見出し画像

再掲:京都アニメーション事件について考えること1

 第一回の本noteは、報道と苦情対応についてです。
 
最初は報道について
(2023年)10月2日に行なわれたジャニーズ事務所性加害問題の記者会見を予見したかのような、江川紹子さんたちの要望書提出はもっともだったと思います。
 
その理由は、個人のジャーナリストなどは、数少ない傍聴券を得るための相当数のアルバイトを用意できないことから、大手メディアや「NGリスト」にのらない記者やジャーナリストだけの「情報」が流されることが予想できるからです。
 
京アニ事件公判 「傍聴機会の十分な確保を」 江川紹子さんらが要望 (msn.com)
毎日新聞 8月10日
京都アニメーション放火殺人事件の公判を前に、ジャーナリストの江川紹子さんや弁護士らでつくる「司法情報公開研究会」が10日、一般傍聴の機会を十分に確保するよう求める要望書を京都地裁に提出した。
 
<中略>
 
 要望書では、相模原市での障害者施設殺傷事件の裁判員裁判で、横浜地裁が傍聴席の3分の1を被害者参加人の席にしたことを挙げ、「傍聴する機会を著しく奪う」と批判。京アニ事件では十分な傍聴席数を確保するよう求めた。横浜地裁では、そうした席が一般傍聴席から見えないように遮蔽(しゃへい)されたことについても「裁判公開の原則を定めた憲法82条の趣旨に反する」と反対した
<引用終了>
京アニ放火4年 18日追悼式、社長「作品で思いつなぐ」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 2023年7月18日
 
36人が亡くなった京都アニメーション放火殺人事件の発生から4年となった18日、現場の第1スタジオ跡地(京都市伏見区)で追悼式が開かれる。「作品づくりを続けることで(犠牲者の)思いをつないでいく」。今も変わらぬ無念さを抱えながら、残された仲間たちは今後も前を向き、まい進していくことを誓う。
<引用終了>

昨年(2022年)のブログ記事から
昨日は京都アニメーション放火殺人事件から3年の7月18日、その10日前には安倍元首相の銃撃死事件がありました。今後も類似する事件は起きることでしょう。なぜならば、「報道」が、事件の背景に迫ることができていないからです。

このような事件の真因を探るのが知性であり、筆者には現在の「社会的知性」が低下し続けているように思えてなりません。
 
苦情対応の話に移ります。
2019年の事件発生から4年以上経ちましたが、遺族や社会への八田社長の説明責任は、今でも十分に果たされていないと考えます。

福島第一原子力発電所事故の裁判でも「予見できたのか」が争点になっていますが、本事件も同様に「恨みを持つ者が現れないか」を予見し、最悪の事態に至らならないようにするための、最大限の対応策は講じられていたのかを検証すべきと考えますが、しっかりとした検証がなされたのか、はなはだ疑問です。
 
メディアにも、より深堀りした報道を期待します。その一言に尽きます。
 
もちろん、青葉真司容疑者は現行法における極刑に処されるでしょう。弁解の余地などありませんが、オウム事件や津久井やまゆり園事件のように一審で死刑を確定させる、日本の司法の在り方には疑問があります。青葉容疑者には、犠牲者や遺族、関係者のみならず、すべての国民に放火殺人に至る動機や、事件の背景に何があったのか、すべてを語る責任があると思います。
 
2020年の追悼式で八田社長は「1年前のこの日、この場所で、想像を絶する悲しい事件が起きてしまいました。地元はもちろん、全国各地からこの地に集まった優秀なクリエーターが突然未来を奪われてしまいました。無念で無念で、言葉がありません。断腸の思いです」とあらためて無念さを示されました。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/307610  (京都新聞 削除)
 
「無念」とは「くやしくてたまらない」の意味で使われていると思います。私には社長の言葉に物申す権利はありませんが、私にも「くやしくてたまらない」ことがあります。それは「なぜ青葉容疑者の恨みを募らせてしまったのか、会社は恨みを募らせない対応をしていた上での一方的な犯行だったのか」、つまり防ぐことはできたのではないかという疑問であり「くやしさ」です。
 
本年の追悼式でも「筆舌に尽くしがたい本当に悲しい事件です。犯人が憎いです。心からひとり1人の皆さんに哀悼の誠をささげます。みなさんとともにつくってきた数々の作品は、今も多くの方にご覧いただき、それが会社を支えてくれています。あなたたちを忘れることはありません。いつも心の支えです。どうぞ温かく見守ってください」と話されました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210718/k10013145551000.html [(NHK削除)
京都新聞は「ユートピアの死角」と題した6記事を2020年12月27日に掲載しています。
https://anond.hatelabo.jp/20210107124853 (京都新聞 )

この記事の論評の前提として知って頂きたいのが,東京ディズニーランドの苦情対応です。
 
東京ディズニーランドだけの1パーク時でも年間に約4,000件の苦情・提案・賛辞が寄せられていました。それでも、宛名のあるすべての意見に対して返信していましたし、特に苦情に対しては念入りに調査し事実確認をした上で、丁寧な謝罪文などの送付を行って来ました。
 
その理由の一つは、苦情を放置すると「恨み」につながり、爆破予告電話などの好ましくないことにつながることがあることを知っていたからです。
 
ここまで、むずかしい駄文を読んで下さりありがとうございます。
 
裁判員裁判は続いています。明後日以降に青葉容疑者が第4回公判で供述した「ユートピア」についてnoteします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?