絶望を切り裂く一歩となれ

いつも私の日常の中にはヴォルティスがあった。
SNSで練習の様子を見たり、試合を振り返ったり、次の試合の予定を考えたりするのが幸せだった。
 
今の日常は、なるべくヴォルティスから目を逸らして過ごす。好きだからこそ、壊れた現状を見るのが苦しいから。
試合だけは精一杯応援する。
そしてまた、おもしろくないサッカーにうんざりしながら、負けて、絶望する。

今日の試合もきつかった。
勝ちたい。けど、勝ってこの状態が続くなら勝たない方がいいのかも。なんて思わせないでほしかった。
複雑な心境でも、目の前の選手のために応援するしかない辛さ。個人が頑張っているのは伝わるからこそ、組織として機能していない闇雲お気持ちサッカー(実際は知らないが私にはそう見える)を見るのがきつい。
そして、そんな心配は無用で、当然のように負ける。泣ける。
この失われた1か月は戻らない。最下位という事実。

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試合後、監督が先頭で挨拶に来るのは、初めて見た気がした。
その後、エドが来るのを待ってたら居残りになってた。ただ、居残りという雰囲気とは少し違って、このまま今日を終わりにはできないという思いがそこにあった。
中心部だけじゃなく、ゴール裏、メイン、バック、多くの人が残っていた。こんな光景は初めて見た。

順序があるから明言できないが皆様の気持ちは分かったとしか言わない社長、何のために2試合待ったのかと問うサポ、一度下がっていいから答えを出してくれと請う。
10分だけ時間をくれと去った社長、再び現れた時の顔は幾分すっきりしていた。

「監督は交代の方向で」
その言葉に拍手が起きる。安堵の拍手。
異常な状態だと思った。
西谷の件は対話を続けているという。

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こうして監督の解任が決まった。
ただ、サッカー以外の問題はクラブの責任だと私は思っている。
クラブが彼に監督任せると判断したのであって、彼なりに監督を務めたのだから、正直、気の毒にさえ思う。最下位の責任はあるけど。
クラブが従来のサッカーをやめると対外的に説明し、そのサッカーに適した編成にすれば、ハレーションはあれど、ここまで全てが壊れなかったのではないかと思う。

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今日のことは、決して、最下位になったからだと、結果が出ないからだと思ってほしくない。

積み上げてきた徳島を壊したこと。
そのくせ結果がないこと。

怒ってるんだよ、今までの自分たちを侮辱してるようで。これまで信じてきたものは、思い込みだったのか。

監督が辞めても、何も解決していない。
後任監督の課題、チーム内の軋轢、サポーターを厄介者扱いにするだれか、離れた客、底に落ちた順位。

今日の決断が、絶望を切り裂く一歩目となるか。

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