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小惑星帯はやはり太古に崩壊した惑星だった説など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2019年10月号、第426回目の内容です。

文=南山宏

安全不発弾

 オランダはフェンロー在住のリアム・ベンキンク氏(仮名)が、自宅の庭に埋められていた第2次世界大戦当時の不発弾を見つけたが、どう勘違いしたか、それが今にも爆発すると思い込んだ。
 リアムは犠牲的精神を発揮して(?)、不発弾の上にガバとばかり身を伏せたまま3時間が経過。
 家人がリアムの意味不明な行為に気がついてやめさせたが、現場に急行したオランダ軍当局の爆弾処理班は、当の不発弾の無害性を確認した後、おふれを出した。
「不発弾も爆弾です。爆発を防ごうとして覆い被さるのは非常に危険なのでお勧めできません!」


ユーレイライト

 火星と木星の中間に位置する小惑星帯は、約46億年前に形成された原始太陽系の名残りであり、微小惑星群が単一の惑星を合体・形成できないまま、46億年後の現在まで太陽を公転している、というのが現代天文学上の定説だ。
 だが、EPEL(スイス連邦工科大ローザンヌ校)の物理学者ファーハン・ナビエイ教授率いる研究チームが、学術専門誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」2018年度近着号に寄せた研究報告によれば、地球に落下する全隕石の1パーセントを占めるとされる〝ユーレイライト〟はすべて、小惑星帯が占める空間にかつて存在していた巨大な岩石惑星が大爆発して四散した破砕片の成れの果てである可能性が高いという。
 ナビエイ教授チームによればその主要根拠として、問題のユーレイライトが含有する超微細なダイヤモンド粒子の生成には、火星より大きな惑星も粉微塵にできる未知の性質の超強力な作用が必要不可欠とされる事実にあるという。
 皮肉なことにこのスイス人科学者チームが主張する天文学上の最新仮説は、占星学や宇宙考古学などのオカルト扱いされる分野の異端派学者たちが何世紀も前から主張してきた、以下のような超科学的仮説にピッタリ合致するのだ。
「太陽系の小惑星帯はかつて存在していた巨大惑星が何らかの原因で爆発して細かく分裂・四散した結果、現在の位置に出現した!」
 この仮説を支持する異端派学者たちの大半は、問題の惑星爆発が起きた年代については正統派と同様に太陽系形成後すぐの数十億年前と主張するが、中にはもっとはるか最近に起きた現象にちがいないとする異端派学者たちもいる。
 2015年に〝太古火星文明核破滅〟説を発表して話題になったNASA出身のプラズマ物理学者ジョン・ブランデンバーグ博士もそのひとりで、上述の惑星爆発と小惑星帯の出現は自説の〝火星核戦争〟が究極の原因だと主張する。
 もちろんブランデンバーグ説は火星人の実在が大前提だから、ひょっとすると太陽系天文学の未来はSF映画そこのけの奇想天外な展開になるかもというのが、とりわけSFファンや超科学ファンにとっての願望的観測のようだ。


ドンピシャ名?

 米フロリダ州セントオーガスティン在住のクリスタル・メスヴィン(40歳)は、去年の5月26日、〝クリスタルメス〟の違法所持容疑で緊急逮捕された。
 といってもマジメな読者諸氏はご存じないはずだから、蛇足ながら解説すれば、クリスタルメスとは、日本ではシャブやスピードの名で知られる覚醒剤のことです。


ネッシー激写

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