オトナの女子会。
月に3回、裏磐梯地区で行われている魅惑の集まり。
裏磐梯長寿会芸能部。
参加者は、裏磐梯長寿会に加入している女性。
みんなこの集まりを心待ちにしているという。
それほどまでに人を魅了する集まりとは、一体どのようなものなのか。
お茶飲まんなんねべ。
会場につくなり、参加者は慣れた手付きでテーブルや座布団を並べ始めた。
そして、テーブルにはポットや湯呑みが並ぶ。
とりあえず、お茶飲みをするようだ。
お茶飲みは、コミュニケーション手段のひとつ。
ここであることに気付く。
「あれ?この漬物やお菓子はどこからきたんだ?」
いつの間にか、テーブルにはたくさんのお茶請けが並べられていた。
聞けば、参加者がいつも持ち寄るという。
そういえば、みんな大きめのかばんを持っていたような。
どれ、やってみっか。
参加者のひとりがそう言うと、比較的若めの女子数名が立ち上がり、広めのスペースへと移動した。
「こご真ん中だべ?」
「おめぇもうちっとそっちゃ行げ〜」
何やらフォーメーションを確認している。
場所が決まると、音楽が流れ始めた。
音楽に合わせて体を動かし始める若めの女子たち。
踊りの練習が始まったようだ。
踊らない人々。
近々踊りを発表する機会があるとのことで、体育館のステージに移動して練習を再開。
若めの女子たちばかりが踊り、年上女子は一向に踊る気配がない。
それどころか、監督の風格さえ感じる。
事実、曲が途切れると踊りに関するアドバイスを始めた。
「こごん時は、手はもっとこうしねぇどダメだぞ」
若めの女子たちは、真剣にアドバイスを聞いている。
聞けば、年上女子たちは踊りを引退したんだそう。
しかし、引退したからと言って家でボーッとしているのもつまらない。
みんなの顔を見て、おしゃべりして、お茶飲みした方がいいそうだ。
その通り。
素敵な考え方。
ベテラン音響係。
音響を司るのは、最高齢のおばあちゃん。
巧みにラジカセを操ります。
しかもけっこうストイック。
1曲終わると、すぐ次の曲をかけようとします。
「いぐぞ〜」
「待ってで!ちっと休ませで!」
この掛け合い、何度も拝見いたしました。
「誰もやんねがら、おれがやるしかねぇんだわい」
と音響係のおばあちゃん。
でもその顔は、どこか嬉しそう。
自分の役割があるってイイね!
奨励賞。
日頃介護予防活動を積極的に推進していることが認められ、2018年10月8日にビッグパレットふくしまにて開催された「いきいき県民フェスティバル」において、奨励賞を受賞。
しかし、当の本人たちは介護予防活動をしているとは全く思っていません。
自分たちの楽しみが、自然に介護予防活動につながっている。
理想的な形ですね。
まとめ
踊りの練習も大事だけど、一番の目的はコミュニケーション。
漬物やお菓子などのお茶請けと、話の"ネタ"を持ち寄る。
そして、みんなの顔を見て、互いの近況を報告し合う。
理想的な見守り・見守られ活動ができています。
何より、自分たちが楽しむのが一番!
楽しくなければ続きません。
裏磐梯長寿会芸能部は、笑顔が輝く「オトナの女子会」でした。