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日本人の国民性④ 狩猟民族と農耕民族の違いを少し

 まず、私が長い年月をかけてわかってきた、ディズニーランドを生み出した国、アメリカ的発想やパラダイム(理論的枠組み)についてまとめてみます。
 
 ・理論的、科学的手法を重視する 
 ・仮説や仮定を大切にする
 ・あいまいな部分を許さない 
 ・仕事の標準化(マニュアル化)を重要視する
 ・使用する言葉に厳密さを求める 
 ・判断基準(ものさし)がはっきりしている
 ・段階的準備(レベル1~5)を用意する 
 ・安全装置を二重三重に施す
 ・決定権者がはっきりしている 
 ・決定権者の決定に従う
 ・サインをすることの重大性を認識している 
 ・異質性を重要視する
 ・意見の違いを当たり前と考える 
 ・シナジー(相乗効果)を大切にする
 
システマティックに物事を進める、このことがもともと狩猟民族であった人たちの「生き方」の基になっていたのかもしれません。
 
上澤昇著 『ディズニー・テーマパークの魅力-「魔法の王国」設立・運営の30年-』より
ディズニーはシステマティック
日本の第三次産業、とりわけサービス業にはシステマティックにものを考えると習慣が足りなかった。例えば、仕事が「阿吽の呼吸」でやっていける規模を超えたとき、組織を動かすノウハウがアメリカにはあるのだ。今でこそ日本でどこでも見られるようになったが、例えばゲストが何万人入園しても対応できる、作業手順を平易にまとめた職種別のマニュアルなどはその典型だろう。また園内の運営技術やゲスト管理技術なども実に緻密な計算と分析に基づいている。
<引用終了>
 
 日本的……? すべてをさかさまにしてみてください。語尾をない・しないに変えるだけです。今日の日本の役人的考え方そのものになりませんか。
 
 ・理論的、科学的手法を重視しない
 ・仮説や仮定を大切にしない
 ・あいまいな部分を許す
 ・仕事の標準化(マニュアル化)を重要視しない
 ・使用する言葉に厳密さを求めない
 ・判断基準(ものさし)がはっきりしていない
 ・段階的準備(レベル1~5)を用意しない 
 ・安全装置を二重三重に施さない
・決定権者がはっきりしていない
 ・決定権者の決定に従わない
 ・サインをすることの重大性を認識していない
 ・異質性を重要視しない
 ・意見の違いを当たり前と考えない
 ・シナジー(相乗効果)を大切にしない
 
 いずれにしても、世界の一流の企業であるディズニーにおいて特に大事なもの、それは安全管理機能と教育機能ですが、日本的手法、日本流のノウハウは全く役に立ちません。ディズニーの現場運営の責任者を務めた人たちは皆そう思うことでしょう。
 
参考
【農耕民族&狩猟民族】文明から見る欧米と日本文化の違い - ミナトのすゝめ (minato-intl.com)
 
それでも宮崎駿監督の映画『もののけ姫』のパンフレットには、このような日本人の「生き方」も。
 
この作品には、時代劇に通常登場する武士、領主、農民はほとんど顔を出さない。姿を見せても脇の脇である。
主要な主人公群は、歴史の表舞台に姿を見せない人々や、荒ぶる山の神々である。タタラ者と呼ばれた製鉄集団の、技術者、労務者、鍛冶、砂鉄採り、炭焼き。馬宿あるいは牛飼いの運送人達。彼らは武装もし、工場制手工業ともいえる独自の組織をつくりあげている。
<中略>
これらの設定の目的は、従来の時代劇の常識、先入観、偏見にしばられず、より自由な人物群を形象するためである。最近の歴史学、民俗学、考古学によって一般に流布されているイメージより、この国はずっと豊かで多様な歴史を持っていたことが判っている。時代劇の貧しさは、ほとんどが映画の芝居によって作られたものだ。この作品が舞台とする室町期は混乱と流動が日常の世界であった。南北朝からつづく下剋上、バサラの気風、悪党横行、新しい芸術の混沌の中から、今日の日本が形成されていく時代である。戦国もののような常備軍が組織戦いを行う時代とはちがうし、一所懸命の強烈な鎌倉武士の時代ともちがう。
もっとあいまいな流動期、武士と百姓の区別は定かでなく、女達も職人尽くしの絵にあるように、より大らかに自由であった。このような時代、人々の生き死にの輪郭ははっきりしていた。人は生き、人は愛し、憎み、働き、死んでいった。人生は曖昧ではなかったのだ。
<引用終了>
 
何か「日本人で良かった」という気持ちになります。

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