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2011年でもルールドの奇跡が起きていた話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2013年3月号、第347回目の内容です。

文=南山宏

シンクロ手術

 2011年2月25日付の「サン」紙や「メトロ」紙によると、英イーストヨークシャー州ハルのジョン・アトキンさん(35歳)が、地元の病院で盲腸摘出手術の必要を告げられ、意気消沈して帰宅すると、「イヤな予感がしたから」と双子の弟クリスが待っていた。
 1週間後、今度はクリスが同じ病気に罹っていることがわかり、同じ病院で同じ手術を受けた。
「子供のころ、同じようなことがあったよ」とクリスは語る。
「ジョンが足を骨折したら、僕も同じ個所に痛みを感じてみるみる腫れ上がったんだ。双子同士には絶対そんなことがあるって信じている」


異星人ファイル

「わが国の大統領が任務を引き継ぐ際には、核のボタンを押す装置とともに、地球を訪れた異星人に関する極秘ファイルも託される!」
 人もあろうにロシアのメドベージェフ首相が、昨年12月7日、主要5大テレビ局の共同インタビュー後に打ち明けた非公式発言が、世界のUFO研究界を驚かせた。
「それに加えて、わがロシア領内に在留している異星人を監督する超極秘部局の報告文書も引き渡される――何人暮らしているかはいわないでおくよ。パニックが起きるといけないからね……もっと詳しい情報を知りたければ、映画の『MIB』を見ることだね」
 最後のくだりから、マスコミの大半はただの冗談話と受け取ったが、メドベージェフ自身、首相になる前に大統領も務めた人とあって、この″トンデモ異星人発言″の裏には、アメリカ政府同様にロシア政府内にも、UFO問題の隠蔽(いんぺい)政策や陰謀工作をめぐる暗闘があるのでは、と疑うUFO研究家が少なくない。はたして真相は?


12づくし

「2012年12月12日午前12時12分、ボクは満12歳になりました!」
 米アラバマ州バーミングハムの日系少年、キアム・モリヤ君はにっこり。「テレグラフ」紙電子版によれば、モリヤ君は西暦2000年同月同日同時刻、ニューヨーク市郊外ブロンクスヴィルでこの世に生を受けた。じつは翌年1月末か2月初めに生まれる予定だったのが、母親の陣痛が7週間も早く始まったおかげでこうなったとか。
 疾病管理予防センターの統計学者によると、2000年1年間にアメリカでは約400万人の赤子が誕生した。平均で1日に1万1000人、毎分8人の割合だから、モリヤ君と同時に生まれた少年はほかにも7人いる計算だが、これまでのところ名乗り出た者はいない。


弱肉強食金魚

 ニュージーランドのクライストチャーチを2011年2月に直下型地震が襲ったあと、シャギーとダフネという名の金魚2匹が、廃墟に放置された水槽内で、餌のないまま134日間も生き延びた。
 現場はダウンタウンのクォンタム・チャータード会計事務所のオフィスで、地震後は立ち入り禁止のテープが張られていた。
 同事務所の話では、容積100リットルの水槽には6匹の金魚が飼われていたが、発見されたときには上記の2匹のほかには1匹の死体が沈んでいただけ。あとの3匹は生き残った2匹に共食いされたらしく、影も形もなかった。


自分捜しの旅

 去年の8月25日、アイスランド南部のエルジアで観光バスが臨時駐車中、″身長160センチ前後、黒っぽい服装で英語が堪能な若いアジア人女性″が、一緒にバスを降りたツアー仲間からはぐれて行方不明になったというので、添乗員や乗客たちが騒ぎだした。
 実際にはバスに戻る前に別色の衣服に着替えていただけだが、騒がれているのが自分のこととはまったく気がつかぬまま、彼女は自分を捜す捜索隊に参加した。
 とどのつまりは翌朝になって、ようやく″行方不明になった女″というのが自分のことだと悟り、彼女がおそるおそる警察に名乗り出たので、一件は無事落着した。


聖なる奇跡の治癒

 2011年3月27日、フランス・アンジェのカトリック教区長デルマ司教が、″ルルドの泉が起こした奇跡の治癒″の史上70件目の最新ケースを公式に宣告した。
 現地ルールドの国際医事評議会がこのケースを「現代医学では説明不可能」と認めたのは前年の秋だが、カトリック教会を代表して「神の恩寵の徴」と最終的に公認するのは、奇跡の体験者が属する教区の司教の役目と決まっている。
 元テレビ修理工セルジュ・フランソワ氏(66歳)は、40代半ばに手術の失敗から左腰の痛みと歩行障害に苦しむようになり、アンジェ教区主催のルルド巡礼ツアーに毎年参加するようになって10年。
 自分より重篤な傷病者の介護ボランティアもしながら、2002年4月12日、洞窟の泉の前で聖母マリアに祈りを捧げていると、突然左腰から左脚に激痛を覚えた。
 2分後に痛みが去ると、冷たかった左脚が温かくなり、正常な歩行が難なくできるようになった。
 さらに帰国後10日すると、黒く萎縮していた左脚が猛烈に痒くなり、皮膚と筋肉と神経が再生を始めて、元どおりの脚に戻ったのだ。


ヘイエルダールの証明

 1947年、ノルウェーの人類学者トール・ヘイエルダールのチームは、インカ時代の舟を模したバルサ材の筏舟(いかだぶね)コンティキ号に乗って、ペルー沿岸からイースター島まで6900キロの漂流実験に成功。ポリネシア人の祖先がアジアではなく南米から植民した民族の末裔の可能性が高いと主張したが、当時の体制科学界は猛反論してヘイエルダール説を斥(しりぞ)けた。
 しかし、「ニューサイエンティスト」2011年6月15日号でオスロ大学の医学者エリク・トルスビー教授が発表した調査結果によれば、イースター島を含めてポリネシア諸島に住んでいた原住民の末裔の遺伝子には、アメリカ先住民だけに起源するDNAも含まれていることが突き止められた。
 ただし、同教授の見解では、ポリネシア人の祖先の大半は5500年前にアジアから渡ってきた植民者で、南米から渡ってきたのはそれ以降の時代だろうという。

(月刊ムー2013年3月号掲載)

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