『鎌倉殿の13人』第30回「全成の確率」(2022年8月7日放送 NHK BSP 18:00-18:45 総合20:00-20:45)

変わったタイトルだと思ったが、内容を見て納得。秘かにこの大河での阿野全成のキャラクターは好きだったので、わかっていたことながら、退場ということになってしまい、ちょっと残念。実衣(阿波局)を演じた宮澤エマの演技も良かった。もっともそれは判官贔屓の心情そのものに違いないのだが。

それにしても謀反の嫌疑をかけられ、常陸に流され、すぐに殺されてしまうというには蒲殿・範頼と同じく迅速。もっとも範頼が善児の刃で瞬殺されたのとは対照的な最期のシーンであったが、義経といい、範頼といい、そして阿野全成といい、頼朝に兄弟たちの滅亡はいずれも同情的に描かれている。

さて『鎌倉殿の13人』ではこれからもほぼ毎回誰かの最期のシーンが描かれていく。次回はいよいよ比企能員の乱である。比企能員の死はどのように描かれるのか、またその後の頼家、一幡の運命はどのように描かれるのか、北条氏が実権を握っていくことに正当性はあったのか……。

【今日のワンポイント】
今若丸と呼ばれた全成は醍醐寺に預けられその間に出家。頼朝挙兵の報がもたらされると頼朝のもとに一番最初に馳せ参じた。預けられた醍醐寺では相当なワルぶりだったそう。時政と組んで頼家追い落としを積極的に謀ったということのほうがしっくりくるように思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?