音楽に「歳」はないなれど

いやぁ懐かしいねえこれ! と思わせるような曲がこうも連続すると、あの頃を知っているインターネット老人としては「なんでだろうな」と思わずにはいられない。

ということで、今回は「INTERNET YAMERO」と「アイドル」のお話だ。
どちらもクリティカルヒットを(規模の違いはあれ)して後者は恐らく2023の上半期トップの楽曲になるだろう。

そんなこの二曲すごいよね、というお話はとりあえず隅において。
この二曲に、前者は特定の層なら当たり前として、後者にもあの頃の匂いを感じた方は自分だけではないと思いたい。
そう、まさに「INTERNET YAMERO」が表現したあの時代の匂いだ。

執拗な韻の踏み、テンポの変化、ソロボーカルパートなど現代のアイドルたちがやらなくなった、そしてあの頃には絶対にあった要素しかない。
しかし「だけどみんな好きやろ?」というこういうのでいいだよ系楽曲を天下を取っている人が歌えばそら(間違いなく)そう(流行る)よ。

だが何故今あの頃の匂いを持った曲が二曲も流行ったのか。

時間が物事を解決する、とはよくいったもので、今回時間が解決した問題は「人の持つ力」だ。
あの頃まだまだ一端の子供でしかなかった人たちが、時を経て大人になり、それ相応の力を持つことで、あの頃の狭いコミュニティでしか拡げることのできなかったムーブメントをより広いコミュニティに拡げることができるようになったのだ。

この二曲にはあの頃にごく一部の人間にしか受け入れられなかったあの時代の雰囲気を再度問うてやるという気概を感じる。そして実際にそれは成功した。
しかしその陰にはこの素晴らしい楽曲を「成功させ得る」力を持った「あの頃」を知る様々な人が居たのだろうと想像する。

余談ではあるが、これを書きながら聞いているのは「ELETRICAL COMMUNICATION」
人は歳を取るが、音楽はいつの時代に聞いても歳を取ることなく、若々しい星のように青白い美しい光を湛えている。


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