海はなぜ青いの?
水が綺麗なほど海は青い。
水分子は赤色を吸収するという。
ワクワクが止まらない。
先月のことだ、親しい友人から誘われて、
とある島に行くこととなった。
神津島
伊豆諸島、有人島9つの内の一つで
神津島を拠点にそれらの島々が創られたという
始まりの地だ。
未知との遭遇を試みる僕たちにとっては
眩しいくらいの設定ではないか。
大きさ19km2、新宿とほぼ同じサイズ。
人口約1700人、新宿には約40万人いるんだと。
車で3時間あれば一周できるとか、
再現可能なハードルが高くなくて過ごしやすい。
幼馴染2人と行く予定だったのだが
1人が前日になり高熱を叩き出し、
急遽2人で行くことになった。
僕の周りでは言い出しっぺは体調を壊したり、
男気じゃんけんに勝ちがちだ。
船が港に着いたのは昼前、
竹芝桟橋よりジェット船で約3時間
この時期思ったより風は吹いていない、
30℃本土で見た天気予報より体感、
気温は高い。
真昼間に照らしつける太陽は一方的で、
下北沢から朝方チャリンコに跨り
二日酔いのまま軽装で来た僕は
そのままでここに来たかったのだろうと思う。
富士そばで朝食を済ませて駅で合流する。
港より船が予定時刻に出発した。
船内で少し仮眠をとって
探検意欲が沸々としてきた。
到着後動画を撮影しようと
カメラボタンを押すと、
ストレージがいっぱいだと携帯が言う。
慌てて写真を整理していく。
見返すこともなかった動画等を
1時間分ほど消した。
後になると思う何故あの時僕は
必死にカメラを構えていたのだろう。
まぁいい、港から数分歩き古民家に着く。
入り口からただいまと言いたくなる雰囲気で
気づいた時にはもう言っていたかもしれない。
特に受付等はなく、
穏やかな島口調の主人に
居間へ案内される。
20畳程の部屋の一角には5畳程子供用スペースが設置されていて、看板少女2人は来客慣れしている様子で特に使うこともなく
自分達の遊びを楽しんでいる。
良い場所だ。
一通り説明を聞き、2階へ案内された。
扉を開けると絵に描きたくなるような景色だ。
宿にレンタカーの貸し出しがあり、
友人は事前に予約をしてくれていた。
僕たちは早速、探索を始めることにした。
通信が弱く、充電も無かったので
民宿でもらった地図を元に進めた。
島の縁にある大通りを通っていれば間違いはないと言われペーパードライバーの
僕は少し安心した。
先ずはよっちゃれセンターで
腹ごしらえから始めよう。
新鮮で刺身が美味しい。
かき揚げはグミ好きには堪らないユニークな
歯応えだったがそれもまた良い。
あら汁も出汁が出過ぎていて感動する。
カルジェイダーが聴きたいがための
島ドライブ用のプレイリストを作っていたのだがその必要もなさそうで、匂い付きの風、
自然から鳴る波の音、会話が島模様で
流れている時間がひたすらに心地がいい。
僕たちは急いでゆっくりしに来た。
1泊2日のスローデイズだ。
海岸にはテトラポッドと
見たことのないブロックがある。
テトラポッドはテトラ社の商品名で
正式名称は消波ブロックらしい。
ユークロスだ。
島の乗用車、島バスはほぼ品川ナンバー、
街で見かける車輪や鉄分は大体が錆びている。
目に入る風景はありのままの
姿をしていて、装っていない。
島の北端にある赤崎海水浴場・遊歩道では
岩に準えて足場が組んであり、岩場の間には桟橋や飛び込み台などが設置されている。
以前小笠原諸島に1週間程行った際、
僕が毎日欠かさずやっていたのが飛び込みだ。
海に回転しながら飛び込んでいくのだが、
島キッズたちがバックフリップを
見事に決めていくのに僕は憧れた。
小笠原諸島では最終日に船に乗る数時間前にラストチャンスを設けメイクした。
それからおよそ5年ぶりの飛び込みだ。
感覚は覚えていた。
今回は友人に動画も撮影してもらった。
3回目にしてまわった。
不格好に曲がった腕は次の行き先を指していた。
毎度だが、海に入ると何かが始まる気がする。
温泉保養センターでゆったりする。
風呂上がりのパッションフルーツの
ジェラートがひたすらに美味い。
斬新な食感と甘酸っぱい味が癖になる。
ここの島から見える色を
全部混ぜてもまだ綺麗だと思う。
太陽を磨いたからか、
夕日に輝りが増してみえる。
こんなにも敢えて空腹を際立たせたのは
紛れもなく今宵の晩餐のためである。
この島では
津本式究極の血抜きの魚が食べられると言う。
熟成魚工房、頂いたのは
拘り抜かれた一貫ずつに魅せられた。
普段は飲まない日本酒も頂いた。
どこから来た魚なのか、食卓に出てくるまでの
過程を聞いていると博物館の様に思えた。
味噌汁も、前菜も、全てがコンビネーション技で
空、海、山、色味や全ての景色が蘇ってくる。
帰り道の散歩まで美味い。
この島で見る星空も今ここでしか見れない空だ。
ゴーグルがないため海中を見ていない、
その分昼夜問わず空中をまじまじと見た。
景色の中で泳いでいた。
未知の領域のことばかりで、
好奇心をくすぐられる。
あるがままに旅をしよう、
あるべき姿が見えてくる。
懐かしい感覚と湧き水。
僕たちは押しては返す
波の様に臭い口で話し続けていた。
あっという間に太陽が登る。
さるびあ丸は帰る時間だ。
航路にある島を経由していく、
誰これ構わず手を振る。
街へ戻ると歌舞伎町を歩きたくなった。
バッティングセンターに来たかった。
僕がバッティングに集中している間、
対峙している投手について解説をしている。
he is serious he doesnt drink alchohol,
and smoke too. are you ready for his pitching??? などとフェンス越しに言っている。
彼曰く、投手はプロチームに所属しながらバッティングセンターでアルバイトしていると言う。
無心で打ち続けた後、島で購入したoniell の折り畳み財布が無いことに気づく。
ハイビスカスのデザインされた模様は南国柄のボードゲームの卓上で同化していた。
帰宅後、
パスタを作ってみたが失敗した。
焼酎ソーダ割りに入れると旨し。
つまみに厚揚げを焼いちゃったりして。
まだまだ色んな使い方があると思う。
南国フルーツのビジュアル、
名前がかっこいい件気になる。
この1泊2日が反射する
日常は地平線の上で続いていく。
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