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【スタンダード】スタンダード、やばい!本当にやばいんだ!

個人的に一番面白くないと思っている、最もプールの広がるスタンダード末期が終わり、楽しみな新環境がやってきた。もう追いかけるのしんどいし下環境だけに絞ろうかな…という思いが一瞬脳裏を過ったが、レガシーもスタンダードもやってますマウントを取るためにもう少し続けることにした。そんなマウントはない。

そうして半年かそれくらいぶりに新環境の紙のスタンダード大会に出てきた。結果を言うとボロ負けだったわけだが、負けた時のストレスの無さがオンラインとはダンチだ。トップで捲ってすみません、今の引きはズルい、そのカードオシャレですね…相手の意図がわかればいつもはイラつく行動も「仕方ないよね(笑)」で済ませられる。

今回筆を取ったのは、明確なスタンダードのデザインに対してのクレームだ。もちろん、ここ最近の禁止連発で信用が地に落ちているウィザーズに対し、これ以上同じような批判を繰り返したところで何も生まれないのは承知している。だが、紙のカード、言わば商品に対して間接的とはいえ金を落とした顧客の権利として、商品の欠陥を主張するのは当然のことだ。

欠陥1:パワータフネス適当過ぎ問題

マナレシオという言葉がある。これだけのコストを支払えばこれぐらいの効果だよね、という指標だ。クリーチャーにおいては、パワーとタフネスの平均値をマナコストで割ることで数値化できる。2マナ2/2である《灰色熊》は1.0となる。プールのカード全てが選択肢となる構築環境で使われるようなクリーチャーであれば、マナレシオ1.0を割り込むようなら特殊能力が必須だし、逆に能力が無ければ1.0どころか相当なマナレシオが無いと選択肢にすら挙がらないだろう。

高いマナレシオをデメリット能力で補正する例もある。

昨今はカードパワーのインフレが起きていると叫ばれて久しい。ここら辺は確か公式にも認められている事実だったと思うし、別にそこは問題ではない。僕が気にしているのは決め方だ。

https://mtg-jp.com/reading/pd/0033449/

《願いのフェイ》というカードがある。出来事として4マナのソーサリーとして使うことができ、その後で2マナ1/4飛行として唱えることができる。皆さん、聞きましたか、2マナ1/4飛行です。

下位互換のカードを挙げればキリがないので敢えて留めておくが、いくらレアだからと言ってやっていいことと悪いことがある。何が問題かと言うと、『ゼンディカーの夜明け』スタンダード時点で、2マナで素のパワーが4のカードは無い。

別に飛行が無ければ、よくある壁クリーチャーで終わる話なのだが、こいつの場合は飛行に加えてメリット能力が2つもある。大方、出来事でサーチしたカードで《王冠泥棒、オーコ》を処理した後、鹿を止められるように…とタフネスだけ意図的に大きくしたのではないか?

と思ったら、違った。どうやら出来事のキャストとクリーチャーとしてのキャストを同格にするための措置らしい。デザインチームには出来事の直後にタフネス4の壁を置かれ、サーチしたカードを唱えるまでの時間を悠々と稼ぐ画が見えていたのだろうか。というかAndrew Brownは薬でもキメてんのか?本当にそうしたいならコストも同等にするか、アグロ寄りのスタッツにすべきだろう。

こいつも大概。

僕がキレているのは《願いのフェイ》のスタッツがすべてのヘイトベアーを亡き者にしたことだ。クロックと妨害を両立するヘイトベアーは、マナレシオが繊細に設定されていなければならない。能力によっては1.0を割ることも止むなし、場持ちが良すぎないようにパワー偏重の設定になることも多い。オムナスやアドベンチャーを刺せる《ドラニスの判事》は何故か場持ちを優先した結果クロック足り得ない1/3という意味不明なスタッツだが、《願いのフェイ》の1/4飛行+出来事や《空飛ぶ思考盗み》の1/3飛行+ロード能力が許されるなら、こいつは2/4警戒くらいはもらってもいいはずだ。

何というか、上記Mファイルの抜粋からもわかるように、パワータフネスの決め方が余りに場当たり的過ぎる。かのリチャード=ガーフィールドはマジックの醍醐味をクリーチャー同士の戦闘と考えていたようだが、曲がりなりにも彼の意志を継いだチームであれば、もっとクリーチャー同士が殴り合いたくなるようなデザインをしてほしい。タフネスの過小評価を止めて、数字に意味を見せてほしい。

https://mtg-jp.com/reading/pd/0033168/

欠陥2:紙のプレイアビリティ問題

MDFC(モード両面カード)のことです。

薄々想像してはいたが、実際に紙の大会に出てみるとやはりプレイ感の悪さが尋常じゃなかった。特にアンタップインできる土地は、どうしても呪文キャスト前に出してからタップする一連の動作をする必要があるために、急いでスリーブから出してひっくり返さなければならない。タップインのMDFCや今までの両面カード(TDFC)は、すぐ使わなかったりひっくり返すまでにラグがあったりしたために、対戦相手の行動中等に「よっこいしょ」ができたが、これはそうではない。

これ、プロツアーとかでプロがごちゃごちゃやってる映像を流すんですかね…。それとももうアリーナでしかしないからどうでもいいってこと?

一応、過去の両面カード同様にチェックカードが存在してはいるものの、デザインが謎だ。今まではサインペンで適当に印を入れるだけだったが、スペースの問題か自分で書くスタイルになっているし、色もコストの欄も無いので(下のスペースに書けということだろうが)、初手に抱えた時に出せるマナの色が浮かばなくて混乱することは必至だ。

これ、何とか公式のサプライで解決できないのかな…。「裏面をつかっています」カウンターみたいな。車の「赤ちゃんが乗っています」ステッカーみたいだな。

欠陥3:セットブースターがゴミ

https://mtg-jp.com/reading/mm/0034191/

この記事を読んだ時、内心ワクワクしていた。お!なんかいい感じやん?通常パックよりレート良さそうやん?そんな気持ちだった。

だが、現実は非常である。

最後のカード、煽りかな?

決して良いカードが当たらなかった私怨ではないのだが、マローの記事であったようなストーリー感は一切無かった。アンコモン2枚て。今までに無い、同じカードが入っているのはいいけど、《溶鉄破》みたいな過去のカードの下位互換もらっても…。極めつけがリストと呼ばれる意味不明のカード群だ。

以前の記事でも書いたが、体裁だけ当時のままにしたなんちゃって再録にメリットは無い。英語限定のせいで当時も思い出さないし、左下のマークが価値を下げてるし、ショップの棚卸しが大変になるだけだ。

コレクター的要素を持たせたいなら絵を描き直すべきだし、以前あったトレジャー的要素であればもっと価値の高いカード数種類に限定すべきだ。僕はアメーボイドのせいでしばらくセットブースターを買う気は起きなくなった。

ウィザーズの内部体制はめちゃくちゃ

禁止連発するのも、Secret Lairで新規カードを出すのも、苛立ちはするもの実際問題仕方がないという気持ちもある。しかし、素人同然のデザインチーム、機能していない調整チーム、アリーナで在任中に功績を挙げることしか考えていない新社長、そこに取り入ってマスターベーション製品を連発するマーク=ローズウォーター…正直、彼らにマジックに対するリスペクトは感じられない。もうビジネスのことしか考えられないのなら、紙のマジックを切ってしまった方がいいのではないか?紙のマジックが大事な収益源だと考えるのであれば、もっと真面目にやれ。冗談抜きに。

今は底、と考えるのも、そろそろ限界だ。来シーズン予定されている時のらせんリマスターの内容次第では、紙のスタンダード引退も視野かもしれない。

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