見出し画像

【スタンダード】白緑ミッドレンジ調整記【GRN~M21】

『ラヴニカのギルド』以来、スタンダードでは白緑デッキを使い続けている。白緑は『ドラゴンの迷路』『タルキール龍紀伝』『戦乱のゼンディカー』等の時代にそれぞれ組んでいて造詣があったし、何より白緑というカラーが好きだからだ。もちろん他にも色々なデッキに触れたかったが、レガシーやモダンも並走している以上、割けるリソースには限界がある。スタンダードは一番お金がかかるフォーマットなので、使うデッキは1つに絞った方が良いだろう、という考えだ。

しかし、世は大インフレ時代。下環境でいうアンフェアすれすれのデッキが跳梁跋扈している上に、一撃で勝負を決める必殺技も無ければ、速度も無いセレズニアミッドレンジで、≪夏の帳≫という救世主を奪われたのに≪霊気の疾風≫は野放しという世紀末スタンダードを生き残るのは生半可な所業ではなかった。

この間、ようやくArenaでダイヤモンド帯まで進めることができた。世の中がやれミシックだプレイヤーズツアーだと騒いでいるところでやっとこさダイヤである。

どうぶつDeck Wins ~犬猫に捉われるのは本当の動物好きじゃない~

画像1

紆余曲折を経て完成したデッキがこちら。白緑は何でもできるように見えてそれぞれのカードの役割が明確に決まっているので、マリガンが重要なのはもちろん、メタゲームに合わせた繊細な調整がとても重要だ。

2マナ域

画像2

画像3

画像4

いわゆるキープ基準である。≪漁る軟泥≫再録によって≪自然の怒りのタイタン、ウーロ≫への耐性が上がったことはM21における最大の収穫と言っていいだろう。そして、≪青銅皮のライオン≫を採用しているのは何も打点の確保だけが理由ではない。


画像5

○ね。

最強アドバンテージマシン、≪砕骨の巨人≫の存在だ。このカードのせいで2マナタフネス2は人権を失ってしまった。赤いデッキ相手に2ターン目≪踏みつけ≫で除去→3ターン目≪砕骨の巨人≫をやられた場合敗北は必死で、人権保護の機運の高まっているはずのアメリカでこんな差別がまかり通っているのはおかしい―明らかにコストの設定が1少ないだろ―と思う。

とにかく、スタンダードのミッドレンジの2マナ域に求められているのは特定の仕事をこなせるか、タフネスが3以上あることである。


3マナ域

画像8

画像8

一部界隈で≪自然の怒りのタイタン、ウーロ≫と呼ばれていた≪ラノワールの幻想家≫だが、その評判の通り強力だった。ドローソースの少ないこのカラーリングでは、地味ながらいぶし銀の働きを見せる。

≪黒き剣のギデオン≫は、対コントロール相手には必殺の一枚だ。それ以外のマッチだと、後手なら全部抜くくらい弱いのだが、長らく白緑の3マナ域は仕方なくこのギデオンを水増しするくらい悩まされてきた。というのも、小技が少ない白緑の3マナ域は本来ならマナレシオで勝負をかけたいのだが、長らく3/4/4級のクリーチャーがいなかったのだ。

画像9

画像10

落選した3/4/4達。≪ロクソドンの強打者≫がほしかった。

パワーが4あれば後手でも≪探索する獣≫に相打ちできるし、タフネスが4あれば≪焦熱の竜火≫でテンポを取られることもない。毎ターンじわじわと場を制圧していきたい白緑にとって、場持ちの良さは重要だ。

画像9

そして最近採用したのが≪ガラクの先触れ≫だ。タフネスは3しか無いが、白黒ヨーリオンの≪ケイヤの誓い≫が当たらない点は評価できる。新しいガラクも試したが、押している状況ではそこまで制圧力が無く、負けている状況での3/3は先述の通り大型クリーチャーや3点火力で簡単に処理されるため、残念ながら採用レベルには至らなかった。


4マナ域

画像15

よく≪霊気の疾風≫されるカード。4枚にしたいが、ドローソースが無く手札でダブついた時がどうしても許容できないので3枚。

画像11

≪水晶壊し≫はメインに人間のいないこのデッキにとってほぼ3マナのような扱いで、≪太陽の神のお告げ≫トークンを踏み潰せる一時期の主力だった。ヨーリオン全盛期には、ブリンク対象の置物を抹消することでこの海蛇を只のフレンチバニラとするべく、≪秋の騎士≫とあわせてメイン置物破壊8枚体制を組んでいたこともある。

画像13

なんでタフネス5あるの?(半ギレ)


画像13

画像14

≪幼獣守り≫は横並びデッキや極端な速度のデッキへの対策だ。≪アーク弓のレインジャー、ビビアン≫はギデオンと同じく、先手ならゲームを決め得る1枚。後手は抜く。


5マナ域と除去

画像16

≪騎兵≫シリーズで最も過小評価されていると感じる1枚。このカードで逆転できたことも少なくない。≪ハイドロイド混成体≫や≪石とぐろの海蛇≫を追放した≪ガラスの棺≫を3/3のゴーレムにする小技もある。

画像17

1枚差しが多いことからわかるように、5マナ域はかなり頻繁に入れ替えている。≪悪夢の詩神、アショク≫のように、1枚で除去もフィニッシャーも兼ねるカードが白緑に無いためだ。今後はもしかしたら≪悪斬の天使≫を増やすかもしれない。

画像18

除去もメタゲームによって≪ガラスの棺≫を増やしたりする。≪払拭の光≫はテンポが悪く、思ったほど使い勝手は良くないので3枚目の採用は微妙だ。また最近は≪原初の力≫に注目している。

画像19

腐っても≪捕食≫

サイドボード

画像20

一番最初に"執政官"と訳したことが大失敗だった説が騒がれるArchon界でも群を抜いて地味な≪赦免のアルコン≫だが、環境に碌なプロテクション(白)がいないために採用。3ハゲが効かないので白系コントロールには劇的に刺さる。(テキストをよく確認される)

画像21

インスタントやソーサリーに対する対抗手段を持たないため、サイクリングと≪荒野の再生≫用のサイドカード。たまにくさそうな緑単のデカブツを消している。

立ち回り

どこの3マナプレインズウォーカーのせいかわからないが、インスタントタイミングの動きをほとんどしないデッキなので、基本的には生物やPWを叩きつけていくだけだ。また青いデッキ相手は、メインだろうが常に≪霊気の疾風≫をケアする必要があるので、可能であれば白い呪文から先に唱えたい。

画像22

令和のレイシストカード

≪青銅皮ライオン≫の破壊不能能力を構えるのは、先手で後続を展開する前に殴る時と、コントロール相手で場に複数のクロックがある(手札にクロックを温存している)場合だけだ。

アグロ相手ではマナレシオはこちらが高いはずなので、積極的に相打ちするなど消耗戦を仕掛ける。ただ緑単だけは分が悪いため、次これを引かなかったら負け、といったようにある程度割り切った戦い方が必要になる。

ここまで書いてきて気づいた方もいるかもしれないが、白緑は得意なデッキより苦手なデッキの方が圧倒的に多い。相棒デッキの全盛期は勝てなさすぎて他の白いデッキに浮気していた。しかし結局気づくのは、勝ちにこだわってTier上位デッキをコピーすることを"しないのであれば"、色を足したり他のデッキを試すよりは、渋く同じデッキを回し続ける方がトータルで勝てるということだ。(というか、強いプレイヤーが上のランク帯に移動していっているだけだと思うが)

基本セットが重なり、スタンダードのカードプールが下環境のように広くなるこの時期が一番苦手だが、何だかんだで手軽に遊べるArenaなので、このまま白緑でミシックを目指していきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?