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その36
おはようの ミミ
百年後のわれはそよかぜ地球儀の
南極に風邪の息吹きかけて
一生に一度でも塚本邦雄のこのような一首を詠むことができるなら、金輪際歌をやめてしまってもいいだなんて思うこの世の歌人は少なからずいるに違いない
でも、だれも塚本邦雄にはなれないのでだれもこのような歌は詠めない
子供の頃、
「将来、なんになりたいですか?」という質問に、「長嶋茂雄!」と答える少年が結構いたりして、あ、もう一人の長嶋茂雄がこの世になりたい少年の数だけいるんだと思ったことがあったっけ
…
われこそがその地球儀に風邪気味の
息吹きかけてみたかった のに
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