容量1KBPCの備忘録 番外編 昔話は自分語り

車好きが高じて、齢20代後半にして6台目の車を所有するに至った自分。もっと乗り継いでいる人も居るだろうが、それぞれの車にあった出来事を書いていこうと思う。

一台目は30のパッソ。姉から譲り受けたものだった。1LのエンジンはCVTと相まってブィーンといつも言っていた。今考えれば全く走らない車ではあったが、これでいいじゃね感もある、多分あのまま乗り続けていたらここまでのカーキチにはならなかったように思う。
そんなパッソは免許を取って、いくばくか経った成人式の日。狭い路地での正面衝突であえなく廃車に。その日以来自分の成人の日は苦い思い出とともに飾られている。

二台目はフィアット クーペ。もうこの時点で何やってるんだと言われそうだが、自分もそう思う。そして言えるなら全力でやめろと言う。
20年近く経ったイタ車を実車を見ずに購入するという暴挙に出て当然のごとく撃沈したのは言うまでもない。
まず購入した時点で6速に入らないというトラブルを抱えていた。その時点で終わっているのだが、ついでに徐々にブレーキフルードが減るという症状も抱えていた。その症状の深刻さを理解していなかったのだ。紛いなりにも自動車整備の勉強をしている立場にありながら。
ある時信号待ちにてブレーキを踏み増ししたところ、ペダルが床まで到達してしまったのだ。その瞬間に悟った。ああ逝ったなと。
よくよく見てみたら、右フロントのブレーキホースが破けそこからフルードがプシュプシュと吹き出しているのだ。日本のメーカーならまず有り得ないトラブルを見て正直絶句したと同時にこういうダメになり方もあるんだと笑った。
だって笑うしか無いじゃない。きれーに霧状になったフルードがホースから噴き出しているんだから。
しかも若かった自分はJAFも保険屋の付帯ロードサービスの存在も知らず、そんな状態の車を国道ど真ん中20キロ近く走らせたのだ。我ながら馬鹿だと思う。乗っている気分は超タチの悪い絶叫マシン。恐怖とアドレナリンで完全に脳みそがトリップしていた。そこでブレーキフルードの漏れ以外にもアンダーのラジエターコアからのクーラント漏れも発見。治しても治り切らないという判断に至り廃車となった。これ以降絶対にイタ車は買わねえと誓ったのは言うまでもない。

三台目はマークⅡブリッド。当時の知り合いから譲り受けたものだった10万キロ越えの個体だったが流石は天下のトヨタ様。何事もなく快調にキロ数を重ねていく…筈だった。
だが某農道で逆ハンからのガードレールへこんにちは。アニメとか漫画で見るようなラジエターからの煙を見て「あれ嘘じゃなかったんだなあ」としみじみ思ったのをよく覚えている。
山の中で電話も繋がらない中偶然通りかかった人に助けてもらい事なきを得たが、それが無かったらと思うと…。考えたくもない事だ。

そうして乗った四台目が後期86。所謂E型と呼ばれるモデルだ。
弄るだけ弄り倒してポイ捨てしたといえば聞こえが悪いがそういうものである。
しかもそのイジったリアのエアロが冠水路に突っ込んだ時に行方不明となり、一時的にバンパーレスに近い状態になっていた。当然後ろの車からは距離を離された。

五台目はC117型CLAのAMG。予算内で買える車で最強の車を選んだ。実際馬鹿みたいに速かった。踏めばいくらでも加速していきそうな感覚に320キロまであるメーター。リミッターがあるため250キロぐらいしか出せないが解除すれば…という事だろう。
餌も食うがそんな事アクセルを踏めば忘れる。理性的で野心的。対極的な二面性を持つこの車は金の事を考え無ければ文句無しの「いいクルマ」と言える。そう、金の問題さえ無ければ。
こいつがやられたのはサーモスタット。簡単に言えば冷却水を温めたい時は温める用の通路に、冷却水を上がった後、一定温に保ちたい時にはそれ用の通路に切り替える、そういう弁だ。
国産車であればトータル3万もあれば交換出来る部品だが、AMGは格が違った。30万である。見た瞬間に思考がスパークし思わずはぁ?と言ってしまった。
ディーラーだし、やりたくない整備だから吹っかけてんなと思い、ベンツ専門の工場に流したところ同様の解答が戻って来た。
治すには治したが、この一件でこいつ維持出来ねえなと確信し、手放した。

そして六台目はV60クロスカントリー。今のうちにディーゼル乗っとこうと思い立ち、そこから選んだ車だ。重さはあるがトルクが太く、高速に乗れば下手気なスポーツカーは食ってしまう可愛いやつだ。
そんなこいつも今までの子達の例に漏れずトラブルを起こした。
アイドリングストップした後再始動しないのだ。急に発生した始動不良にてんやわんや。比較的狭い道だったからよかったものの国道ど真ん中で起こらないでよかったと思う。
その後も度々症状が出たものの再始動は普通にする。不思議な症状に悩まされつつ、まあ掛かるからいいかとほっぽいていたら遂に完全に始動不良に。近くのボルボ屋に投げてたら、スターターの端子の緩みが原因だったとの事。
10年も経って無いのにそこ緩んじゃダメでしょ…と内心思いながら説明を聞いていた。

とまあこんな感じである。悪い事ばかり書いたが、どれもみんな良い車である。自分の運と見る目がないだけだ。

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