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【レガシー】デスバント デッキ解説

あれから3年経った。

あのUBソプター忍者のつばささんから直々に指令が。ニンジャナンデ!?

デスバントとは

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君は3ターン目、《殴打頭蓋》をサーチしてきた《石鍛冶の神秘家》相手に攻撃した経験はあるだろうか。冗談みたいな話だが、僕はある。頭おかしいんで。というか、この経験をしていない人間が石鍛冶を使いこなせるだろうか(自己肯定)。そしてその時から僕と石鍛冶との歴史は始まった。デッドガイ(WB)を経由してマーベリック(GW)になり、バントに落ち着いた。石鍛冶の最高の相棒は《貴族の教主》だと気付いたからだ。

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石鍛冶の弱点はテンポだ。装備品で殴り始められるのは最短で4ターン目。モダン再進出も納得の遅さだが、教主がいれば《梅澤の十手》なら3ターン目に装備して攻撃ができる。バントでなくても、《金属モックス》でこのようなテンポ問題を解決したデッキを見たことがある。そして冒頭で紹介したデスバントは《死儀礼のシャーマン》禁止前に、同カードを用いてテンポ解決を図ったデッキだ。当時はデスブレードというカテゴリーとしてTier2.0~2.5くらいの隆盛を誇ったものだが、デスバントは死儀礼に飽き足らず教主を加えた厚いマナクリーチャー体制で4色+《不毛の大地》+土地19枚という、サンドウィッチマンでさえ「ゼロカロリーは100g当たり5kcal未満だから厳密にはゼロとは言い切れない」と引くレベルのわがままマナベースを実現した。

時は変わって令和となり、死儀礼は更生施設パイオニアで保護観察処分の最中だ。正直なところ、石鍛冶のテンポ問題を解決するだけならバントカラーにするだけで事足りるように見える。だが、現実はそうではない。

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デビューから3ヶ月強で悪行の限りを尽くし、北九州のヤンキー並みの前科がついた《王冠泥棒、オーコ》。そして悪名高きレガシーハゲ四天王の一角《時を解す者、テフェリー》。バントカラーで奴らを討ち取るには《議会の採決》しかない。とっくの昔に《レンと6番》が禁止になってデス&タックスがイキリ始めた令和の時代に、《スレイベンの守護者、サリア》の前でいつ3マナのダブルシンボルソーサリーを唱えられるだろうか?

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何なら学級会が始まっちゃう程度にはメジャーになったデスタク

時を戻そう。デスバントのデスは黒、《突然の衰微》を採用することでPWを始めとする置物への耐性を付けたデッキだ。同じことは赤をタッチして《マグマの陥没孔》を採用したバントルージュでも可能で、いずれ試してみたいとは思う。

タッチ黒とする利点はもう1つあり、それはサイドボードの全体除去枠だ。まず純正のバントカラーではここが《至高の評決》《仕組まれた爆薬》となる。

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個人的にこれらのソリューションは嫌いだ。昔からミッドレンジが自分より速い相手に積む全体除去というのはあるが、マナクリーチャーを多用するデスバントの戦略には合致しないと思っている。そこで黒のカードに白羽の矢が立つ。《疫病を仕組むもの》だ。

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ダイバーシティ(多様性)が叫ばれる昨今ですら、未だにマーフォークやエルフ、ゴブリン等のヘイトスピーチを行う種族優位主義者がいる。奴らは自らの種族の優位性を説き、フェアデッキをヘイトするレイシストだ。今こそ次元最高の断片である崇高なるバント発祥の格闘技、ファイレクシアン・テコンドーで劣等民族を粉砕し、秩序をもたらさなければならない。

デスバントのマナベース

4 《溢れかえる岸辺》
3 《吹きさらしの荒野》
2 《冠雪の森》
2 《冠雪の島》
2 《Tropical Island》
1 《汚染された三角州》
1 《冠雪の平地》
1 《Tundra》
1 《Savannah》
1 《Scrubland》
1 《Underground Sea》

4 《貴族の教主》
3 《アーカムの天測儀》

まだ改良の余地はあるが、これが現在のマナベースだ。基本地形を増やしビーダマン・パッケージを採用したことで黒マナの安定した捻出と同時に《血染めの月》、《基本に帰れ》に耐性を付けている。

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ちなみに、ビー玉こと《アーカムの天測儀》はできれば採用したくないと思っている。それはドローソースとしての信頼性の無さだ。このカードの枠はもともと《思案》のものだった。


MTGは再現性の勝負だ。特に青いデッキは、いかに理想的な手札を先に揃えられるかの戦いだ。もし2マナの《議会の採決》があれば、秒でバントに戻して天測儀を《思案》にする。それくらい安定性を担保する1マナドローソースの枠は重要だ。(《予期せぬ不在》が(X)(W)なら使ってたかもしれない)。あとは冠雪土地だとイラストのバリエーションが少ないのが不満だとか、土地は旧枠で揃えたいので《虹色の眺望》は不採用とかの拘りがある。

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個別カード解説

3 《氷牙のコアトル》
3 《石鍛冶の神秘家》
3 《真の名の宿敵》
1 《厚かましい借り手》

4 《渦まく知識》
4 《意志の力》
3 《剣を鍬に》
2 《突然の衰微》
1 《思案》
1 《呪文貫き》
1 《湖での水難》
1 《否定の力》

3 《王冠泥棒、オーコ》
2 《精神を刻む者、ジェイス》
1 《殴打頭蓋》
1 《梅澤の十手》

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《思案》が減った分のドローと、盤面の維持、Willの弾に十手の担ぎ手と余すところの無い潤滑油のような存在。氷河期っぽいのに内定をたくさん持ってそう。デスバントでは肉弾戦を《真の名の宿敵》に頼っているため序盤を《タルモゴイフ》でごまかしていた時期もあったが、結局ビーダマン・パッケージの理由でもあるこちらに落ち着いた。

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先手2ターン目に出せれば流石に強い。土地単相手には、これでいかに素早く《Glacial Chasm》を維持できないライフまで持っていけるかが肝要。

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対ダークデプス兼ユーティリティ。3つあるうち最大の欠点が、種族が《真の名の宿敵》とカブっていること。《疫病を仕組むもの》の存在は常に考えておいた方がいい。あとはMOの値段がおかしいのと、アリーナのエフェクトがウザい。

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《思案》が少ないため、ブレストフェッチの動きは他のデッキ以上に重要。

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一時期に比べ、メイン3枚サイド1枚という枠の取り方をする人が減った気がする。フェアデッキ相手でも後手なら2枚程度残す。5マナあっても《殴打頭蓋》の装備を優先する場合が多い。

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《突然の衰微》と一部役割が被るので3枚にしているが、致命的な生物を展開するデッキが増えているので4枚にしてもいいかもしれない。

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パイオニア特需で《至高の評決》と共に株を上げた、通称ビイスー(勝手に呼んでるだけ)。奇跡の3マナPWにデスタクの装備品と、的には事欠かないが、3枚以上積むと初手に複数枚来た時にダレるので2枚がベストだと思っている。

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自由枠。どちらもドローとカウンターの数合わせで、できればどちらか2枚にしたいが環境に合わせて変えていくイメージ。1枚で複数の役割を持てるカード、そんなものがあればいいのだが…

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あった。それが令和のマスターピース、《湖での水難》。状況を選ぶのと2マナなので1枚に抑えているが、上2枚と合わせたこの3枚は柔軟に運用していきたい。"Loch"って何て読むの?

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かつてサイドボードに1枚差ししていたが、気付いたらメインボードに昇格していた。基本的にはできる限りハードキャストするが、相手がピアスを構えてそうな時は気をつける。

PWと装備品は他で散々語られているので割愛するが、大抵コンボ相手の時はオーコと十手を減らし、フェア相手の時は剣を増やす。

デスバントのサイドボード

2 《封じ込める僧侶》
2 《疫病を仕組むもの》
1 《天界の粛清》
1 《自然への回帰》
1 《外科的摘出》
1 《火と氷の剣》
1 《饗宴と飢餓の剣》
1 《森の知恵》
1 《狼狽の嵐》
1 《夏の帳》
1 《輪作》
1 《カラカス》
1 《不毛の大地》

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MOのメタゲームに合わせているので、そのままリアル大会に持ち込むかは微妙だが、《封じ込める僧侶》はバイアル系デッキ、赤黒リアニ、ショーテル(《秘儀の職工》は注意)とかなり範囲が広い。《疫病を仕組むもの》も同様だ。

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対デプス、ショーテル。

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実は一番ふわふわしている枠。2マナが重いと感じることが結構ある。

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定番の墓地対策。ライフを支払う必要が必ずしもなくなった点は明確なメリット。

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剣は色の合うフェアデッキ相手に差すのはもちろん、コンボ相手に十手では遅いと感じる時にも有用。対奇跡やデスタク戦を考えて《光と影の剣》を採用していた時期もあったが、ボーナスが弱すぎると感じたのでやめた。

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対奇跡。テフェリーの的にされると嬉しい。

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対コンボカードだが、コントロール相手にWillと入れ替えたりすることも。《夏の帳》の流行で信頼性が揺らいでいる。

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現レガシー禁止筆頭候補。これのせいで環境からハンデスは数を減らしており、存在自体がメタゲームみたいなところはある。しかし依然としてハンデスしてくるおじいちゃんは結構いるので、サイドボードから抜くことができない。ただ以前ほど2枚、3枚と入れる必要がなくなってきてはいると思う。

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サイドボードのトリを飾るのが《輪作》パッケージだ。デッキ構成をビーダマンにしたことでメインボードに《不毛の大地》を積むことができなくなった。しかし、ダークデプスを相手にした時や《全てを護るもの、母聖樹》を置かれた瞬間ゲームオーバーなんて事態は望むところではないので、飛び道具として採用した。緊急時にマナフィルターになるのも悪くないだろう。石鍛冶を使っていて良かったと思える点は、何百回と装備品が初手に来る現象を経験してきているので、《輪作》とサーチしたい《カラカス》等が手札に同時に来た時でも動じないということだ(嘘。普通にキレる)。

デスバントまとめ

デスバントは特別真新しいデッキでもなければ、環境を席巻するほどのパワーもない。だが、2ターン目にカウンターを構えながら、レガシーを代表する強力な3マナ域を叩きつける爽快感は保証できる。それこそが、僕が8年近く石鍛冶を擦り続けてこられた原動力なのだ。だから覚えていてほしい。いつか君がデスバントを握り、結果を残したその時は

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デッキ原作者は©ムンナだから。そこんとこよろしく☆(ゝω・)v

おしり


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