赤有り→赤無しへのバランス移行対応

どうも、mura0+です。

今回は麻雀戦術について書いて行こうと思います。

タイトルの通り、最近赤無し麻雀に興味を持ちよく打つようになったので、それについてです。

今はフリー雀荘や天鳳など、赤ドラ入りの麻雀が主流であり赤無しを全く打たないという方も多いのでは無いでしょうか。

そういう方が競技麻雀等、赤無し麻雀に興味を持った際にどういった風にアジャストしていくべきかを自分なりに考えてみた記事です。

ルールは10-30の25000点持ち30000点返し、アリアリルールとします。日本プロ麻雀協会の競技規定が近いと思って下さい。また元となる赤アリルールは、これに5萬・5筒・5索に1枚ずつ赤ドラを加えたルールとします。


それでは始めて行きます。

1.赤無し移行二大原則


まず当然ですが、赤ドラがあるのと無いのとでは打ち方が多少変わります。例えばどんな部分が変わるでしょうか?ドラが減るので、平均打点は小さくなりそうですね。また赤5が消えることで、タンヤオの使い勝手が少し悪くなりそうです。赤アリ→赤無しとなることで、調整すべき点は沢山ありそうですが、結局は以下の2つの基本原理に全て集約されると自分は考えています。

それは「点数のデフレ」「牌ポテンシャルの変化」です。

基本原理① 点数のデフレ

これは、同じ1000点でも赤アリより赤無しの方が価値が高くなることを指します。

ドラがあればあるほど、満貫跳満と言った高い手が仕上がりやすいので、簡単に沢山の点数を稼ぐことが可能になります。つまり点数の安売りになる訳です。

例えば2000年代初頭、吉野家の牛丼は280円で食べられた時期がありました。今は400円くらい出さないと無理ですよね。これは逆に考えると、当時よりお金の価値が下がったから、沢山のお金を出さないと牛丼が頼めなくなったとも言えます。

このように お金=点棒 の価値が環境によって下がったり上がったりすることを、経済用語になぞらえて点数のインフレ・デフレと呼んでます。

この考えを持つことで、例えば1000点の両面テンパイでも赤無しの方が押せる危険牌の範囲が広いという風な考えを持つことが出来ます。点数(お金)の価値が、赤アリよりも高くなっています。

点数のデフレ:同じ1000点でも赤アリと赤無しでは価値が違う。

基本原理② 牌ポテンシャルの変化

牌ポテンシャルとは、牌や牌の組み合わせ同士の力関係のことを良います。(自分が勝手に命名しました)

例えば赤アリの場合、赤五とリャンメンターツを作れる四と六の地位が上がります。一方赤無しの場合、ホンイツやトイトイと相性が良い字牌の地位が上がります。これは一牌単位ではなく、一面子や複数面子単位でも同じ議論が出来ます。トランプも大富豪なら2やAが強い、七並べなら6や8が強い、ポーカーなら同番や同色を持ってると強い、という風にルールによって強い手札・手札の組み合わせが変わりますよね。

牌ポテンシャル:牌や牌の組み合わせの強さのこと。ルールによって変わってくる。


2.具体的な戦術11項


以上の基本原理を踏まえ、じゃあ具体的にどう打って行けば良いのか?ということに触れて行きます。

基本的に全ての戦術には赤アリと比べてという枕詞がつくことに留意しておいて下さい。読者の中には逆にいつも競技ばっか打ってて、急にフリーやMリーグルール等の赤入り麻雀打ってみたくなったな~って人も要るかもしれないので、そういう人は意味をひっくり返して読んでください。

それでは行きます。

Tips1. 字牌を残せ

これは【基本原理② 牌ポテンシャルの変化】に関連します。赤アリと違い真ん中の牌が優遇されていないため、字牌の地位が相対的に上がっています。後述しますが、ドラが少ないルール程手役に頼るようになり、なおかつ仕掛けが効く強力な手役が何個が存在して、それらのほとんどが字牌を絡めやすいんですよね。

これは守備的な側面から見てもそうです。安易に字牌を鳴かせる、ということが罪になりやすいです。なので自分の手牌価値が一定以上無ければ、役牌のション牌等を切り出すのは損かなあと思います。逆に言えば赤アリでは絞り気味にした方が良い456等の牌は、赤無しでは打点が限定され得る状況が多く、安易に鳴かせて良いということが言えます。ドラが19字牌の時を喰いタン仕掛けを想像すると分かりやすいですね。鳴かせても高々1000,2000点です。


Tips2.  ホンイツ、トイトイを狙え

よく巷で聞く戦術ですね。ドラが少ない状況では打点の上昇を基本的に手役に頼ることになるため、食い下がりも発生せず、ポンチ―しても2翻つくこれらの役は非常に強力です。

また、役牌との相性が良いというのもミソですね。役牌+役牌+ホンイツ(トイトイ)で満貫を狙うルートは使い勝手が良く、強力と言えます。


Tips3. 手役作りを意識

Tips.2と同様、安易にドラに頼ることが出来なくなるため、三色や一盃口や一気通貫と言った手役を多少無理して狙うようになります。これは【基本原理② 牌ポテンシャルの変化】に関連してます。例えばドラが字牌で、112233pという一盃口確定の面子を持っていた場合、赤アリならr5一枚で一発で替えが効くのに対し、赤無しには一発で置き換えられるような代替手段は存在しません。つまり112233pの価値は赤無しの方が若干高い、と言えます。もっと言うと、一翻上げることを目的とする際に手役の価値が高くなる、ということです。


Tips4. 親権の維持

Tips3に関連しますが、ドラ以外の打点上昇の手段の地位が上がります。

つまり、アガれば1.5倍になる親権の価値も上がります。親を持ったら多少前のめりに、またアガれなくてもテンパイ連荘を狙うなどして、積極的にプレッシャーをかけていくのが大事です。後述しますが、形テンや積み棒で収入を得るという意味でも、連荘は大事です。また赤アリのように面前リーチで勝手に満貫跳満が出来ない状況なので、親被りの大幅な失点が減るという意味でも、親番の維持は得と言えます。

Tips5. リーチの敷居が低い、何でもリーチ

これは【基本原理① 点数のデフレ】に関連します。どんなに安い手でも赤アリよりは価値が高くなるので、リーチで役をつけてアガりに行く姿勢が大事です。またドラに打点上昇を頼りにくくなった分、一発や裏と言った偶然役を期待するという面でも即リーは合理的と言えます。場況によってはリーチのみのペン3や7も積極的に曲げます。

これは守備的な側面からも言えます。押し返す手が簡単に作られにくい状況なので、追っかけられて高打点の手に放銃するリスクも小さくなります。

Tips6. 押し気味に打て

これも【基本原理① 点数のデフレ】です。

同じリャンメン2000点のテンパイでも、赤無しの方が価値が高いからですね。価値が高いということは、押せる牌の範囲も広がります。体感1~2筋は追加で押しても良いかなという印象です。


Tips7. 図々しい仕掛け万歳

例えばこんな手牌を貰ったとします

東1局   0本場 西家 2巡目

西西南北169m368p124s ドラ6p


さて、親から西が切られました。鳴きますか?



結論から言うと、私は赤無しなら即ポン、赤アリなら二枚目が切られてもスルーします。

まずこれは典型的な安くて遠い仕掛けです。ドラが1枚あると言えそれ以上は発展が見込め無そう、一面子も無くリャンメンターツすら存在しません。このような安くて遠い仕掛けは基本的に損だと色んな戦術本には書いてあると思います。

ではこのような仕掛けの何が良くないのでしょうか?

それは後々リーチが掛かった時に戦わないといけないからです

純粋にアガりに行くだけの遠い仕掛けならば、当然テンパイ巡目も遅くなります。テンパイ巡目が遅くなると、誰かからリーチが掛かる確率が上がります。自分はアガるつもりで仕掛けた訳ですから、当然めくり合いをすることになります。

ここで【基本原理① 点数のデフレ】です。Tips.4で紹介したように、赤無しなら安手でもリーチに押せる範囲が広がるので、めくり合いを覚悟しても良い、という状況になりやすいです。またリーチの平均打点が読みやすく、手役を絡めながら打点を作る環境ゆえ、早いリーチに振り込んでも大した損害にならない、相手がリーチをぶつけてくるまでの巡目の猶予も長くなる傾向があります。それに仮に全然バラバラでテンパらなそうでも、ホンイツが強い環境なので、いざとなったら染めに行っちゃえば良いわけです。

一方赤アリの場合、一度の振り込みで簡単に満貫以上の点数がぶっ飛ぶので、1000点2000点のテンパイでリーチに向かうのは結構損だと思ってます。赤アリで1000点2000点を上がっても大して差はつかない上、放銃リスクだけはやたら高いです。よく「1000点を上がることで高い手を潰すのだからある程度は攻めて良いのでは?」という考えも聞きますが、それは先制した場合に限ります。1000点2000点でめくり合って得するのは自分でもリーチ者でも無く、傍観している脇二人です。ノーリスクで怖いリーチが流れてくれる、他家がラス目候補になってくれる程オイシいことはありません。

以上に述べた理由から、赤アリならばこういう仕掛けは御法度ですが、赤無しならば、どんなに絶望的な手牌を貰っても遠くに満貫を見たり他家を牽制したり等、出来ることは全部やり2副露してるのに手牌に一面子も無いみたいな仕掛けをして素知らぬ振りをする戦術も、比較的有効になります。


Tips8. 形テンを積極的に取れ

これも【基本原理① 点棒のデフレ】です。ドラが減って全体の相場が下がったとしても罰符の点数は変わらないので、相対的に地位が上がり、形テンを取るために押せる範囲が広がります。終盤毒にも薬にもならない手だったら、早めに形テンを取るようにします。同じ1000点でも赤無しの方が価値が高い、というのは形テンの為にあるような言葉だと思ってます。

Tips9. 供託を積極的に取れ

Tips.8と全く同じ理由です。打点の相場が下がってもリーチ棒や積み棒には変化が無いので、これらの価値は上がります。なので多少無理な仕掛けをしても前に出て取りに行くようになります。

Tips10. トップは守り気味に

高打点が作りにくい環境なので、ツモによる捲りが発生する可能性が減ります。セーフティーリードが小さいとも言えます。同じ4万点トップくらいなら、赤アリはまだまだ稼ぎを念頭に置く必要があり、赤無しなら比較的守備的傾向が強くなります。【基本原理① 点数のデフレ】関連ですね。

Tips11. 捨て牌読みは慎重に

手役を無理に狙う局面が増えるため、先切り逆切りが増えます。赤アリは牌効率通りに進めれば勝手に打点がついてくるケースが多いですが、赤無しはそうは行きません。先述したように三色・一通等の手役を無理に狙うケースが増えるため、序盤の跨ぎや筋の信頼度が落ちます。オリると決めたらしっかり現物を抜いてオリるようにしましょう。

いかがだったでしょうか。自分もまだまだ競技麻雀は勉強中ですので、良い勉強法があったり私設リーグや研究会等があれば教えてください。

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