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ピラミッドパワーで交通事故の発生を減らす計画など/南山宏・ちょっと不思議な話
「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2012年4月号、第336回目の内容です。
文=南山宏
不可能任務
「サンデータイムズ」2010年5月16日付によると、イギリスはワイト島のオルバニー刑務所に、スヌーピーの着ぐるみ男と水鉄砲を構えた男のふたり組が押し入ろうとしたが、相手にされず失敗した。
目的が果たせぬとわかると、今度は看守たちの車にコンクリートブロックを投げつけて傷つけた。
身内の囚人を脱獄させるのが目的だったらしいが、あいにく該当者はオルバニーにはいなかった。
ふたり組は”精神衛生法(メンタル・ヘルス・アクト)”に従って、その場で身柄を拘束された。
″両″リンピック出場
2008年北京(ペキン)パラリンピックの車椅子の競技で銀メダル2個に輝いた下半身麻痺のオランダ人女性、モニク・ファンデルフォルスト嬢(27歳)は、昨年の秋、今年のロンドンパラリンピック出場に向けて練習中、バイクと衝突した。
入院して治療を受けるうちにしだいに足に痛みを感じ、次には少しずつ動かせるようになった。
さらに数か月間のリハビリで両脚を自由に使えるようになり、下半身の麻痺が消えて、14年ぶりに車椅子生活から解放されたのだ。
モニク嬢は13歳のとき、足首の手術失敗で神経を傷めて片足が不自由に。さらに北京パラリンピックの数か月前、車にはねられて脊椎をやられ、完全な下半身麻痺になりながら、不屈の敢闘精神を発揮して栄光の銀メダルを手にした。
今回の奇跡的全快の原因は、事故のショックが体の機能を甦らせたという以外、医師にも説明できないが、健常者となったモニクは現在、自国のプロ自転車チームと契約し、今度は2016年のリオデジャネイロ五輪の出場をめざして、猛練習に明け暮れている。
交通安全ピラミッド
インド西部ナグプール市の交通警察当局は、2010年の夏以来、市内の10大交通事故多発地点に小型ピラミッドの配置を許可して、ピラミッドパワーの″プラスエネルギー″が交通事故の発生件数を減らせるかどうか試している。
サヘブラオ・パティル警察長官代理(交通担当)の記者発表によれば、この交通安全対策を提案したのは、有史前から伝わるヒンドゥー古来の土木占術″ヴァスツー″(中国の″風水(フェン・シェイ)″)の専門家スシル・ファテープリア氏という。
「氏の話では、市外の数か所に小型ピラミッドを置いてテストしたところ、効果抜群だったそうだ」
ファテープリア氏当人も、自信たっぷりにこう主張する。
「小型ピラミッドは木製で高さ約30センチ、底面だけ銅板張りで、内部にはさらにミニサイズのピラミッドが5個ずつ入っている。
交通事故は現場のマイナスエネルギーが引き起こすが、私がピラミッドに吹き込んだプラスエネルギーがマイナスエネルギーを最小化したりプラスに変換するので、事故が減少するという仕組みだ」
しかし、残念ながら続報がないので、事故件数の減少効果のほどは、目下の段階では不明である。
蛙雨
ハンガリーのラコツィファルバ付近の住民たちは、一昨年6月20日、大嵐のさなかに空中からたくさん降ってきたカエルの豪雨にびっくり仰天、目を白黒させた。
地元の気象当局は、例によってまたお定まりの、どこかの湖上か沼地で発生した″水上竜巻(ウォータースパウト)″説を持ち出したが、当然ながらそんな凄まじい自然現象を目撃した住民は、もちろんひとりもいない。
人命救助イルカ
2010年10月30日、アイルランドのメイオー北岸の沖合で、ジョン・オドンネル(18歳)とネイサン・フラネリー(20歳)がカニ捕り中に、舟が大波で転覆した。
ふたりが救命ゴムボートで漂流すること半日、海上が闇に閉ざされると、一団のイルカが現れ、寄り添うように泳ぎながらときどきゴムボートを鼻面(はなづら)で押しやった。
午前1時半ごろ、沿岸警備隊のヘリがゴムボートを発見するや、イルカたちは静かに消え去った。
太陽使用料
スペイン日刊紙「エルムンド」2010年11月26日付によると、ガルシア州サルバテッラドミノ在住の独身女性が、太陽の所有者は自分だと公証人役場に届け出た。
アンヘレス・デュランさん(49歳)は、さるアメリカ人が月や火星や金星の所有権を登録した話を知って、それなら自分もと太陽の所有権に名乗りをあげたという。
発行された公正証書には、ミス・デュランが「地球から平均約1億4960万キロ離れた太陽系の中心、G2スペクトル型恒星・太陽の所有者」と明記されている。
彼女の主張では、1967年発効の国際宇宙条約は国家による天体の所有を禁じているが、個人の所有もダメとはしていないとか。
「電力会社だって、タダの水で電気を起こして料金を徴収するわ」
という理屈で、将来は太陽エネルギーの全利用者から”使用料”を取り立てるつもりという。
ただし、収益の半分はスペイン政府に無償供与し、20パーセントは国の年金基金、10パーセントは世界の飢餓解消、10パーセントは科学研究に寄付して役立ててもらい、自分の取り分は残りの10パーセントだけで十分なのだそうだ。
変態カンガルー
チェコの首都プラハで、昨年8月半ば、とんでもない変態カンガルーの脱走騒動が持ち上がった。
飼い主から逃げ出した見た目はキュートな2歳のカンガルーのベンジー君が、どういうわけか人家の庭に干されたランジェリー類(レースやフリル付き婦人用肌着類)が気に入って、庭から庭へ跳び移っては、物干し綱から肌着や下着を両手で器用に取り込んだのだ。
「ペットのカンガルーが逃げ出した、という飼い主の通報があった直後から、パンティ泥棒の通報が続いたときには、まさか両方が繋がってるなんて思わなかった」
とは警察のスポークスマン。
主婦の直接目撃がきっかけとなって、犯人のベンジーはすぐ御用となったが、飼い主のペーテル・フラボヴィッチさん(35歳)は、
「決して私にそんな趣味があって、真似されたわけではありません」
と冷や汗の弁明しきりとか。
(月刊ムー2012年4月号掲載)
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