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日本人の国民性① 進むべき「目的地」が分からない

「日本でキリスト教が広まらない理由」というタイトルでいくつかの見方を紹介してきました。
 
本日から「日本人の国民性」についてnoteしていきます。最終結論は「日本人のパラダイム(ものの見方、考え方)をがらりと変えないとますます日本人の暮らしぶりは悪くなるということです。
 
そう思われる方は是非お読みください。先人たちが残してくれた良い言葉も紹介していきたいと思います。
 
さて、「日本人力」が低下し続けていると警鐘を鳴らす人もいますが、日本人の国民性に関する根本的問題は以下の通りと私は思います。
 
欧米では、民主主義という自己の思想と、キリスト教という他己の思想が、車の両輪を構成していますが、日本は宗教を失い、民主主義という片輪だけで走る車になってしまったのです。進むべき先を正しく指向することが、まったくできません。目的地すらわからないのです。自己肥大と他己萎縮が進行するため、ますますコントロール不能に陥ります。これが現代日本の抱える根本的な問題です。
<引用終了>
人間精神学研究所〈社会問題〉 (tvt.ne.jp)

他己とは「他己紹介」の他己であり、他人、他国から見た日本人と日本です。個人が国家を形成しているのですから、個人が目的地を分かっていないのでは、国家も進むべき先を正しく指向できるわけがありません。

そこで今日は「あるべき論」について述べたいと思います。

日本人論寺嶋眞一の世界 2003年5月25日より
http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/

戦後の混乱いつまでも
裏と表を考える社会で、裏金の摘発は日本人として衝撃を覚える。表の社会における裏は、日本人の生活の知恵とも考えられてきた。裏金を悪とすれば、公務員の一網打尽も不可能ではない。

我々の判断の仕方は、「あるべき姿」(things-as-they-should-be) と「今ある姿」 (things-as-they-are) に分けて考える英米流の判断の仕方とは違っている。裏と表は、共に現実の世界にあること。だが、英米人の「あるべき姿」は非現実、「今ある姿」は現実である。現実における裏は、現実の中でしか生きられない日本人の知恵となっていた。

原因は、日本語には時制がなく、結果的に現実形の一本やりの考え方になっているのに対して、英語は、独立した世界である過去・現在・未来を分けて考えられるからである。

英米人は、未来形の「あるべき姿」に基づいて、現実対応を考える。だから、議論が有益である。現実対応ばかりの日本人には、現実からの飛躍がない。誰が考えても結果が同じになる。そして、閉塞感を伴う。
<引用終了>

深い文章であり、ハッとさせられます。あたかも20年前に今日の日本の凋落を確信していたかのようです。

日本人はあるべき論を好まないという論説も見受けられますが、賛同することなくあるべき論について時々書いていきたいと思います。


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