「高額当選してしまった！」戸惑いのあなたへ　グランジュルノルマン人生相談／赤魔導士Bijou

日本唯一グランジュルノルマン解説を手掛ける赤魔導士Bijou氏が、あなたの悩みに答えます。人生の場面で出会う困りごと、何度もぶちあがる悩みごと……ひとりで考え込まずに、カードが示す物語からヒントを読み取っていきましょう。今回のお悩みは、「宝くじで高額当選した」というもの。思わぬ幸運がもたらす混乱……うらやましいけど、当事者になったらどうする？

―― その悩み、もうカードに答えが書いてあるよ？

グランジュルノルマンについての基礎知識はこちら。

文＝赤魔導士Bijou　#グランジュルノルマン

Q:「1億円当たってどうしよう」

Q： 「宝くじで1億円当たってしまった……」（35歳・男性）

昨年末、なんとなく買った宝くじで1億円、当たってしまいました。
もう一生遊んで暮らせる！ なんて思ったけど、人生そんなでいいんでしょうか。よく考えたら一生遊んで暮らすには足りないし。とりあえず誰にもいわずにプチ贅沢してるんですけど。
今の仕事を辞めて、このお金を元手に好きな仕事をはじめるといいのかな？
なんて、いまさら投資情報とか気にしちゃっています。
グランジュ（Bijou）さんなら、どうやって使いますか？

A：「ダイヤのA」が機密の大切さに注意を促しています。

　メインイラストには伝令の神ヘルメスから手紙を受け取る沈黙の神ハルポクラテスが描かれています。
　沈黙の神ハルポクラテスは、エジプト神話のホルスと同一視されています。エジプト神話のホルスは描かれる際、幼児性を表すために指を咥えた描写が多く、それを“秘密”のジェスチャーと勘違いしたギリシャの人々がハルポクラテスを沈黙の神としたそうです。ムー読者の皆様にはおなじみのグノーシス主義とも深い関わりのある神様ですね。
　
　そしてハルポクラテスといえば薔薇。
　美の女神アフロディーテは鍛冶の神ヘパイストスと夫婦でしたが、武骨なヘパイストスに嫌気がさし、たくましく美しい軍神アレスと逢瀬を重ねていました。その浮気現場をあろうことか息子のエロスに目撃されてしまったアフロディーテは、沈黙の神ハルポクラテスに相談しエロスの口を封じました。
　そのお礼に送ったのが薔薇の花。
　この逸話から、薔薇はいつしか“秘密”、“沈黙”を暗示する花とされ、薔薇の花を天井から吊るした会(宴席や会議)では、その場の話は他言しないという暗黙のルールが生まれました。
　今でも懺悔室に薔薇が掲げられた教会がありますね。
「Under the rose」(薔薇の下で)、ラテン語の「sub rosa」(薔薇の下)は、そのまま『秘密』という意味になります。

気持ちで走らず、黙して熟考

　宝くじで1億！
　おめでとうございます！！
　使い道のご相談ということですが、5,000万円ほど私の口座に振り込んでくださっても良いのですよ？(フフフ)

　戯言はさておき……読み解いていきましょうか。