容量1KBPCの備忘録 その20-2 そろそろいいでしょ 空白の14年

前回の続きから。
しかしQに入る前に触れなくてはならないものがある。空白の14年だ。
ここに関しても当然様々な議論がなされてきた。具体的内容については明言を避けるが、ここでは再び自分なりの解釈で捉えていきたいと思う。

最初に明確にしておかなければならないのは、作中にて描写若しくは言及がされたか否かである。描写がされた以外の部分は推測の域を出ず、描写されたものは事実であるとする。また破の次回予告についてもQやシンで確認された事実から事実であると判断できる。
非常にざっくりとした時系列で言えば、
ニアサー→ネルフとヴィレの対立が開始→サード発生→シンジ帰還
となる。

細かく見ていこう。ニアサー後、その影響により第3新東京市は廃棄が決定。またニアサーは多くの人間(ニアサーは未完だった為補完が起こらなかった。故に多くの人命が失われた事が北上やサクラの台詞から察する事が出来る)を巻き込んだ為、日本政府側もネルフを庇い続ける事は不可能と判断。関係者を幽閉という形で処分をし、表向きは大規模災害への責任を取らせた。だが裏でゼーレがそれらを操っていたのは明白。サード実行に際して障害となる、ゼーレ側ではない、つまりゲンドウと冬月以外のネルフ関係者を排除するのが目的だったと思われる。
ここでその目的に気付き、かつ行動を起こせるのは誰だろうか。可能性があるのはゲンドウ、冬月、ユイそれぞれに特別な関係を持っていたマリ、そしてゼーレとネルフの裏のパイプ役を務めていた加持であろう。その目的に気付いたマリと加持は協力をして幽閉されたネルフ関係者の奪還を図る。恐らくその頃には8号機は完成しており、旧ネルフ側に稼働出来るエヴァは存在しなかった為抵抗にはあったものの奪還作戦自体は成功。その仕上げとしてヴンダーを強奪した。ここまでがニアサーからネルフとヴィレの対立、そしてサードが起こる前までだ。

こう考えると、マリと加持はユーロネルフ所属であった事から、試作5号機が自爆を前提とした作戦が組まれていた事をマリが知っていた事、ユーロネルフがパスを握っていた弍号機をネルフ本部からの協力要請前に出撃出来た事、そしてマリのサポートとしてネルフ本部に詳しい、かつそれらの情報にアクセス出来る人間がいたであろう事、これら全てが繋がるのだ。

また、ゼーレ側が対抗出来るエヴァを用意出来なかった理由として、ゼーレ側のシナリオとしてその役割を担うのが8号機だったから、つまり対エヴァ用のエヴァとして想定していたのではないかと考える。
使徒を倒した後では初号機以外のエヴァはシナリオを脅かしかねない異分子でしかない。またエヴァを倒せるのはエヴァか使徒である為、もしエヴァが敵に回った場合、初号機を完全に破壊されかねない。そういったシチュエーションも想定されうる中で初号機がエヴァと戦闘をするという状況は余りにリスキーである。それを回避する為の8号機、という訳である。
またユーロネルフには8号機用の改修プランとしてオーバーラッピングが用意されていた。これはシンではエヴァを捕食しその能力を取り込むというものだった。第10使徒が行った事と似通っている為、対使徒用の能力であったとも考えられる。
が、対使徒用の装備はそのまま対エヴァにも使える訳であり、それが弍号機ではなく8号機に搭載された事を踏まえると8号機が対エヴァ用のエヴァとして用意されたと考えられる、ということだ。

そしてヴンダーを強奪したヴィレの面々は、新しい拠点としてユーロネルフに移る。ここで加持がもたらした封印柱のデータをブラッシュアップ、実用化に向けた開発が進んでいたものと思われる。併せてヴンダーの開発も同時進行にて行われていたであろう。ネルフとゼーレも相手側に8号機と回収された弍号機がいる事から手出しをせずにサードへの準備を行なっていたと思われる。

戦局が動き出すのはネルフはサードを起こそうとする直前。Mark.6の動きを感知したユーロネルフのヴィレはネルフ本部を強襲するも間に合わず、サードインパクトが発動してしまう。
大地の浄化が完全に完了する前に、加持の犠牲によりサードは止まったものの、実用化された封印柱のない地域はL結界と化してしまった。

ここまでがサード発生前からサード発生後と推察する。
ユーロネルフでの指揮を取っていたのはカヲルだろう。ネルフ及びゼーレの情報を持ち、かつヴィレに協力する理由がある。ネルフとしてはゼーレによる監督者という認識だったと思われ、どちらにとっても都合の良い存在である。
それをフォローしつつ、ヴィレ側の窓口となっていたのが加持だ。このように考えればシンでの渚司令問題は解決する。
そして加持はどのようにしてサードを止めたのか。シンでのミサトやケンスケの台詞から、文字通り命がけで行わなければならない事だったことが分かる。しかし、QでのMark.6は外装は無傷の状態だった。この事から予想される事はMark.6のプラグ内に入りそのプラグを自律制御プログラムごと破壊することで停止させるというものだ。それを行うには内部へ入り込み、人間爆弾としてプラグを破壊する以外にないだろう。これは外装が無傷だったという状況から、攻撃に入ったであろう弐号機と8号機の攻撃が通らなかったことが考えられるためだ。外部からの破壊が出来ないのであれば内部から破壊するしか無い。そのような判断がなされたのであろう。そしてそれを担ったのが加持、というわけだ。

こうしてサードはほぼ完了。封印柱の力が及ばない地域は浄化が完了し、サード後の世界へと向かっていく。

やはり語りだすと止まらない。サード後の世界のお話はまた切り替えて続けていくことにする。

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