁75条)。

(弁理士の使命
第一条 弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを使命とする。

弁理士法の出題傾向

 弁理士法は2級、3級問わず、毎回出題されています。例えば、直近10回分の3級の過去問を調査したところ..

表1. 「弁理士法」に関する出題傾向

表1に示される通り、毎回3級学科試験で問われていました。一般公開されている直近3回分の過去問を解いておくと、おおよその傾向が掴めます。必ず1問は出題され、問われる内容も難しくは無いので、ぜひとも得点源にしてちゃいましょう。
(ちなみに、第35回は新型コロナウィルスの感染防止のために検定そのものが中止でした。)

弁理士法で抑えておくべきポイント

  • 特許庁における手続代理は弁理士の独占業務

  • 権利侵害訴訟は補佐人or弁護士との共同代理可

  • 審決取消訴訟は単独で代理可

  • 裁判外紛争解決手続を単独で代理可

  • 特許料の納付、原簿登録の申請は弁理士以外の制限解除

  • 特許の売買やライセンス交渉などの契約代理・取引関連は標榜業務(弁理士の名称で業務できる)

  • 弁理士法人の社員は弁理士のみ

 最も重要なのは、弁理士の独占業務です。特許出願等の特許庁における手続きには高度な専門知識が必要です。誰でも業として代理人になれるとすると、発明の技術内容を知らない人がむちゃくちゃな内容の書類を作成するかも知れません。そうなると、無用な手続きの遅滞を招くことになりますし、出願人の迅速かつ的確な権利取得を妨げる可能性があります。そのため、高度の専門性を有する弁理士という資格を持つ者の専権業務とされています。

 次に、訴訟代理業務が問われやすいです。特許権などの侵害訴訟では、弁理士は単独で代理人となる事が出来ません。訴訟代理業務は弁護士の専権業務だからです。ただし、特許侵害訴訟は専門性の高い技術内容が争点となり得るため、弁理士が補佐人として、当事者又は訴訟代理人とともに出頭し、陳述又は尋問をすることが出来ます。また、特定侵害訴訟代理業務試験に合格した、いわゆる付記弁理士は、特定侵害訴訟に関して、所定の要件下で弁護士と共に訴訟代理人となることが出来ます。一方、審決取消訴訟については、弁理士が単独で訴訟代理人になれます。

 さらに、弁理士の業務の中で、特許料の納付手続や特許原簿への登録申請手続などは、比較的専門性の低い業務なので、弁理士でない者が代理可能です。

弁理士法の出題例

ア~ウを比較して、弁理士の業務に関して、最も不適切と考えられるものはどれか。

ア 弁理士は、単独で特許無効審決に対する審決取消訴訟の代理人になることができる。
イ 弁理士は、単独で特許侵害訴訟の代理人になることができる。
ウ 弁理士は、単独で国際出願に関する特許庁における手続の代理人になることができる。

2022年7月10日 3級学科 問3

正解 ィ
弁理士は単独で特許侵害訴訟の代理人になる事が出来ない。

ア~ウを比較して、弁理士法に関して、最も不適切と考えられるものはどれか。

ア 弁理士は、裁判外紛争解決手続を単独で代理をすることはできない。
イ 弁理士でない者であっても、意匠権の登録料の納付の代理を業として行うことができる。
ウ 特許業務法人は、弁理士の業務を行うことができる。

2022年3月19日 3級学科 問21

正解 ア
弁理士は、裁判外紛争解決手続を単独で代理可能。

まとめ

 以下の記事で、著作権法について簡単に説明しています。実際の出題例も解説しているので、著作権法の全体をザックリと知りたいって人は、ぜひ見て下さい。

宣伝

 知的財産管理技能検定3級に合格するために必要な知識をコンパクトにまとめた書籍を出版しています。仕事や家事が忙しくて時間の無い方にオススメです。公式テキスト(3,300円)より安いし、文量も少ないので、短時間でパッと頭に入れたい人にも向いています。

 より詳しい解説を聞きたい人は、YouTubeに動画を上げているので、お役に立てて下さい。音声を聞くだけでも十分に頭に入って来るよう、簡単な説明を心がけています。視聴者からのコメントによると、通勤電車の中、家事をしながら等、ながら学習にも向いているようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?