アイドルとファンの話

これは極めて私的な思考の整理と感情の記録のための記事。
乃木坂46、29枚目シングルに関する騒動を受けてのあれこれを書き留めておきたい。

アイドルとは"何に対してお金を払っているか"が非常に曖昧な趣味だと思う。
スキャンダル報道が出る度に感じていたことだが、今回の騒動でより深刻に感じた。

起きていることの全てがあまりにもグロテスクすぎて、恐怖すら感じた期間だった。
一般人だった彼女の秘めておきたかった過去の言動があたかも正義かのように暴かれる過程。
乃木坂を愛しているファンの圧倒的な怒り。
彼女を受容するファンと拒絶するファンの直接的・婉曲的な対立。
活動自粛のお知らせ。そこで彼女が"告白させられた"事実。
そしてそれが事態を収めるための仕方ない選択だと思わざるを得ない構造。
そのすべてが。

乃木坂ファンとしては、彼女を拒絶する心理も正直分からなくはないけれど、
ひとりの大人として感じる怒りと悲しみが大きすぎる。

年齢という点において、女性アイドルグループの価値観を変えるということを乃木坂は成し遂げたと感じている。
そんな乃木坂だからこそ、もう一歩その変革に踏み込んで欲しいと、勝手ながら期待してしまうのだ。
46時間テレビ内でお披露目されたメンバーの多くは学生だった。
子供も多くいるグループだからこそ、メンバーを確実に守れる体制であって欲しい。
ファンが求める対価が多様だからこそ、その姿勢は明確に示されるべきだと思う。
もっとも、メンバーを守る為にはファンの価値観の変革が第一なのだけれど。

乃木坂のやさしさが好きだ。
受容し合うことで生まれる物語が美しいと思った。だから好きになった。
彼女がこのまま乃木坂を去ることを余儀なくされた時、私は変わらず乃木坂を愛せるだろうか。

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