これまでの生活とこれからの生活の価値観

Twitterでふと目に入った近田春夫氏のツイートを見てから、そうだよなぁととても考えさせられてしまっている。

まずは自分個人のここ最近の状況を説明したい。

私は2月いっぱいで14年近く勤めた会社を退職した。理由は、上司との信頼関係が破綻したことと、周りの同僚ともなんだかかみ合わず、社内で孤立したように感じたからだ。まあひとくちに言えば人間関係が原因、という事になるんだと思う。

しかし、そういう本心があるものの、一方では「転職先がいい人ばかりなんて限らない。人間関係が原因で転職するなんて言う奴は、コミュニケーション能力が低いんじゃないの、と思われてプラス評価にならないし、自分のためにならないに違いない」と思っていたため、転職活動中はなんとか収入面でプラスになる会社を選んで、「今回の転職は収入プラスを狙っているんだ、収入の増加は自分と家族の幸せにつながるのだ」と常に自分に言い聞かせていた。

転職活動自体が生まれて初めてだったものの、面接に落とされるうちにコツのようなものをつかみ、セルフPDCAを回すことなんかが楽しくなって、最終的には2社から内定をもらえた。どちらも収入面での条件は以前の会社より良く、より収入面での条件が良い方に転職することにした。

転職先が決まったのが2月中旬。しだいに新型コロナウイルスが身近に迫ってきているような気がしている頃だったが、私は正直影響ないだろ、と高を括っていたし、受け入れ先の会社も表面上は何も気にしていない様子だった。

しかし誰しもが経験したように、この頃から凄い勢いで生活が変わっていき、いよいよ明後日から新会社で勤務という目前になって、会社から業績の急激な悪化を理由に、4/1から従業員を一部休業させることになり、私も対象となったと打ち明けられた。私は3か月の休業を言い渡された。休業期間中は給与は数割カットされる。額面は以前の会社よりも低い。休業明けも、契約当初の金額変更があり得ると言い渡された。

休業を言い渡された直後は、なんとなくこういう状況を予想していたものの、もう早速次の転職先を探すべきか、内定を蹴ったもう1社に泣きつこうかなとか混乱していた。(もう1社はこの状況下でむしろ売上増が予想される業種だったため)

最終的には、会社を信じておとなしく3か月間休業することにした。いざとなれば、内定取り消しという選択肢もあったはずのところ休業ということは自分を必要としていつつも、泣く泣く休業扱いにしようという経営判断だろうと想像した。業務が始まったら、バリバリ働いて会社に貢献しようと思った。

で、いざステイホーム生活を始めてみると、なんだかすっかりこの生活になじんでしまったのだ。心配だった2歳7か月の娘とのつきっきりの一日もなんだかんだ楽しいし、なるべく家にある食材を組み合わせて食事を作る工夫も面白い。近所の河原や空き地に生えている雑草を見ても、日に日に変化があって季節の移り変わりを感じれる。

結局、今身の回りにあるもので工夫すればもっと楽しめたんだなあということに気付いた。収入が増えたら車を替えようとか、もっと旅行に行こうとか、美味い酒をじゃんじゃん飲みたいとか、回収率の高い投資型の保険につぎ込もうとか思っていたが、別に車は壊れていないし、気分転換したければ散歩すればいい。疲れて喉が渇いた時に飲むビールは美味いけど、本当に喉が渇いた時の水だって美味しい。投資なんてこの経済状況を見ればもってのほかだった。

とはいえ、どうしてもお金が必要な場合はあるので、いよいよ棚に上げた収入と真剣に向き合うときなのかなあ、と思っている。

自分と家族にとって本当に必要なのは何か、それを得るためにはどのくらいの収入がいるのか、いろんな広告に自分がターゲットだと勘違いして心を揺さぶられてしまうけど、不安定な心境で高望みしないような人間になるチャンスかもしれないと思ってる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?