『鎌倉殿の13人』第29回「ままならぬ玉」(2022年7月31日放送 NHK BSP 18:00-18:45 総合20:00-20:45)

三浦次郎義澄、安達藤九郎盛長が死んだ。ともに1200(正治2)年没で義澄が74歳、盛長が66歳。ドラマでは藤九郎のほうが年上に見えるが、次郎の方が年上。それぞれの嫡男は義村と景盛。のちに三浦一族が北条氏の外戚として権勢を振るうようになると安達氏と対立。景盛は息子たちとともに三浦泰村(義村の子ども)ほか三浦一族を滅ぼした(1247年、宝治合戦)。という後のことなど二人の爺さんは知るよしもないことは言うまでもない。ついでながら前回「もうすぐ死ぬ」と言われていた千葉常胤は彼ら死去の翌年、1201年に84歳で亡くなった。

今回は北条時政が従五位下に叙位、遠江守に任官する。源氏以外でははじめての国守任官ということであり、また位から言えば当時まだ正五位の下であった鎌倉殿の頼家に匹敵する(時政失脚後に遠江守に任官されたのは時房[時連]。時房はその後、駿河守に遷任)。そのような別格の地位を得た時政が牧の方と謀って阿野全成に頼家を呪詛させたこともフィクションではあるが、納得がいく。一方、1202(建仁2)年、頼家がようやく正二位・征夷大将軍に任じられると乳母父である比企能員の権勢も伸長、娘・せつ(若狭局)の息子・一幡を押し立てていこうとする。北条と比企の緊張は抜き差しならないところまで高まっていくのであった。ちなみに正室なのか愛妾なのか不明のつつじが産んだ子どもの善哉はのちの公暁である。

【今日のワンポイント】
善児に育てられた孤児のトウが登場。見事な技の持ち主らしいが、もちろん最初の暗殺ターゲットは誰かということに関心が向くだろう。予想では義時の命を受けて一幡を殺るのではないかと思うのだが、はたして?


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