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No.39

                中原中也

 ランボーに憧れいつもランボーの真似をしてランボーのように生きようとした夭折の天才詩人中也、そう言えばそのまた中也の生き方を真似て暮らしていた恥ずかしい青春の1ページがあったっけ…
  心底あこがれの極みに人はその人になりきろうとし、そのためにはどのような努力も惜しまないものである まずそんなとき外観から入る、山口県出身の中也は、頭のてっぺんから足の指先まで写真で見たランボーのように黒装束に身を包み、東京の街を闊歩し、飲み屋のテーブルに片肘をつき「永遠」に向かっていつまでも視線を送り続けていた…

 幾時代かがありまして
   茶色い戦争ありました

 幾時代かがありまして
   冬は疾風吹きました

 幾時代かがありまして
   今夜此処での一殷盛(さか)り
     今夜此処での一殷盛り

 サーカス小屋は高い梁
   そこに一つのブランコだ
 見えるともないブランコだ

 頭倒さに手を垂れて
   汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
 ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

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