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カラスとコウモリの大量急死落下事件など/南山宏のちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2022年3月号、第455回目の内容です。

文=南山宏

ホラー写真

 アパートビルの一室で開かれたパーティの席上で、友人たち7人の写真を撮ったイギリスはコヴェントリーのレベッカ・グラスボロウさんは仰天した。
 写真には女性の友人たちのほかに、男女の判別はつかないが、長い黒髪の人間の顔としか見えないものが、友人たちの背後の空間に写っていたからだ!
 2021年5月25日付「デイリーミラー」紙の記事によれば、その写真が撮られた室内には、人の顔と見間違えそうな事物はまったく存在していなかった。
 だが、レベッカはぞっと身の毛がよだつ思いがした。彼女はこの無気味な写真が撮られた部屋のすぐ真上の部屋に住んでいたので、この〝長い黒髪の人間〟の画像が頭にこびりついて離れなくなり、それ以来毎晩ベッドに入っても、不安と恐怖に苛まれてほとんど眠れなくなったのだ。
 彼女の恐怖にさらに拍車をかけたのは、隣人から聞かされた怪談めいた実話だった。
 彼女のアパートがあるブロックは昔は工場町で、同じブロック内にあるどのアパートも、旧工場を造改築したものだった。
 隣人の話では、黒髪人間の写真が撮られた部屋の浴室で、工場だった当時、作業員の男性が事故で変死したことがあるという。
「それ以来この部屋ではときどき変な物音がしたが、てっきりアパート特有の隣り近所の騒音だと思っていた。あれもじつは幽霊が立てる物音だったのだろうか?」

巨船再遭難

 米テネシー州ピジョンフォージにある自称〝世界最大のタイタニック号博物館〟を見学に訪れた男性3人が、思わぬ重傷を負って病院に緊急搬送された。
 タイタニック号が衝突した氷山に見立てて設置されていた巨大な氷塊が、だしぬけに崩れ落ちて3人とも下敷きになったのだ。
 このアトラクションは、1912年に大西洋を処女航海中、氷山と衝突して沈没したイギリスの世界最大の豪華客船タイタニック号の残骸が1985年に再発見され、そこから首尾よく回収された陶器類や錨や壊れたデッキチェアなどを含む、総計400点以上の物品を展示する催しだった。
 事故後ただちに休館したこのアトラクションは、本物の氷を使った巨大な氷山をもう一度準備するだけでも、最短4週間はかかると見込まれている。
「海上ならともかく、こんな陸上で氷山にぶち当たるなんて、夢にも思わなかったよ!」
 事故に出遭った被害者のひとりは、そうぼやいたとか。

月虹

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