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扁桃腺 摘出手術(両側口蓋扁桃摘出術)

手術前の症状

■ブログを書くきっかけ
 手術前にいろんな人の扁桃腺の手術のブログを読んで、とても助かりました。そこで、これから扁桃腺の手術を受ける人の為に、自分の経験を忘れないうちに残しておくことにしました。46歳での扁桃腺の手術だったので、若い人はもう少し回復が早いかもしれません。入院費用は13万5千円ぐらいでした。
 会社を長く休むタイミングを見付けるのが大変でしたが、職場の皆さんには感謝です。

■冬になんども扁桃腺が腫れる
 何度病院に行ったか分かりませんが、今年の冬の病院に払った金額は10万を超えてました。「喉が痛くなる→熱がでる→鼻がでる→咳がでる」のサイクルを繰り返すだけでなく、ひとつのサイクルがながくなってもきました。もっとはやく手術すれば良かったのかもしれません。

■神経を抜いた歯根が腐って抜歯
 扁桃腺を切る前に、歯の調子が悪かったり、ニキビがでたりでいろいろと体調の不調がありました。これは、扁桃腺を取った後に知り合いの医者から聞いたのですが、扁桃腺の腫れがひどい人にはそういうことがあるようです。自分は扁桃腺の手術の半年ほど前に歯の根が腐って抜きました。また、この2年間ほどは、冬になるとニキビがひどかったです。

■抗生物質が効かない
 抗生物質も利かなくなってきていて、最後の冬はジスロマックにまで手をだしました。医者からは、この薬はそんなに気軽に飲むものじゃないと怒られました。しかし、冬は慢性的に体調が悪く、12月~5月まで禁酒もしてみたのですが、仕事から帰ると疲れて寝てしまうことが多かったです。

■持ち物
 病院の案内にある着替えやタオルといったもの以外の持ち物で持って行っても買ったものを書いておきます。

マスク:安いものでもいいので、たくさんあるといいです。途中でタンが絡んで、1日に何枚も使うことがありました。
ごはんですよ:お粥を味付けするものがあるといいです。
陶器のコップ:自分はプラスチックのものを持っていきましたが、なんどもうがい薬を入れてうがいをするので、陶器やガラスのものがいいと思います。臭いが付きます。
Amazon Primeの契約:映画、音楽、書籍(漫画)の使い放題がとても重宝します。ただ、WiFi環境がない病院の場合、事前にDLしておくことをオススメします。
Kindle:バッテリーが長持ちするのがいいです。スマホだと長時間の読書は難しいです。
枕を包むタオル:複数枚あるといいです。術後に喉が腫れていると、タンが絡みますので、枕シーツが汚れます。
大容量のWiFi:ずっとベットに縛り付けられますので、あると便利です。別契約してもいいかもしれません。自分は1週間の入院で10GByte以上使いました。
爪切り:1週間は意外と長いです。
ティッシュ:ふた箱とか言われますが、自分の病院は洗面台が相部屋にあったので、そこで血やタンを吐いていたので、ひと箱で大丈夫でした。ここは人によるかと思います。
ノイズキャンセリングヘッドホン:相部屋だと他の人の声などが気になります。また、Kindleで映画や音楽を聴くにも気を使います。

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入院してから

■手術前日
 麻酔の検査等があるだけで、あとは自由時間です。すでに今年の扁桃炎に2週間前に1回かかっていて、治りかけだったのですが、無事に手術のOKはでました。咳がまだ残っていたのですが、扁桃腺の腫れはなくなっていたようです。10月の手術は、寒くなって扁桃炎になっているリスクがあると言われていたので、危なかったです。9月までの夏に手術をすることをオススメします。

■手術当日
 あっという間に手術が終わりました。全身麻酔等について、あれこれと事前に調べてしまって怖くなりましたが、本当にあっという間です。なにも怖くないです。「手術室に入った際にかける曲はなにがいいですか」と言われて、ピアノ曲と答えました。有線のピアノ曲だったので、ちょっとイメージは違いましたが、それでも和みました。スッと自然に眠りに入ります。寝る前に言うひとこと、面白いことを考えておけば良かったです。いつか死ぬときもこんなんだといいのですが。
 目が覚めると手術が終わってました。目覚めた途端の激痛とかもなく、「おはよう」って感じです。爽やかな目覚めですらありました。痛みを感じる間もなく、しばらくは、あぁ終わったんだって、放心状態。長い廊下やエレベーターを通ってストレッチャーで運ばれた記憶は遠い彼方で、ベットに抱えて移してもらったところぐらいしか覚えていません。
 手術後は、思ったよりも痛くありませんでした。麻酔が効いていたからなのでしょうか。入院前の扁桃炎のほうがよっぽど痛いです。口の中は変な感じがしますが、気にならないです。
 ただ、血とタンはとめどなくでます。どんどんでます。横になっているとすぐに口の中がどろどろな液体でいっぱいになるので、ティッシュを大量に使います。もしくは、洗面台に行きます。あるいは、寝ているときは、どうしても枕を汚します。もう、なんというか、赤子のようです。「涎かけ」が必要なんじゃないかと思うぐらいです。
 この日、手術後はかなり寝ていたような気がします。起きるのは、痛みと口の中の違和感ですが、思い返すと、なんだか頭がぼーっとしていて、半分夢の中のような感じです。本人はいたって普通な気持ちでいるのですが、思い返せないところからも、やはりぼーっとしていたんだと思います。
 夕食の流動食は、はじめて食べましたが、なんか宇宙食のようで面白かったです。ただ、痛くないわけではないので、できれば食べたくないし、できれば喋りたくないという感じです。

■手術後1日目
 夜は睡眠導入剤:マイスリーをもらって寝ました。寝られなかったというブログをたくさん読んでいたので、マイスリーをもらっていて良かったと思います。
 水を飲むのに工夫がいります。なんとも言いにくいのですが、喉の上側から飲むようにしていました。ただ、これに失敗すると鼻に入ります。術後は鼻の通りが良くなるのか、鼻に水が入りやすくなっています。いっぽう、これまでの飲み方をすると、肺に入ります。これはしばらくすると収まりましたが、手術後は肺に入るか、鼻に入るか、うまく胃に入れられるかの3パターンがあり、肺に入ると咳をしてしまうので、咳止めをもらっていました。手術前から咳があったので、普通は咳止めはいらないかもしれません。
 また、喉が詰まって目覚めました。ただ、手術後1日目はまだそんなに痛くないです。なんだ、耐えられるなぁって思ってました。でも、痛いことは痛いので、できるだけ寝て胡麻化しました。徐々にここから痛みがはじまります。

■手術後2日目~3日目
 このぐらいから徐々に痛くなってきます。朝起きた時と、薬が切れたタイミングが痛いです。この2日間でかなり寝たためか、だんだん昼寝も少なくなってきます。それでも、やはり昼も寝てしまいます。21時消灯で、6時起床というのは、かなり長い夜であるため、睡眠時間は取れているんだと思いますが、昼も眠くなります。起きている時間に痛みを感じるので、寝ているのが楽です。本をたくさん読もうと思っていたのですが、難しい本は無理かもしれません。自分は学術的な法律書を持ち込んでいたのですが、1ページも開きませんでした。。。ここは人によるかもしれません。
 後からわかったのですが、歯を磨いたり、うがいをすると、さっぱりするだけでなく、痛みも和らぎます。特に、歯を磨くと痛みが和らぐ理由が良くわかりませんでした。歯磨きに含まれるメントールに炎症を抑える作用があるのでしょうか? いずれにしても、歯磨きとうがいは何度もしてました。
 液体状のロキソニン(1日3回)がとても助かりました。すごく飲みやすいです。最初はロキソニンだけでなく、カロナールも追加(1日3回)で処方されたのですが、効きが悪く、途中からトアラセット(1日3回)を処方してもらいました。眠りは浅く、息苦しくて目覚めました。喉に血やタンが詰まるのですが、これをだすのも痛かったです。でも、ださないと息ができないので、なんどもだしました。寝ながら息が詰まって、咳き込むことが何度かありました。でも、生命の危機を感じるほどではないです。
 食事はみるみるできるようになってきて、3日目ぐらいには五分粥と、普通のおかずになっていました。なんだ、すぐに食べられるようになるもんなんだって思って、もう退院して自宅療養でもいいんじゃないかぐらいな感じでした。しかし、ここから第2波が来るのです。。。

■手術後4日目~6日目
 おそらく扁桃線を切るぐらいの人は、自分と同じく癒着している人が多いのではないかと思います。なんども扁桃腺を腫らしているうちに、癒着してしまうようです。自分の場合、この癒着が舌の付け根にあったようで、この部分がとても染みて、再びご飯が食べられなくなりました。染みるだけならいいのですが、舌の付け根が腫れて、息苦しくなります。これが恐怖で、この後、食事が嫌になります。
 また、この頃からリンパが腫れるようになりました。自分で喉を触ってもわかるぐらい、腫れていました。普通に食べられるようになるまで、しばらく腫れていました。この腫れがひどくて、喉の奥を常に引っ張られているような、息苦しさがありました。
 4日目の昼から、看護師に頼んで、また初日と同じどろどろの宇宙食に戻してもらいました。しかし、それすら食べられなくなりました。とにかくほとんどの食べ物が染みるのです。染みなかったのは、アイスとプリンぐらいです。しばらくアイスとプリンが続きます。
 特にプリンに関しては、どのプリン美味しいのか、舌触りがいいのか、甘くないのか(あまいものは飽きます!)という微細な差異をかぎ分けられるようになります。自分は成城石井のプリンが甘くなくて一番美味しかったです。デパートの地下の高級なプリンは、意外と甘かったりで、何回か食べると飽きました。また、ハロウィン前だったからか、パンプキンプリンがあったのですが、これは粒子が大きくて染みることがあります。
 成城石井のコーヒーゼリーは、食べられました。ただ、コーヒーゼリーはものによるかもしれません。
 他の人も書いていますが、かさぶたが取れた後、剥き出しになった傷の癒えていない粘膜が染みるのだと思います。自分の場合、舌の付け根の痛みでそれが強くでました。

■病院での気分転換
 自分が入院していたJR東京総合病院には、ロビーに100年以上前のアンティークなスタインウェイのピアノ(上記写真)があり、19:00~21:00まで入院患者は弾くことができました。これはとても助かりました。調律とかがすこしオカシなピアノだったのですが、それもまたアジで、カワイイ音を奏でます。弾くほどに好きになって行きました。高音部分の響きは弱いのですが、それ以外は本当によく鳴ります。次回があるかわかりませんが、入院はピアノのある病院にしたいです。
 弾けない時間は、iPadで鍵盤ソフトをDLして弾いてました。数日間、1時間30分ぐらい弾いていたのですが、腕は痛くなりませんでした。ピアノを弾いている時間は、不思議と喉もいたくなりませんでした。なにか、そういう夢中になれるものがあるといいかもしれません。

■病院での仕事
 何度か電話会議(自分はキーボードで返答)をしましたが、あまり長時間は辛いです。でも、30分ぐらいならいけると思います。それ以上になると、どっと疲れて、その後は横になって寝てました。自分の痛くないタイミングとかで読み書きするのはできるかもしれませんが、相手がいるインタラクティブな作業は難しいかもしれません。ピアノが弾けるぐらいですから、できることもあるかと思うのですが、じっと机に座って音符と戯れるのとは違い、仕事で資料を作ったり、調べたり、メールを読んだりと、いろんな作業をするのはちょっと辛いかもしれません。
 この辛さを上手く表現できないのですが、少しでも考えたり、悩んだりすると喉に力を入れてしまうためか、体力を使います。お腹を切るような手術をした人に笑わせると辛いように、笑ってしまうような面白いことでも外部からの刺激を受け付けにくいような、脆い状態になっているんだと思います。

■お見舞い
 ありがたいことに、何人かがお見舞いに来てくださいました。長く話すとやはり辛くなり、いちどは、気が付かれないようにふるまってはいたのですが、冷や汗がでるほど痛くなって、黙ってしまいました。AWSのPollyで話したりもしていたのですが、「イケるかな」って思って、たくさん話すと痛くなるので気を付けてください。

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退院してから


■手術後7日目:退院
 新宿から数駅の自宅まで電車で帰ったのですが、帰ってきたら、フラフラでした。会社の電話会議とかがあったせいかもしれませんが、かなり辛かったです。体力が落ちていることを自覚しておらず、全身麻酔のせいではないかといまは思っています。その後、1週間自宅にいても、体力は回復したので、病室にこもっていたことではなく、やはり全身麻酔が影響していたんだと思います。
 この日はとにかく疲れてしまい、帰宅後の打ち合わせ後には死んだように寝てました。

■在宅勤務
 手術後7日目からはじめました。復帰が少し早かったかなって思いましたが、会社のメンバーが遠隔からの勤務に協力してくれて、これにはガチで助かりました。会議をしていて思ったのが、筆談の方が会話がじっくり聞けて、発言もまとめて言う必要があるので、頭が整理されていいところもありました。普段の仕事を客観的にみるいい機会をもらいました。ただ、メンバーにはとても迷惑をかけたかと思います。感謝です。

■手術後8日目~11日目
 ずっとプリンを食べていました。あと、あんこが食べられたので、最中を食べてました。結果、4㎏痩せました。美味しいプリンが見つけられたのが良かったです。舌の両わきが染みる症状が治らない一方で、喉はどんどん良くなっているのがわかりました。他の人のブログを見ていると、もう普通に食べられている人が多い時期なので、少し焦りました。舌が痛いのがあまりに長いので、別の病気ではないかと疑いました。
 食べられたものは以下のものです。

・水、お茶、豆乳
・絹ごし豆腐
・えだまめ豆腐
・プリン
・あんこ(豆乳と一緒に)
・タイ焼き(豆乳と一緒に)
・クリーム今川焼(豆乳と一緒に)
・バームクーヘン(豆乳と一緒に)

 とにかく染みて、手術後に食べられていた以下のものも食べられなくなりました。

・ごはんですよを入れたお粥(味付けしないお粥は食べられました)
・ペースト状に擦りおろしたほうれん草
・ペースト状に擦りおろした人参
・トマトジュース
・スープ
・醤油の入っているもの
・味噌の入っているもの
・塩分のあるもの

 体力は徐々に回復してきている感じがあり、10日目ぐらいからは昼に眠くなることも少なくなり、睡眠時間ももとに戻ってきました。リンパの腫れもひいてきているのが分かりました。自分は回復が遅かった方ではないかと思います。

■手術後11日目
 この日は、薬も飲んでましたが、ひどい痛みは1日ありませんでした。でも、あの痛みが来るのが嫌だったので、プリンをずっと食べてました。痛み止めを1回減らしました。

■手術後12日目
 この日の夜に、もしかしたら、味のついてない納豆なら食べられるんじゃないかと思い、チャレンジしてみました。なんとか食べられたので、安心しました。痛み止めも、カロナールにチェンジしても大丈夫でした。

■手術後13日目
 術後検診があり、見てもらいました。もう、普通に食べてもいいと言われたので、昼に久しぶりに普通のご飯を食べました。硬いものや脂っこいものはやめようと思って、サンドイッチにしましたが、とても美味しかったです。また、珈琲も2杯飲みました。珈琲はとても美味しかったのですが、久しぶりの昼食と珈琲でお腹がびっくりしたのか、夜までモタれました。
 数日前までに染みていた痛みが嘘のようにひいて、とても嬉しかったです。会社の復帰に間に合いました。

■手術後14日目
 明日が初出社です。扁桃腺を取って、この冬に喉が痛くならないかは、後日、書き足す予定です。

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