「小林賢太郎テレビ8」を考えてみた

はじめに

私がラーメンズをしっかりと見始めたのは、2021年8月だ。
この時点で賢太郎さんは表舞台を引退しているので、今後ラーメンズの活動を期待するのが厳しいのは分かっている。
そのためラーメンズが活動しないことを知ったうえで観た感想だ。しかも、当時の空気感は分からないしインタビューも殆ど無いので、完全に個人的な意見だ。流石に25年近い活動を1ヶ月で知るのは難しいと思う。そのため、ずっと彼らを観てきた人からすると違和感があるかもしれないが悪しからず。

結論だけ言うと「ラーメンズの旅立ち」という見方をしたという話になる。

なお「小林賢太郎テレビ8  wonderland 」のあらすじはややこしく、私には正確に書くことができないので省略する。
因みに「小林賢太郎テレビ」とは、概要のみの記載だがコレだ。

*3000文字くらいあるので、この先はお時間がある時にお読みください。

「小林賢太郎テレビ8」が謎過ぎた

私は「小林賢太郎テレビ」の5〜10を観たことがある。
6は録画していないので1回しか観ていないが、面白かったという印象が残っている。
他の5・7・9・10は、最近観たが面白かった。
ただ「小林賢太郎テレビ8  wonderland 」だけが、謎過ぎた。

「不思議の国のアリス」なのは分かるけど、いつもより全体的に暗いし不気味で、つながっているようで、つながっていない。
賢太郎さんは、何がしたかったのだろう?

解説文によると…

そんな訳で、8に関する考察のような物をネット上で探し、以下のサイトの解説を見つけた。

そのビジュアルを観れば一目瞭然のウサギ役の車掌が出てきたり、チェシャ猫として知恵者( チエシャとよめる )の弁当屋しましまを出したり、と小林賢太郎版不思議の国のアリスと思わせる要素はたくさんありますが、だいたいの流れがオリジナルのアリスそのままになっていて、ひとつひとつのコントはアリス内に出てきたモチーフを取り入れつつ小林賢太郎さん独自のものにしている点が一番そう思わせるところかもしれません。

引用元:simonsaxon.com
https://simonsaxon.com/tv/kktv8-wonderland-rahmens/

「不思議の国のアリス」とは

私は「不思議の国のアリス」について、残念ながらディズニーのキャラクターのイメージ程度しかなかったので、念のため「不思議の国のアリス」の骨組みを書いておく(殆ど、ご存知だとは思うが…)。

アリスは、川辺で読書中の姉の傍でいつの間にかに寝てしまい、不思議な夢を見る(この夢での出来事に、不思議なキャラクター達や主なストーリーが出てくる)。そして不思議な夢の中で、トランプたちがアリスに飛びかかって来たところで、驚いて夢から覚め、その夢の出来事を姉に話す。それを聞いた姉は、大人になったアリスを想像し想いを馳せるというものだ。

また原作内には、大泉洋さんの後ろに貼ってあったポスターの文言(以下)も出てくる。

机のポスターの文言

「狂ったお茶会」の初めのほうで、帽子屋はアリスに「カラスと書き物机が似ているのはなぜか」(“Why is a raven like a writing desk?”) というなぞなぞを投げかける。 

引用元:Wikipedia なぞなぞの部分 
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%BD%E5%AD%90%E5%B1%8B

カラスのポスターの文言

チェシャ猫 Then it doesn’t matter. If you don’t know where you are going any road will get you there. だったらどうでもいいさ。どこに行くか分からないなら、どの道を行ってもそこにたどり着けるさ。 

引用元:映画で英語ドットコム  6の後半
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.eigadeeigo.com/1509.html%3Famp%3D1%26usqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D    

「不思議の国のアリス」のあらすじなどを見ると、確かに解説文の通り、8の流れは順番通りだし、不思議なキャラクターたちも、ほぼ原作に則っている。

気になった事をまとめる

上記の解説文と「不思議の国のアリス」のあらすじで、ひとまず内容は理解できた。

それでも気になるのは、以下5点だ。
1.何故、2016年放送の回に片桐仁さんが出ているのか
2.車掌にトランプに戻された王様
3.現実世界に、広告として現れた野球選手(久ヶ沢徹さん)
4.駅のホーム
5.最後に飛び立つカラス

気になった点について考える

1.仁さんが出ていたのは結成20周年だからか
2.仁さんをトランプに戻して、内ポケットに仕舞う賢太郎さん。大事に持っておきたい存在なのか。もしくはトランプに戻すことで、夢の世界に居続けて欲しい存在なのか
3.野球選手は、アリスにあたる大泉洋さんの夢に「僕も応援しています」というセリフと共に登場していた。何を応援しているのかは不明で、夢の中ではそれが1つのネタになっていた。それが何故か最後、駅のホーム横のビルに「僕も応援しています」の文言とともに広告として映された。しかも読めるように、堂々と。応援しているのは、ラーメンズの2人か?
4.最後のシーンは、駅のホームだった。旅立ちということか(事実上の最終回といえる「小林賢太郎テレビX」でも、最後、賢太郎さんは旅に出ているし…)。
5.やや話はズレるが、イソップ物語に「王様になりたかったカラス」という話があるけれど、王様は元はカラスだったのか。トランプになって夢の国に帰った王様は、本来の姿であるカラスに戻って夢から抜け出し、最後に飛び立ったのか。

結論という名の感想

ここからは個人の願望が強く入るので、悪しからず。

賢太郎さんは、2020年に自身の表舞台からの引退を4~5年前から決めていたとコメントしていた。つまりこの8の企画段階で、ラーメンズの”旅立ち”を考えていたのかもしれない(8を横倒すと∞だし)。
本当は、仁さんを夢の世界(ラーメンズでコントをする世界)に閉じ込めておきたかったのかもしれない。ノッポさんとゴン太くんは楽しそうだったし。
「不思議の国のアリス」の最後は、姉がアリスの今後に想いを馳せるところで終わる。今作も、賢太郎さんが仁さんを消した後、ちょっと何かを考えているように見える部分がある。2人の今後に想いを馳せているのか。
さらに「僕も応援しています」や「どこに行くか分からないなら、どの道を行ってもそこにたどり着けるさ」は、仁さんへのメッセージなのかも…と思ってみたり。

長々とこんな事を考えてみたけれど、素を見せるのを嫌う賢太郎さんの意図は分からない。
やはり”アリス”は、”釈然と”しないものなのかもしれない。

長文と願望を最後までお読みくださり、誠にありがとうございました。

ラーメンズ第15回公演「ALICE」についても少し書きましたので、よろしければご覧ください



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